2021年5月29日 (仮訳)スイカズラ属植物を宿主とするErysiphe lonicerae複合種の系統分類 Bradshaw, M. et al., 2021. Taxonomy and phylogeny of the Erysiphe lonicerae complex (Helotiales , Erysiphaceae) on Lonicera spp. Fungal Systematics and Evolution. Available at: https://www.ingentaconnect.com/content/wfbi/fuse/2021/00000007/00000001/art00004 [Accessed May 29, 2021] 【R3-08455】2021/5/29投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ スイカズラ属植物のうどんこ病菌Erysiphe loniceraeを検討し、広義の本種が新組み合わせE. ehrenbergiiと2種からなることを示した。 また、Microsphaera caprifoliacearumを狭義E. loniceraeのシノニムとした。 日本(千葉・奈良)からE. lonicerinaを新種記載し、Microsphaera lonicerae var. flexuosaに対して新学名E. flexibilisを提唱した。 千葉県千葉市千葉大学西千葉キャンパス (新種) Erysiphe lonicerina S. Takam. 語源…スイカズラ属の 【よく似た種との区別】 Erysiphe ehrenbergii 同じスイカズラ属植物を宿主とする ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり日本ではなくドイツ、チェコなどに分布する 本種と異なり分生子柄の脚細胞がほぼ常に直線状という特徴を欠く 本種より分生子のサイズが小さい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Erysiphe lonicerae 日本に分布する 同じスイカズラ属植物を宿主とする ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国、ドイツ、米国、イギリス、韓国、アルゼンチンにおける分布が知られている 本種と異なり分生子柄の脚細胞がほぼ常に直線状という特徴を欠く 本種より分生子が短い ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Germany, Sachsen-Anhalt, Salzlandkreis, Calbe (Saale), Wartenberg (新組み合わせ) Erysiphe ehrenbergii (Lév.) U. Braun, M. Bradshaw & S. Takam. 旧名:Microsphaera ehrenbergii Lév. ※本種のエピタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Erysiphe lonicerae ヨーロッパに分布する 同じスイカズラ属植物を宿主とする ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり閉子嚢殻付属糸の先端が発生時期の晩期の完熟した標本で直線状またはごく一部がやや屈曲するのではなくしばしば反り返る 本種と異なり閉子嚢殻付属糸の隔壁数が1-2または3ではなく0または基部に1 本種より分生子が長い傾向がある 本種より分生子の長さ/幅比平均が大きい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Erysiphe lonicerina 同じスイカズラ属植物を宿主とする ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりドイツ、チェコなどではなく日本に分布する 本種と異なり分生子柄の脚細胞がほぼ常に直線状 本種より分生子のサイズが大きい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Erysiphe lonicerae-ramosissimae 同じスイカズラ属植物を宿主とする 形態的にほとんど識別できないほど類似している(同種の可能性がある) 本種と異なりコウグイスカグラが宿主として知られている 本種と異なり閉子嚢殻付属糸の隔壁が無隔壁または下半分に1-3つではなく中位に1つ 本種と異なり子嚢の数が2-8ではなく通常3 (新階級・新学名) Erysiphe flexibilis M. Bradshaw, U. Braun & S. Takam. 旧名:Microsphaera lonicerae var. flexuosa U. Braun 【よく似た種との区別】 Erysiphe symphoricarpi 米国に分布する 形態的に非常に類似している ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり閉子嚢殻付属糸が密ではなく緩い 本種と異なり閉子嚢殻付属糸が規則的ではなく不規則に分枝する 本種より分生子柄の幅が狭い 本種と異なり付着器が乳首形または僅かに裂片状なのではなく顕著な裂片状 ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Erysiphe lonicerae DeCandolle 【よく似た種との区別】 Erysiphe miurae 日本に分布する 同じスイカズラ属植物を宿主とする 有性世代の形態が類似している(容易に混同されうる) ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と閉子嚢殻付属糸の先端の形状が異なる ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Erysiphe ehrenbergii ヨーロッパに分布する 同じスイカズラ属植物を宿主とする ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり閉子嚢殻付属糸の先端がしばしば反り返るのではなく発生時期の晩期の完熟した標本で直線状またはごく一部がやや屈曲する 本種と異なり閉子嚢殻付属糸の隔壁数が0または基部に1ではなく1-2または3 本種より分生子が短い傾向がある 本種より分生子の長さ/幅比平均が小さい ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Erysiphe magnusii 形態的に類似している(過去に混同され誤同定されたおそれがある) 本種より閉子嚢殻付属糸が長い 本種と異なり閉子嚢殻付属糸が長らく直線状でごく一部の先端が反り返り、完全に成熟すると多数の先端が反り返るのではなく屈曲状 Erysiphe lonicerina 日本に分布する 同じスイカズラ属植物を宿主とする ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国、ドイツ、米国、イギリス、韓国、アルゼンチンにおける分布が知られていない 本種と異なり分生子柄の脚細胞がほぼ常に直線状 本種より分生子が長い ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Erysiphe erlangshanensis (Y.N. Yu) U. Braun & S. Takamatsu (その他掲載種) Erysiphe lonicerae-ramosissimae (Tanda) U. Braun & S. Takamatsu 【よく似た種との区別】 Erysiphe ehrenbergii 同じスイカズラ属植物を宿主とする 形態的にほとんど識別できないほど類似している(同種の可能性がある) 本種と異なりコウグイスカグラが宿主として知られていない 本種と異なり閉子嚢殻付属糸の隔壁が中位に1つではなく無隔壁または下半分に1-3つ 本種と異なり子嚢の数が通常3ではなく2-8 (その他掲載種) Erysiphe magnusii (S. Blumer) U. Braun & S. Takamatsu 【よく似た種との区別】 Erysiphe lonicerae 形態的に類似している(過去に混同され誤同定されたおそれがある) 本種より閉子嚢殻付属糸が短い 本種と異なり閉子嚢殻付属糸が屈曲状ではなく長らく直線状でごく一部の先端が反り返り、完全に成熟すると多数の先端が反り返る (その他掲載種) Erysiphe miurae (U. Braun) U. Braun & S. Takamatsu 【よく似た種との区別】 Erysiphe lonicerae 日本に分布する 同じスイカズラ属植物を宿主とする 有性世代の形態が類似している(容易に混同されうる) ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と閉子嚢殻付属糸の先端の形状が異なる ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される