2021年8月14日 (仮訳)Protocrea属の再検討 Jaklitsch, WM., Põldmaa, K. & Samuels, GJ. 2008. Reconsideration of Protocrea (Hypocreales, Hypocreaceae). Mycologia. Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3077755/ [Accessed August 14, 2021] 【R3-08688】2021/8/14投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ Protocrea属を形態学的検討および分子系統解析により再定義した。 米国産のP. illinoënsisと、誤解釈に基づきP. farinosaとされてきたHypocrea decipiensをそれぞれ新種記載し、H. pallidaを本属に移した。 また、2種のHypocrea属菌がP. farinosaと同種である可能性などを指摘した。 USA, Illinois, Ogle County, White Pines Forest State Park, Sleepy Hollow Trail (新種) Protocrea illinoënsis K. Põldmaa & Samuels 語源…イリノイ産の 【よく似た種との区別】 Protocrea farinosa 同じSkeletocutis niveaに生じる ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国ではなくヨーロッパなどに分布する 本種と異なり子嚢殻が白色、琥珀色、黄色、帯オリーブ色 本種より分生子柄が顕著に短い 本種よりCMD培地での生長が遅い 本種よりMEA培地での生長が遅い 本種と異なりコロニーに甘い臭いがあるのではなく特別な臭いを欠く ITS+rpb2+に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Protocrea pallida(オロシタケダオシ) 多孔菌に生じる 子嚢殻が子実体形成菌糸層に埋生する 色素がKOH+帯紫色である ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国ではなくおそらく汎世界的に分布する 本種と異なり子嚢殻が明黄色または明橙色 本種と異なりSkeletocutis属ではなく主にOligoporus属およびTyromyces属菌に生じる 本種より分生子柄が顕著に短い 本種よりCMD培地での生長が遅い 本種よりMEA培地での生長が遅い 本種と異なりコロニーに甘い臭いがあるのではなく特別な臭いを欠く ITS+rpb2+に基づく分子系統解析で明瞭に区別される France, Pyrénées-Atlantiques, Foret Domaniale d’Oloron (新種) Hypocrea decipiens Jaklitsch, K. Põldmaa & Samuels 語源…騙す(以前誤って解釈されたことから) 【よく似た種との区別】 Protocrea farinosa 形態的に類似している(従来この種として扱われてきた) Austria, Kärnten, Klagenfurt Land, St Margareten im Rosental, Drau-Auen (その他掲載種) Protocrea farinosa (Berkeley & Broome) Petch ※本種のエピタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Hypocrea decipiens 形態的に類似している(従来本種として扱われてきた) Protocrea pallida(オロシタケダオシ) 多孔菌に生じる 子嚢殻の殻壁の構造が同一である 殻壁内壁がKOHでばら色を帯びる ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりヨーロッパに分布するのではなくおそらく汎世界的に分布する 本種と異なり黄色色素を産生して宿主子実体を黄色に染める 本種より子座が一般的に顕著である 本種と異なり子嚢殻が宿主の孔口からしばしば直接生じるのではなく子実体形成菌糸層に埋生する 本種と異なり子嚢殻が白色ではなく明黄色または明橙色 本種より子実体形成菌糸層が発達する 本種と異なり子実体形成菌糸層が白色~黄色または橙色である 本種と異なり色素がKOH+帯紫色である ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Protocrea illinoënsis 同じSkeletocutis niveaに生じる ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりヨーロッパなどではなく米国に分布する 本種と異なり子嚢殻が白色、琥珀色、黄色、帯オリーブ色でない 本種より分生子柄が顕著に長い 本種よりCMD培地での生長が速い 本種よりMEA培地での生長が速い 本種と異なりコロニーに特別な臭いを欠くのではなく甘い臭いがある ITS+rpb2+に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hypocrea nebulosa 形態的に類似している(同種の可能性がある) Hypocrea tomentosa 形態的に類似している(同種の可能性がある) (その他掲載種) Hypocrea nebulosa Massee 【よく似た種との区別】 Protocrea farinosa 形態的に類似している(同種の可能性がある) (その他掲載種) Hypocrea tomentosa Berkeley 【よく似た種との区別】 Protocrea farinosa 形態的に類似している(同種の可能性がある) USA, New York, Rockland County, woods along Stony Brook, east of Sloatsburg, Harriman State Park (新組み合わせ) Protocrea pallida (Ellis & Everhart) Jaklitsch, K. Põldmaa & Samuels オロシタケダオシ 旧名:Hypocrea pallida Ellis & Everh. ※本種のレクトタイプおよびエピタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Protocrea farinosa 多孔菌に生じる 子嚢殻の殻壁の構造が同一である 殻壁内壁がKOHでばら色を帯びる ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりおそらく汎世界的に分布するのではなくヨーロッパに分布する 本種と異なり黄色色素を産生して宿主子実体を黄色に染めるという特徴を欠く 本種ほど子座が一般的に顕著でない 本種と異なり子嚢殻が子実体形成菌糸層に埋生するのではなく宿主の孔口からしばしば直接生じる 本種と異なり子嚢殻が明黄色または明橙色ではなく白色 本種ほど子実体形成菌糸層が発達しない 本種と異なり子実体形成菌糸層が白色~黄色または橙色でない 本種と異なり色素がKOH+帯紫色という特徴を欠く ITS+rpb2+に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Protocrea illinoënsis 多孔菌に生じる 子嚢殻が子実体形成菌糸層に埋生する 色素がKOH+帯紫色である ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりおそらく汎世界的に分布するのではなく米国に分布する 本種と異なり子嚢殻が明黄色または明橙色でない 本種と異なり主にOligoporus属およびTyromyces属ではなくSkeletocutis属菌に生じる 本種より分生子柄が顕著に長い 本種よりCMD培地での生長が速い 本種よりMEA培地での生長が速い 本種と異なりコロニーに特別な臭いを欠くのではなく甘い臭いがある ITS+rpb2+に基づく分子系統解析で明瞭に区別される