2016年9月22日 (仮訳)スカンジナビア北部産のStictis属(広義)菌、検索表および生活様式に関連した形態変異の記録 Wedin, M., Döring, H. & Gilenstam, G., 2006. Stictis s. lat. (Ostropales, Ascomycota) in northern Scandinavia, with a key and notes on morphological variation in relation to lifestyle. Mycological research. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0953756206001560 [Accessed September 20, 2016]. 【R3-03317】2016/09/22投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ スカンジナビア北部産のStictis属および近縁属の菌を検討し、S. albescensおよびS. confusumの2新種を記載した。 生活様式(地衣化するかどうか)によって子嚢果の形態および壁の色素に顕著な種内変異が生じることを示した。 また、新学名S. brunnescensを提唱し、広義の本属菌の検索表を掲載した。 Sweden, Lycksele Lappmark, Lycksele par., Lycksbäcken (新種) Schizoxylon albescens Gilenstam, Döring & Wedin 語源…類白色の 【よく似た種との区別】 Carestiella socia スカンジナビア北部に分布する 形態的に類似している(同種と考えられたこともある) 子嚢盤が黒色 子嚢盤縁部の構造が類似している ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢盤が厚い灰色の粉霜に覆われる 本種より子嚢が短い 本種と異なり”proper epithecium”が非常に厚く明瞭なのではなく不明瞭 ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Schizoxylon alboatrum 子嚢盤に光沢がある 本種と異なり本種の採集地(スウェーデン・ノルウェー)において知られていない 本種より子嚢のサイズが大きい 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり子嚢果縁部に大量の結晶を含む Sweden, Lycksele Lappmark, Stensele par., Lake Storuman, SE of Mt Kyrkberget, directly after the turnoff towards the village Kyrkberget (新種) Stictis confusa Gilenstam, Döring & Wedin 語源…混乱する(近縁種と酷似しており区別が困難であることから) 【よく似た種との区別】 Stictis populorum スカンジナビア北部に分布する 形態的に酷似している(混同されてきた) ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり側糸状体がいくぶん並行に配列するのではなく絡み合う 本種と異なり側糸状体の長さが幅の4-6倍なのではなく約2-3(-4)倍 本種と異なり側糸状体が疎らに分枝するのみなのではなく顕著に分枝する ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Stictis mollis スカンジナビア北部に分布する 子嚢盤縁部が顕著な褐色 子嚢盤の縁部に顕著かつ豊富な結晶を有する ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢胞子の幅が比較的狭い 本種と異なり側糸の最上部にオリーブ色のアモルファスの色素を伴わない ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新学名) Stictis brunnescens Gilenstam, Döring & Wedin 旧名:Stictis mollis subsp. populorum Sherwood 語源…やや帯褐色の(子嚢果縁部の色から) 【よく似た種との区別】 Stictis radiata スカンジナビア北部に分布する 子嚢盤が顕著な黄褐色 子嚢盤に光沢を有する 子嚢盤縁部が白色 子嚢盤縁部が粉状 ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢盤の断面が全く着色しない 本種と異なり縁部の側糸が全く分化しない 本種と異なり側糸状体の層が緩いのではなく密 本種と異なり側糸状体の層がそれほど強くゼラチン化しない 本種と異なり側糸状体が並行ではなく複雑に配列する 本種と異なり側糸状体の”lumina”が狭いのではなく比較的広い ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Stictis mollis スカンジナビア北部に分布する ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢盤が黄褐色でない 本種と異なり子嚢盤に光沢があるのではなくいくぶん鈍い 本種と異なり子嚢盤に粉霜を伴うことがある ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Carestiella socia Bres. 【よく似た種との区別】 Schizoxylon albescens スカンジナビア北部に分布する 形態的に類似している(同種と考えられたこともある) 子嚢盤が黒色 子嚢盤縁部の構造が類似している ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢盤が厚い灰色の粉霜に覆われるという特徴を欠く 本種より子嚢が長い 本種と異なり”proper epithecium”が不明瞭なのではなく非常に厚く明瞭 ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Stictis mollis Pers. 【よく似た種との区別】 Stictis confusum スカンジナビア北部に分布する 子嚢盤縁部が顕著な褐色 子嚢盤の縁部に顕著かつ豊富な結晶を有する ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢胞子の幅が比較的広い 本種と異なり側糸の最上部にオリーブ色のアモルファスの色素を伴う ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Stictis brunnescens スカンジナビア北部に分布する ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢盤が黄褐色 本種と異なり子嚢盤がいくぶん鈍いのではなく光沢がある 本種と異なり子嚢盤に粉霜を伴うことがない ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Stictis populorum (Gilenstam) Gilenstam 【よく似た種との区別】 Stictis confusum スカンジナビア北部に分布する 形態的に酷似している(混同されてきた) ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり側糸状体が絡み合うのではなくいくぶん並行に配列する 本種と異なり側糸状体の長さが幅の約2-3(-4)倍ではなく4-6倍 本種と異なり側糸状体が顕著に分枝するのではなく疎らに分枝するのみである ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Stictis radiata (L.) Pers. 【よく似た種との区別】 Stictis brunnescens スカンジナビア北部に分布する 子嚢盤が顕著な黄褐色 子嚢盤に光沢を有する 子嚢盤縁部が白色 子嚢盤縁部が粉状 ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢盤の断面が着色する 本種と異なり縁部の側糸が分化する 本種と異なり側糸状体の層が密ではなく緩い 本種と異なり側糸状体の層が強くゼラチン化する 本種と異なり側糸状体が複雑に配列するのではなく並行 本種と異なり側糸状体の”lumina”が比較的広いのではなく狭い ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Stictis urceolatum ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁 ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される