(仮訳)Taphrina viridisの分類学的再導入:ヨーロッパにおいてAlnus alnobetulaに寄生する5種の明確に定義された種の1つ
Caboňová, M. et al. 2024. Taxonomic reintroduction of Taphrina viridis (Taphrinales, Ascomycota) associated with Alnus alnobetula as one of five well defined European species colonizing alders. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/127292/ [Accessed September 13, 2024] 【R3-12065】2024/9/13投稿

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3行まとめ

ヨーロッパにおいてAlnus alnobetulaの葉に斑点病を引き起こすTaphrina viridisについて、分子系統解析により初めて独立種としての定義を確立した。
複数遺伝子の分子系統解析により、ハンノキ属植物を宿主とするTaphrina属菌の定義を明確にし、その単系統性を示した。
T. viridisのネオタイプ標本を指定し、ハンノキ寄生性の2種の未記載種または遺伝的に定義されていない種の存在を示した。
Slovakia, Vysoké Tatry Mts., Žiarska dolina valley

(その他掲載種)

Taphrina viridis (Sadebeck) Maire
※本種のネオタイプ標本を指定した。
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Taphrina sadebeckii
ヨーロッパに分布する
同じハンノキ属植物を宿主とする
葉に黄色または灰色の病斑を生じる
生理学的形質が非常に類似している
D-グルシトール、L-リシン、メレジトースを資化可能
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり宿主が主にAlnus alnobetulaではなく主にA. glutinosaでありA. ×pubescensA. hirsutaA. rugosaからも知られている
本種と異なり葉の斑点が灰緑色ではなく黄色
本種と異なり子嚢胞子が子嚢の外ではなく中で出芽する
本種と異なりイヌリン、キシリトール、クエン酸を資化可能
本種と異なり亜硝酸塩、サリシン、コハク酸を資化不能
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Taphrina epiphylla
スロバキアに分布する
同じハンノキ属植物を宿主とする
葉に黄色または灰色の病斑を生じる
サリシンを資化可能
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり宿主が主にAlnus alnobetulaという特徴を欠く
本種と異なり葉により緑色の病斑を生じるのではなく巻くように変形させ、枝に天狗巣症状を引き起こすこともある
本種と異なりメレジトースを資化不能
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Taphrina tosquinetii
スロバキアに分布する
同じハンノキ属植物を宿主とする
子嚢胞子が子嚢の外で出芽する
サリシンを資化可能
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり宿主が主にAlnus alnobetulaという特徴を欠く
本種と異なり葉により緑色の病斑を生じるのではなく巻くように変形させる
本種より子嚢胞子のサイズが顕著に小さい
本種と異なりメレジトースを資化不能
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される