2015年7月17日 (仮訳)樹皮生息性タバコウロコタケ属菌の研究により3新種が明らかになった Spirin, V., Runnel, K. & Põldmaa, K., 2015. Studies in the bark-dwelling species of Hymenochaete (hymenochaetales, Basidiomycota) reveal three new species. Cryptogamie, Mycologie. Available at: http://www.bioone.org/doi/full/10.7872/crym/v36.iss2.2015.167 [Accessed July 16, 2015]. 【R3-02016】2015/07/17投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 極東ロシアから形態および分子のデータに基づき、樹皮生息性タバコウロコタケ属菌の3新種を記載した。 Hymenochaete adhaerensは背着生、H. cupulataは半背着生で、ともにニレ属の生木に発生した。 H. manshuricaはTilia manshuricaの生木に発生し、ヨーロッパ産H. corticolorと北米産H. carpaticaに対応する種と考えられた。 Russia, Primorie Reg., Krasnoarmeiskii Dist., Melnichnoe (新種) Hymenochaete adhaerens V. Spirin, K. Runnel & K. Poldmaa 語源…付着する 【よく似た種との区別】 Hymenochaete macrospora 東アジアに分布する 子実体が背着生 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりロシアではなく中国に分布する 本種と異なりカエデ属植物が宿主として知られている 本種より担子胞子が短い 本種より担子胞子の幅が僅かに広い 本種と異なり担子胞子が狭楕円形~広円筒形ではなく広楕円形 本種より剛毛が短い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(15塩基の差異) Hymenochaete senatoumbrina 東アジアに分布する 子実体が背着生 本種と異なりニレ属ではなくトネリコ属およびコナラ属植物を宿主とする 本種と異なり生木の樹皮ではなく落枝を基質とする 本種と異なり担子胞子が狭楕円形~広円筒形ではなく狭楕円形~円筒形 本種より剛毛のサイズが顕著に小さい 本種と異なり水平方向に緩く配列した菌糸からなる菌糸層を有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russia, Primorie Reg., Krasnoarmeiskii Dist., Melnichnoe (新種) Hymenochaete cupulata V. Spirin, K. Runnel & K. Poldmaa 語源…杯形の 【よく似た種との区別】 Hymenochaete ulmicola ニレ属植物を宿主とする 樹皮を基質とする 子実体が半背着生 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり極東ロシアではなくヨーロッパに分布する 本種より担子胞子が長い 本種と異なり担子胞子が卵形~楕円形ではなく卵形~広円筒形 本種より剛毛が長い 本種と異なり剛毛が鋭頭ではなくほとんどの場合鈍頭 本種と異なり剛毛の基部が膨大するという特徴を欠く ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(17塩基の差異) Russia, Primorie Reg., Lazo Dist., Lazo Nat. Res., Amerika (新種) Hymenochaete manshurica V. Spirin, K. Runnel & K. Poldmaa 語源…満州の(明記されていないが宿主のTilia manshuricaに由来する可能性もある) 【よく似た種との区別】 Hymenochaete corticolor 樹皮を基質とする 形態的に僅かな違いしかないほど類似している 子実体が背着生 本種と異なり極東ロシアではなく北米に分布する 本種と異なりシナノキ属ではなくQuercus albaを宿主とする 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり担子胞子が狭楕円形~広円筒形ではなく狭楕円形~楕円形 本種より剛毛の幅が僅かに広い Hymenochaete carpatica 樹皮を基質とする 子実体が背着生 本種と異なり極東ロシアではなく中欧に分布する 本種と異なりシナノキ属ではなく常にAcer pseudoplatanusを宿主とする 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり担子胞子が狭楕円形~広円筒形ではなく楕円形~広楕円形 本種より剛毛のサイズが大きい