(仮訳)Hymenagaricus属:系統、分岐年代推定、およびパキスタン産の3新種の記載
Nawaz, R. et al. 2024. The genus Hymenagaricus: phylogeny, time divergence estimation, and the description of three new species from Pakistan. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s11557-024-02001-y [Accessed October 23, 2024] 【R3-12187】2024/10/24投稿

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3行まとめ

パキスタン、カイバル・パクトゥンクワ州からHymenagaricusH. floccosusなど3新種を記載した。
これによりアジア産の本属既知種は13種に増加し、他地域の種と合わせて24種となった。
また、Hymenagaricus属の分子系統解析と分岐年代推定を行い、この属が独立した系統として強く支持されること、本属の起源を約5180万年前のアジアと考えた。
Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa, Malakand, Dargai, Qaldara

(新種)

Hymenagaricus floccosus R. Nawaz, S. Hussain & Murad
語源…毛状の房の(傘の表面性状から)
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【よく似た種との区別】
Hymenagaricus striatus
パキスタンに分布する
子実体が小型
担子胞子の形態が類似している
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hymenagaricus pakistanicus
パキスタンに分布する
子実体が小型
担子胞子の形態が類似している
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面に単一大型の暗オリーブ褐色の被膜を有し、周辺部に暗褐色の小鱗片を伴う
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hymenagaricus parvulus
アジアに分布する
子実体が小型
担子胞子の形態が類似している
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくオマーンなどに分布する
本種と異なりシロアリの蟻塚に発生する
本種より傘のサイズが比較的大きい
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hymenagaricus siamensis
アジアに分布する
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくタイなどに分布する
本種と異なり傘表面の小鱗片が帯赤褐色
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり傘の小鱗片が偽柔組織の細胞からなる
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa, Malakand, Dargai, Sakhakot, Malikhelowand

(新種)

Hymenagaricus pelliculosus R. Nawaz, Murad & S. Hussain
語源…膜状の(傘の表面性状から)
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【よく似た種との区別】
Hymenagaricus pakistanicus
パキスタンに分布する
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が叢生する
本種と異なり傘表面に帯桃色~帯褐色の小鱗片状の被膜を伴う
本種と異なり傘の小鱗片が偽柔組織の細胞からなる
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hymenagaricus siamensis
アジアに分布する
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくタイなどに分布する
本種と異なり子実体が単生または群生する
本種と異なり傘に帯桃褐色の被膜を伴う
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり傘の小鱗片が偽柔組織の細胞からなる
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hymenagaricus saisamornae
アジアに分布する
本種と異なりパキスタンではなくタイなどに分布する
本種より傘のサイズがかなり小さい
本種と異なり傘表面に帯褐色の被膜を伴う
本種より担子胞子のサイズが大きい
Hymenagaricus pallidodiscus
本種と異なり子実体が小さな集まりをなす
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり子実体が帯褐色の小鱗片に覆われる
本種より傘の直径が小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
Hymenagaricus cylindrocystis
アジアに分布する
本種と異なりパキスタンではなくインド、シンガポールなどに分布する
本種と異なり傘が帯褐色
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり傘の被膜が偽柔組織の細胞からなる
Hymenagaricus brunneodiscus
パキスタンに分布する
子実体が小型
担子器の形態が類似している
担子胞子の形態が類似している
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面の被膜が淡い帯桃色ではなく帯赤褐色
本種と異なり傘の被膜が円筒形ではなく有柄球状~棍棒形の細胞からなる
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa, Malakand, Dargai, Qaldara

(新種)

Hymenagaricus striatus R. Nawaz, S. Hussain & Murad
語源…条線の(傘縁部の表面性状から)
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【よく似た種との区別】
Hymenagaricus floccosus
パキスタンに分布する
子実体が小型
担子胞子の形態が類似している
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hymenagaricus pakistanicus
パキスタンに分布する
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面に帯桃色~帯褐色の小鱗片状の被膜を伴う
本種と異なり傘の被膜が偽柔組織の細胞からなる
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hymenagaricus floccosus
パキスタンに分布する
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体のサイズがずっと小さい
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘中央部が帯赤黄色
本種と異なり傘表面が絨毛状~剛毛状の類白色繊維状
本種と異なり傘に被膜を欠く
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hymenagaricus parvulus
アジアに分布する
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくオマーンなどに分布する
本種と異なりシロアリの蟻塚に発生する
本種と異なり傘がクリーム色
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+nrLSU+TEF1αおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hymenagaricus ordosiicolor
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくタンザニア、トーゴなどに分布する
本種と異なり子実体が中型
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される