2014年6月13日 (仮訳)アジア産管孔状キクラゲ目菌類の分類学的研究 Sotome, K., et al., 2014. Taxonomic study of Asian species of poroid Auriculariales. Mycological Progress. … Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-014-0984-0 [Accessed June 12, 2014]. 【R3-00803】2014/06/13投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ アジア産の管孔を持つキクラゲ目菌類について形態学的検討および分子系統解析を行い、Elmerina属が多系統群であることを示した。 また、E. hexagonoidesおよびこの種に誤同定された日本産標本をAporpium属に含め、後者をA. strigosumとして新種記載した。 Aporpium hexagonoidesとA. strigosumとは、形態的には子実体の色、傘の表面性状、孔口・担子器・担子胞子のサイズなどで区別された。 山口県山口市 (新種) Aporpium strigosum Sotome & T. Hatt. 語源…剛毛状の(傘表面の性状から) 【よく似た種との区別】 Aporpium hexagonoides 傘表面がしばしば粗長毛状~剛毛状 孔口のサイズが大型 孔口が多角形 肉が頑丈な肉質~革質 担子胞子が長楕円形~短円筒形 子実層に多数のハイファルペグを持つ LSUおよびLSU+ITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり日本・中国ではなく東南アジアに分布する 本種と異なり冷温帯~暖温帯域ではなく熱帯域に分布する 本種と異なり子実体が淡黄褐色~藁色ではなく白色~クリーム色で、新鮮時桃色を帯びる特徴も欠く 本種と異なり傘表面が長くて硬い毛からなる剛毛状ではなくほぼ無毛~短い粗長毛状 本種より孔口のサイズが小さい 本種より担子器のサイズが小さい 本種より担子胞子のサイズが小さい LSUおよびLSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Elmerina cladophora 形態的に類似している(同種と見なされたこともある) 本種と異なり子実体が帯桃色~黄褐色を帯びるという特徴を欠く 本種より孔口のサイズがずっと小さい 本種と異なり孔口が多角形でなく、顕著に細長くほとんど襞状になる (新組み合わせ) Aporpium efibulatum (Y.C. Dai & Y.L. Wei) Sotome & T. Hatt. 旧名:Protomerulius efibulatus Y.C. Dai & Y.L. Wei 【よく似た種との区別】 Aporpium caryae 子実体が背着生 担子器が卵形~洋梨形 LSUおよびLSU+ITSに基づく分子系統解析で近縁 LSUおよびLSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Protodaedalea foliacea (Pat.) Sotome & T. Hatt. ムカシオオミダレタケ 旧名:Elmerina foliacea Pat.、Protodaedalea hispida Imazekiなど (その他掲載種) Aporpium hexagonoides A. David & Jaq. 【よく似た種との区別】 Aporpium strigosum 傘表面がしばしば粗長毛状~剛毛状 孔口のサイズが大型 孔口が多角形 肉が頑丈な肉質~革質 担子胞子が長楕円形~短円筒形 子実層に多数のハイファルペグを持つ LSUおよびLSU+ITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり東南アジアではなく日本・中国に分布する 本種と異なり熱帯域ではなく冷温帯~暖温帯域に分布する 本種と異なり子実体が白色~クリーム色ではなく淡黄褐色~藁色で新鮮時桃色を帯びる 本種と異なり傘表面がほぼ無毛~短い粗長毛状ではなく長くて硬い毛からなる剛毛状 本種より孔口のサイズが大きい 本種より担子器のサイズが大きい 本種より担子胞子のサイズが大きい LSUおよびLSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Elmerina cladophora (Berk.) Bres. 【よく似た種との区別】 Aporpium strigosum 形態的に類似している(同種と見なされたこともある) 本種と異なり子実体が帯桃色~黄褐色を帯びる 本種より孔口のサイズがずっと大きい 本種と異なり孔口が顕著に細長くほとんど襞状にはならず多角形 (その他の分類学的知見および措置) Elmerina cladophoraの分類学的位置が明らかになるまで、Elmerina属をAporpiumおよびProtodaedaleaの両属と分ける措置をとった(ElmerinaはAporpiumに対して優先権を持つ)。 日本におけるElmerina borneensisの分布を疑問とした。