2014年6月14日 (仮訳)バンレイシ属のサビキン目菌類、特にPhakopsora属菌 Beenken, L., 2014. Pucciniales on Annona (Annonaceae) with special focus on the genus Phakopsora. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-014-0963-5 [Accessed June 14, 2014]. 【R3-00808】2014/06/14投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ バンレイシ属樹木を宿主とするサビキン目菌類の形態学的検討および分子系統解析を行い、Batistopsora属がPhakopsora属のシノニムであることを示した。 また、Phakopsora pistilaとは塩基配列では区別されないが形態学的・生態学的によく区別されるP. annonae-sylvaticaeを新種記載した。 Aecidium annonaeの宿主が実際にはDiospyros hispidaであることを確かめ、これを基に新種A. verannonaeを記載した。 Brazil, Minas Gerais, Monte Verde (新種) Phakopsora annonae-sylvaticae Beenken 語源…Annona sylvaticaの 【よく似た種との区別】 Phakopsora rolliniae 同じバンレイシ属樹木を宿主とする 形態的に非常に類似している 夏胞子堆に護膜を欠く 夏胞子堆に糸状体を欠く 夏胞子にトゲ状装飾を持つ 本種と異なりブラジルではなくトリニダード・トバゴおよび仏領ギアナに分布する 本種より夏胞子の最大長径が短い 本種と異なり夏胞子が長楕円形ではなく球形~卵形 本種より夏胞子のQ値が小さい(1.5-2.4ではなく1.0-1.7) 本種より夏胞子の装飾が短い Phakopsora pistila 同じバンレイシ属樹木を宿主とする 本種と異なりブラジルではなくホンジュラス・ガイアナ・仏領ギアナ・パナマに分布する 本種と異なりAnnona sylvaticaではなくA. holosericea、A. sericea、A. spragueiを宿主とする 本種と異なり夏胞子堆に糸状体を持つ Panama, Juan Diaz (新種) Aecidium verannonae Beenken 語源…真のバンレイシ属の ※ホンジュラス産標本の採集地が”Jamastian”と表記されているが、”Jamastran”の誤りと見られる。 【よく似た種との区別】 Aecidium annonae 本種と異なりバンレイシ属樹木ではなくカキノキ属のDiospyros hispidaを宿主とする(かつてはこの種の宿主がバンレイシ属と誤解されていた) (新組み合わせ・仏領ギアナ新産種) Phakopsora crucis-filii (Dianese, R.B. Medeiros & L.T.P. Santos) Beenken 旧名:Batistopsora crucis-filii Dianese 【よく似た種との区別】 Phakopsora cherimoliae 同じバンレイシ属樹木を宿主とする 冬胞子堆の形態が非常に類似している 夏胞子の装飾が密な細かいトゲ状 本種より夏胞子堆の糸状体が短い 本種と異なり夏胞子堆の糸状体が互いに融合して管状になるという特徴を欠く ITS+LSU、LSU+SSU、CO3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phakopsora pistila 仏領ギアナに分布する 同じバンレイシ属樹木を宿主とする 冬胞子堆の形態が非常に類似している 夏胞子堆の糸状体が80 μmを超える 夏胞子堆の糸状体が互いに融合して管状になる 夏胞子の装飾がトゲ状 ITS+LSU、LSU+SSU、CO3に基づく分子系統解析でごく近縁(系統的に区別できない) 本種と異なりブラジルに分布する 本種より湿潤な環境に発生する 本種と異なりAnnona paludosa、A. tomentosa、A. squamosaではなくA. holosericea、A. sericea、A. spragueiを宿主とする 本種より夏胞子の装飾が長い 本種より夏胞子の装飾が密 (新組み合わせ) Phakopsora pistila (Buritica & J. F. Hennen) Beenken 旧名:Batistopsora pistila Buritica & J. F. Hennen(基礎異名はUredostilbe pistila Buritica & J. F. Hennen) ※Annona sericeaを本種の宿主として初めて報告した。 【よく似た種との区別】 Phakopsora crucis-filii 仏領ギアナに分布する 同じバンレイシ属樹木を宿主とする 冬胞子堆の形態が非常に類似している 夏胞子堆の糸状体が80 μmを超える 夏胞子堆の糸状体が互いに融合して管状になる 夏胞子の装飾がトゲ状 ITS+LSU、LSU+SSU、CO3に基づく分子系統解析でごく近縁(系統的に区別できない) 本種と異なりホンジュラス・ガイアナ・パナマに分布する 本種より乾燥した環境に発生する 本種と異なりAnnona holosericea、A. sericea、A. spragueiではなくA. paludosa、A. tomentosa、A. squamosaを宿主とする 本種より夏胞子の装飾が短い 本種より夏胞子の装飾が疎ら Phakopsora annonae-sylvaticae 同じバンレイシ属樹木を宿主とする 夏胞子堆を形成する 本種と異なりホンジュラス・ガイアナ・仏領ギアナ・パナマではなくブラジルに分布する 本種と異なりAnnona holosericea、A. sericea、A. spragueiではなくAnnona sylvaticaを宿主とする 本種と異なり夏胞子堆に糸状体を欠く Phakopsora cherimoliae 同じバンレイシ属樹木を宿主とする 冬胞子堆の形態が非常に類似している 夏胞子堆に糸状体を持つ 本種より夏胞子堆の糸状体が短い(80 μmを超えない) 本種と異なり夏胞子堆の糸状体が互いに融合して管状になるという特徴を欠く ITS+LSU、LSU+SSU、CO3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ・仏領ギアナ新産種) Phakopsora rolliniae (W. T. Dale) Beenken 旧名:Uredo rolliniae W.T. Dale ※南米本土新産種でもある(トリニダード・トバゴからの報告は既にある) ※本種のレクトタイプ指定を行った。 【よく似た種との区別】 Phakopsora annonae-sylvaticae 同じバンレイシ属樹木を宿主とする 形態的に非常に類似している 夏胞子堆に護膜を欠く 夏胞子堆に糸状体を欠く 夏胞子にトゲ状装飾を持つ 本種と異なりトリニダード・トバゴおよび仏領ギアナではなくブラジルに分布する 本種より夏胞子の最大長径が長い 本種と異なり夏胞子が球形~卵形ではなく長楕円形 本種より夏胞子のQ値が大きい(1.0-1.7ではなく1.5-2.4) 本種より夏胞子の装飾が長い (その他掲載種) Phakopsora cherimoliae (Lagerh.) Cummins ※本種のレクトタイプ指定を行った。 【よく似た種との区別】 Phakopsora crucis-filii 同じバンレイシ属樹木を宿主とする 冬胞子堆の形態が非常に類似している 夏胞子の装飾が密な細かいトゲ状 本種より夏胞子堆の糸状体が長い 本種と異なり夏胞子堆の糸状体が互いに融合して管状になる ITS+LSU、LSU+SSU、CO3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phakopsora pistila 同じバンレイシ属樹木を宿主とする 冬胞子堆の形態が非常に類似している 夏胞子堆に糸状体を持つ 本種より夏胞子堆の糸状体が長い(80 μmを超える) 本種と異なり夏胞子堆の糸状体が互いに融合して管状になる ITS+LSU、LSU+SSU、CO3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Aecidium annonae Henn. 【よく似た種との区別】 Aecidium veraannonae 本種と異なりカキノキ属のDiospyros hispidaではなくバンレイシ属樹木を宿主とする(かつては本種の宿主がバンレイシ属と誤解されていた) ※この他、Uredo属の一種の記載文を掲載した。