2018年11月18日 (仮訳)Phaeotremella foliaceaグループの研究 Spirin, V. et al., 2018. Studies in the Phaeotremella foliacea group (Tremellomycetes, Basidiomycota). Mycological Progress. Available at: https://doi.org/10.1007/s11557-017-1371-4 [Accessed November 18, 2018] 【R3-05685】2018/11/18投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 形態、生態、地理的分布、DNAデータに基づくPhaeotremella foliaceaグループの再検討を実施し、同種をユーラシアおよび北米産の、裸子植物に発生しStereum sanguinolentumを宿主とする系統に限定した。 東アジア温帯域産の系統がヨーロッパ産P. fimbriataと異なるサイズおよび形状の担子胞子を形成することを示し、P. eugeniaeとして新種記載した。 また、新組み合わせP. frondosaを提唱したほか、T. fuscosuccineaおよびT. roseotinctaをPhaeotremella属に移した。 Russia, Primorie, Ternei Dist., Sikhote-Alin Nature Reserve (新種) Phaeotremella eugeniae V. Malysheva 語源…Eugenia M. Bulakh博士に献名 【よく似た種との区別】 Phaeotremella fimbriata 同じPhaeotremella foliacea複合種に含まれる ITS+nrLSU+tef1、ITS、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり極東ロシアではなくヨーロッパなどに分布する 本種と異なりブナ科ではなくカバノキ科植物などを宿主とする 本種より子実体の裂片の幅が広い 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が主に卵状または楕円形なのではなく類球形~広楕円形 ITS+nrLSU+tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Norway, Oppland, Lunner, Rinilhaugen (新組み合わせ) Phaeotremella fimbriata (Pers.) Spirin & V. Malysheva 旧名:Tremella fimbriata Pers. ※本種のレクトタイプ標本およびエピタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Phaeotremella eugeniae 同じPhaeotremella foliacea複合種に含まれる ITS+nrLSU+tef1、ITS、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりヨーロッパなどではなく極東ロシアに分布する 本種と異なりカバノキ科などではなくブナ科植物を宿主とする 本種より子実体の裂片の幅が狭い 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく主に卵状または楕円形 ITS+nrLSU+tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phaeotremella frondosa 同じStereum rugosumを宿主とする 形態的に類似している(この種の子実体が黒変した際に混同のおそれがある) 子実体が小型 ITS+nrLSU+tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種より担子胞子のサイズが大きい ITS+nrLSU+tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sweden, Jämtland, Berg, Viksjöbacken (その他掲載種) Phaeotremella foliacea (Pers.) Wedin, J.C. Zamora & Millanes ※本種のレクトタイプ標本およびエピタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Phaeotremella frondosa 担子胞子のサイズの範囲が重なる ITS+nrLSU+tef1、ITS、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種より担子胞子の平均サイズが大きい ITS+nrLSU+tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phaeotremella fuscosuccinea 生息環境が類似している ITS+nrLSU+tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が裂片末端で帯桃黄褐色、基部で帯ワイン褐色である 本種より担子胞子のQ値が大きい 本種より担子胞子が明瞭な楕円形である ITS+nrLSU+tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Norway, Telemark, Nome, Mørkvasslia (新組み合わせ) Phaeotremella frondosa (Fr.) Spirin & V. Malysheva 旧名:Tremella frondosa Fr. ※本種のレクトタイプ標本、エピタイプ標本、ネオタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Phaeotremella fimbriata 同じStereum rugosumを宿主とする 形態的に類似している(本種の子実体が黒変した際に混同のおそれがある) 子実体が小型 ITS+nrLSU+tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種より担子胞子のサイズが小さい ITS+nrLSU+tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phaeotremella foliacea 担子胞子のサイズの範囲が重なる ITS+nrLSU+tef1、ITS、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種より担子胞子の平均サイズが小さい ITS+nrLSU+tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Phaeotremella fuscosuccinea (Chee J. Chen) Spirin & Yurkov 旧名:Tremella fuscosuccinea Chee J. Chen 【よく似た種との区別】 Phaeotremella foliacea 生息環境が類似している ITS+nrLSU+tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が裂片末端で帯桃黄褐色、基部で帯ワイン褐色という特徴を欠く 本種より担子胞子のQ値が小さい 本種ほど担子胞子が明瞭な楕円形でない ITS+nrLSU+tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phaeotremella roseotincta 形態的に非常に類似している ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり落葉樹に発生する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Phaeotremella roseotincta (Lloyd) V. Malysheva 旧名:Tremella roseotincta Lloyd 【よく似た種との区別】 Phaeotremella fuscosuccinea 形態的に非常に類似している ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり落葉樹に発生するという特徴を欠く ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される