2015年1月22日 (仮訳)黒色穎粒菌腫を引き起こすプレオスポラ目菌類の改訂 Ahmed, SA. et al., 2014. Revision of agents of black-grain eumycetoma in the order Pleosporales. Persoonia. …. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/nhn/pimj/2014/00000033/00000001/art00007 [Accessed January 22, 2015]. 【R3-01487】2015/01/22投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 菌腫を引き起こすプレオスポラ目菌類の形態学的・生理学的検討および分子系統解析を行った。 Madurella griseaなど3種がトレマトスフェリア科に属することを示し、Nigrograna属をBiatriospora属のシノニムとした。 ヒトの菌腫の原因菌の多くが水生菌あるいは海生菌と近縁であり、生理特性や病原因子(高温での生長、ラッカーゼ産生能、メラニン化、耐塩性など)を共有していることが示された。 (新組み合わせ) Biatriospora mackinnonii (Borelli) S.A. Ahmed, W.W.J. van de Sande, A. Fahal, de Hoog 旧名:Nigrograna mackinnonii (Borelli) Gruyter ※Biatriospora marinaが本種と系統的に区別できないことを示し、Nigrograna属をBiatriospora属のシノニムとした。 【よく似た種との区別】 Trematosphaeria grisea 菌腫の原因菌として知られている 20%NaCl添加培地で生育可能 ラッカーゼ試験陽性 ウレアーゼ試験陽性 37℃で生育不能 SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりアクチジオン、L-ソルボースを資化不能 SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Falciformispora senegalensis (Segretain, Baylet, Darasse & Camain) S.A. Ahmed, W.W.J. van de Sande, A. Fahal & de Hoog 旧名:Leptosphaeria senegalensis Segretain 【よく似た種との区別】 Falciformispora tompkinsii 同じトレマトスフェリア科に含まれる セネガルに分布する ヒトの臨床検体から分離されている 菌腫の原因菌として知られている 20%NaCl添加培地で生育可能 ラッカーゼ試験陽性 ウレアーゼ試験陽性 SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が4ではなく6-8 本種と異なりL-アラビノース、D-ラクトースを資化不能 本種と異なり2-ケトグルコン酸カリウム、エリトリトールを資化可能 SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Falciformispora lignatilis SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり水生菌として知られている 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が4ではなく6-8 SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Falciformispora tompkinsii (El-Ani) S.A. Ahmed, W.W.J. van de Sande, A. Fahal & de Hoog 旧名:Leptosphaeria tompkinsii El-Ani 【よく似た種との区別】 Falciformispora senegalensis 同じトレマトスフェリア科に含まれる セネガルに分布する ヒトの臨床検体から分離されている 菌腫の原因菌として知られている 20%NaCl添加培地で生育可能 ラッカーゼ試験陽性 ウレアーゼ試験陽性 SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が6-8ではなく4 本種と異なり2-ケトグルコン酸カリウム、エリトリトールを資化不能 本種と異なりL-アラビノース、D-ラクトースを資化可能 SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Falciformispora lignatilis 子嚢胞子の隔壁数が6-8 SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり水生菌として知られている SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Medicopsis romeroi (Borelli) Gruyter, Verkley & Crous (その他掲載種) Pseudochaetosphaeronema larense (Borelli & R. Zamora) Punith. 【よく似た種との区別】 Massaria platani SSU+LSU+RPB2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁 SSU+LSU+RPB2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Trematosphaeria grisea (J.E. Mackinnon, Ferrada & Montemart) S.A. Ahmed, W.W.J. van de Sande, A. Fahal & de Hoog 旧名:Madurella grisea J.E. Mackinnon 【よく似た種との区別】 Trematosphaeria pertusa SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり臨床検体ではなく樹木から分離される SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Madurella mycetomatis 菌腫の原因菌として知られている 本種と異なりプレオスポラ目ではなくフンタマカビ目に属する 本種と異なり南米およびインドではなく東アフリカおよびインドに分布する 本種より高頻度で報告される 本種と異なりコロニーが灰色ではなく帯黒褐色 本種と異なり培養下で水溶性色素(暗褐色)を産生する 本種と異なり37℃で良好に生育する 本種と異なりスクロースを資化不能 本種と異なりラクトースを資化可能 Biatriospora mackinnonii 菌腫の原因菌として知られている 20%NaCl添加培地で生育可能 ラッカーゼ試験陽性 ウレアーゼ試験陽性 37℃で生育不能 SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりアクチジオン、L-ソルボースを資化可能 SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Trematosphaeria pertusa (Pers.) Fuckel 【よく似た種との区別】 Trematosphaeria grisea SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり樹木ではなく臨床検体から分離される SSU+LSU+RPB2+EF1-αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される