2014年11月2日 (仮訳)台湾産Pythiogeton属6新種および本属の分子系統の報告 Huang, J-H. et al., 2013. Six new species of Pythiogeton in Taiwan, with an account of the molecular phylogeny of this genus. Mycoscience. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1340354012000216 [Accessed November 2, 2014]. 【R3-01245】2014/11/02投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 台湾においてPythiogeton属菌の採集を行い、形態学的検討の結果9種を認めた。 分子系統解析の結果を合わせ、そのうちP. abundansなど6種を新種記載した。 また、Pythium属がPythiogeton属を含む複数のクレードからなる多系統群であることを確かめた。 台湾南投県 (新種) Pythiogeton abundans J.H. Huang, C.Y. Chen & Y.S. Lin 語源…豊富な(遊走子嚢の量から) 【よく似た種との区別】 Pythiogeton ramosum 台湾に分布する 遊走子嚢が球形~楕円形 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種より遊走子嚢のサイズが大きい 本種より被囊した遊走子のサイズが大きい 本種より菌糸の幅が広い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pythiogeton microzoosporum 台湾に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種と異なり遊走子嚢が楕円形または球形・卵形・2裂形ではなく不規則に浅裂するか球形 本種より遊走子のサイズが小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 台湾南投県 (新種) Pythiogeton microzoosporum J.H. Huang, C.Y. Chen & Y.S. Lin 語源…小さな遊走子の 【よく似た種との区別】 Pythiogeton nigrescens 遊走子のサイズが小さい 本種と異なり一次遊走子が形成後間もなく被嚢し凝集する Pythiogeton abundans 台湾に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種と異なり遊走子嚢が不規則に浅裂するか球形ではなく楕円形または球形・卵形・2裂形 本種より遊走子のサイズが大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 台湾南投県 (新種) Pythiogeton oblongilobum J.H. Huang, C.Y. Chen & Y.S. Lin 語源…長楕円形の浅裂の(遊走子嚢の形状から) 【よく似た種との区別】 Pythiogeton uniforme 台湾に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種と異なり遊走子嚢が複数の浅裂を有する細長い形状または球形・卵形・2裂形ではなく球形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pythiogeton puliensis 台湾に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種より遊走子嚢が短い 本種と異なり遊走子嚢が複数の浅裂を有する細長い形状または球形・卵形・2裂形ではなく球形で時に卵形または倒卵形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pythiogeton ramosum 台湾に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種より遊走子嚢が長い 本種と異なり遊走子嚢が複数の浅裂を有する細長い形状または球形・卵形・2裂形ではなく球形・卵形・楕円形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 台湾台南県 (新種) Pythiogeton paucisporum J.H. Huang, C.Y. Chen & Y.S. Lin 語源…乏しい胞子の(遊走子嚢あたりの遊走子の数が少ないことから) 【よく似た種との区別】 Pythiogeton ramosum 台湾に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種より遊走子嚢のサイズが大きい 本種と異なり遊走子嚢が球形ではなく嚢形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pythiogeton proliferatum 台湾に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種より遊走子嚢のサイズが大きい 本種と異なり遊走子嚢に含まれる遊走子が10より多い 本種より被嚢した遊走子のサイズが小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 台湾台南県 (新種) Pythiogeton proliferatum J.H. Huang, C.Y. Chen & Y.S. Lin 語源…重生する(遊走子嚢の形態から) 【よく似た種との区別】 Pythiogeton ramosum 台湾に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種より遊走子嚢が長い 本種と異なり遊走子嚢が球形ではなく嚢形 本種より被嚢した遊走子のサイズが大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pythiogeton paucisporum 台湾に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種より遊走子嚢のサイズが小さい 本種と異なり遊走子嚢に含まれる遊走子が10より少ない 本種より被嚢した遊走子のサイズが大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pythiogeton puliensis 台湾に分布する 遊走子嚢が球形 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種と遊走子嚢のサイズの範囲が異なる 本種と異なり遊走子嚢の内部伸長が頻繁に起こるのではなく稀 本種と異なり”discharge tube”に狭い開口部を有する 本種と被嚢した遊走子のサイズの範囲が異なる ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 台湾南投県埔里鎮 (新種) Pythiogeton puliensis J.H. Huang, C.Y. Chen & Y.S. Lin 語源…埔里産の 【よく似た種との区別】 Pythiogeton uniforme 台湾に分布する 遊走子嚢が球形 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種より遊走子嚢のサイズが大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pythiogeton oblongilobum 台湾に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種より遊走子嚢が長い 本種と異なり遊走子嚢が球形で時に卵形または倒卵形ではなく複数の浅裂を有する細長い形状または球形・卵形・2裂形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pythiogeton proliferatum 台湾に分布する 遊走子嚢が球形 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種と遊走子嚢のサイズの範囲が異なる 本種と異なり遊走子嚢の内部伸長が稀ではなく頻繁に起こる 本種と異なり”discharge tube”に狭い開口部を欠く 本種と被嚢した遊走子のサイズの範囲が異なる ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Pythiogeton ramosum Minden ※Pythiogeton autossytum Drechslerを本種のシノニムとした。 【よく似た種との区別】 Pythiogeton proliferatum 台湾に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種より遊走子嚢が短い 本種と異なり遊走子嚢が嚢形ではなく球形 本種より被嚢した遊走子のサイズが小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pythiogeton paucisporum 台湾に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種より遊走子嚢のサイズが小さい 本種と異なり遊走子嚢が嚢形ではなく球形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pythiogeton abundans 台湾に分布する 遊走子嚢が球形~楕円形 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種より遊走子嚢のサイズが小さい 本種より被囊した遊走子のサイズが小さい 本種より菌糸の幅が狭い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pythiogeton oblongilobum 台湾に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種より遊走子嚢が短い 本種と異なり遊走子嚢が球形・卵形・楕円形ではなく複数の浅裂を有する細長い形状または球形・卵形・2裂形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Pythiogeton uniforme A. Lund 【よく似た種との区別】 Pythiogeton puliensis 台湾に分布する 遊走子嚢が球形 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種より遊走子嚢のサイズが小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Pythiogeton oblongilobum 台湾に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種と異なり遊走子嚢が球形ではなく複数の浅裂を有する細長い形状または球形・卵形・2裂形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Pythiogeton zizaniae P.J. Ann & J.H. Huang 【よく似た種との区別】 Pythiogeton zeae 病原菌である 形態的に類似している 遊走子嚢が主に広嚢形 遊走子が大型 造卵器が球形~倒卵形 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAクレードに含まれる) 本種と異なりマコモではなくトウモロコシを宿主とする 本種と異なり遊走子嚢が広嚢形で稀に卵形・楕円形・2浅裂形ではなく、広嚢形でしばしば卵形または複数の浅裂を有する細長い形状 本種より造卵器のサイズが小さい 本種と異なり造精器が雌雄同菌糸性ではなく雌雄同菌糸性または雌雄異菌糸性 本種と異なり造精器が通常造卵器の柄に隣接して付着するのではなく柄から離れた場所に付着する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される