(仮訳)形態およびDNA配列データにより根拠づけられたパキスタン産の新種、Termitomyces sheikhupurensis
Izhar, A., Khalid, AN. & Bashir, H. 2020. Termitomyces sheikhupurensis sp. nov. (Lyophyllaceae, Agaricales) from Pakistan, evidence from morphology and DNA sequences data. Turkish Journal of Botany. Available at: https://journals.tubitak.gov.tr/botany/vol44/iss6/8/ [Accessed May 4, 2023] 【R3-10570】2023/5/4投稿

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3行まとめ

パキスタン、パンジャーブ州においてシロアリが投棄したハチの巣の断片から発生した菌を検討し、Termitomyces sheikhupurensisとして新種記載した。
本種は傘の縁部が裂け、傘表面に被膜の名残を伴い、柄が微粉状でつばを欠き、短い偽根を有することなどで特徴づけられた。
担子器の壁厚には変異があり、縁シスチジアと側シスチジアが多型で、傘表皮菌糸に二型があった。
Pakistan, Punjab, Sheikhupura, found gregariously on the west side of Hiran Minar in irrigated fields

(新種)

Termitomyces sheikhupurensis Izhar, Khalid & H. Bashir
語源…シェイクプラ産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Termitomyces fragilis(イケハラオオシロアリタケ)
アジアに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国における分布が知られている
本種と異なり傘が中央部で淡い帯褐灰色ではなく帯褐灰色または帯灰褐色
本種と異なり襞が鈍橙色ではなく帯桃白色
本種と異なり小襞が稀ではなく豊富である
本種と異なり担子器が薄壁~厚壁ではなく薄壁
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より縁シスチジアのサイズがずっと大きい
本種より側シスチジアのサイズがずっと大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Termitomyces microcarpus
アジアに分布する
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアフリカ中部~南部、南アジア、東南アジアに広く分布する
本種と異なり傘縁部が放射状に裂けるのではなく直線状
本種と異なり傘表面に被膜の名残を欠く
本種と異なり襞が鈍橙色ではなく白色
本種と異なり小襞が稀ではなく密に生じる
本種と異なり柄基部が先細りになるのではなく急に膨大する
本種と異なり柄表面が剛毛状ではなく平滑
本種と異なり担子器が薄壁~厚壁ではなく薄壁
本種と異なり担子胞子が類球形、やや楕円形、楕円状ではなく卵状~楕円形
本種より縁シスチジアの最大長が長い
本種より側シスチジアの最大長が長い
本種と異なり傘表皮が2層の菌糸層からなるのではなく幅狭い匍匐する菌糸からなる
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Termitomyces umkowaan
パキスタンに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドにおける分布が知られている
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり傘縁部が放射状に裂けるのではなく浅裂状で下向きに曲がる
本種と異なり襞の間隔が密
本種より襞の幅がずっと広い
本種と異なり襞が鈍橙色ではなく帯褐桃色
本種と異なり襞が”laciniate”である
本種と異なり偽根が明瞭である
本種より担子器のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される