(仮訳)Ophiostoma clavatum複合種:オフィオストマ目において3新規分類群とともに新たに定義されたグループ
Linnakoski, R. et al., 2016. The Ophiostoma clavatum species complex: a newly defined group in the Ophiostomatales including three novel taxa. Antonie van Leeuwenhoek. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s10482-016-0700-y [Accessed April 24, 2021] 【R3-08352】2021/4/24投稿

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3行まとめ

ヨーロッパからOphiostoma brunneo-ciliatumおよびO. clavatumとして報告された樹皮下キクイムシ関連菌の分子同定を実施した。
分子系統解析から7種の隠蔽種の存在を明らかにし、O. brunneolumO. macroclavatum、およびO. pseudocatenulatumの3新種を記載した。
O. clavatum複合種を再定義し、ITSデータのみでは種の定義に不十分であることを示した。
Russia, Ohtama, Vodlajärvi

(新種)

Ophiostoma brunneolum Linnakoski, Z.W. De Beer & M.J. Wingf.
語源…褐色の(コロニーの色から)
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【よく似た種との区別】
Ophiostoma brunneociliatum
同じドイツトウヒに発生する
同じIps属樹皮下キクイムシと関係を持つ
形態的に類似している(従来この種として認識されてきた)
ITS、βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で近縁(同じOphiostoma clavatum複合種クレードに含まれる)
本種と異なりロシア、チェコではなくオーストリア、日本、スウェーデン、ポーランド、スロベニアなどに分布する
βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiostoma tapionis
ロシアに分布する
同じドイツトウヒに発生する
同じIps属樹皮下キクイムシと関係を持つ
アナモルフの形態が類似している
ITS、βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で近縁(同じOphiostoma clavatum複合種クレードに含まれる)
本種と異なりノルウェー、ポーランド、フィンランドにおける分布が知られている
本種と異なりチェコにおける分布が知られていない
本種と異なりマツ属植物に生じることがある
本種と異なりHyastes属、Hylurgops属、Pityogenes属、Tomicus属などの樹皮下キクイムシと関係を持つ
βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russia, Lisino-Korpus

(新種)

Ophiostoma macroclavatum Linnakoski, Z.W. De Beer & M.J. Wingf.
語源…大きなOphiostoma clavatum(シンネマの分生子柄のサイズと形状から)
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【よく似た種との区別】
Ophiostoma brunneociliatum
ポーランドに分布する
同じマツ属およびトウヒ属植物を宿主とする
同じIps属樹皮下キクイムシと関係を持つ
形態的に類似している(従来この種として認識されてきた)
ITS、βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で近縁(同じOphiostoma clavatum複合種クレードに含まれる)
本種と異なりオーストリア、日本、スウェーデン、スロベニアに分布する
本種と異なりチェコ、エストニア、フィンランド、ロシアにおける分布が知られていない
本種と異なりカラマツ属植物を宿主とする
本種と異なりPityogenes属樹皮下キクイムシとの関係が知られていない
βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiostoma ainoae
フィンランド、ロシアに分布する
同じマツ属およびトウヒ属植物を宿主とする
同じIps属、Pityogenes属樹皮下キクイムシと関係を持つ
形態的に類似している(従来この種として認識されてきた)
ITS、βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で近縁(同じOphiostoma clavatum複合種クレードに含まれる)
本種と異なりオーストリア、デンマーク、ドイツ、フランス、日本、ノルウェー、スロベニア、スウェーデンに分布する
本種と異なりチェコ、エストニアにおける分布が知られていない
本種と異なりカラマツ属植物を宿主とする
本種と異なりCrypturgus属、Dryocoetes属、Hylurgops属、Orthotomicus属、Pityophthorus属、Polygraphus属樹皮下キクイムシとの関係が知られている
βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Poland, Rudziniec

(新種)

Ophiostoma pseudocatenulatum Jankowiak, R. Linnakoski & Z.W. De Beer
語源…偽鎖生の(子嚢胞子が集まって鎖状をなすことから)
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【よく似た種との区別】
Ophiostoma brunneociliatum
オーストリア、ポーランドに分布する
同じカラマツ属植物に生じる
同じIps属樹皮下キクイムシと関係を持つ
形態的に類似している(従来この種として認識されてきた)
ITS、βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチェコ、スコットランドにおける分布が知られている
本種と異なり日本、スウェーデン、スロベニアにおける分布が知られていない
本種と異なりトウヒ属、マツ属植物などが宿主として知られている
βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Ophiostoma ainoae H. Solheim
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【よく似た種との区別】
Ophiostoma macroclavatum
フィンランド、ロシアに分布する
同じマツ属およびトウヒ属植物を宿主とする
同じIps属、Pityogenes属樹皮下キクイムシと関係を持つ
形態的に類似している(従来この種として認識されてきた)
ITS、βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で近縁(同じOphiostoma clavatum複合種クレードに含まれる)
本種と異なりチェコ、エストニアに分布する
本種と異なりオーストリア、デンマーク、ドイツ、フランス、日本、ノルウェー、スロベニア、スウェーデンにおける分布が知られていない
本種と異なりカラマツ属植物が宿主として知られていない
本種と異なりCrypturgus属、Dryocoetes属、Hylurgops属、Orthotomicus属、Pityophthorus属、Polygraphus属樹皮下キクイムシとの関係が知られていない
βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Ophiostoma brunneociliatum Math.-Käärik
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【よく似た種との区別】
Ophiostoma macroclavatum
ポーランドに分布する
同じマツ属およびトウヒ属植物を宿主とする
同じIps属樹皮下キクイムシと関係を持つ
形態的に類似している(従来この種として認識されてきた)
ITS、βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で近縁(同じOphiostoma clavatum複合種クレードに含まれる)
本種と異なりチェコ、エストニア、フィンランド、ロシアに分布する
本種と異なりオーストリア、日本、スウェーデン、スロベニアにおける分布が知られていない
本種と異なりカラマツ属植物が宿主として知られていない
本種と異なりPityogenes属樹皮下キクイムシとの関係が知られていない
βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiostoma brunneolum
同じドイツトウヒに発生する
同じIps属樹皮下キクイムシと関係を持つ
形態的に類似している(従来本種として認識されてきた)
ITS、βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で近縁(同じOphiostoma clavatum複合種クレードに含まれる)
本種と異なりオーストリア、日本、スウェーデン、ポーランド、スロベニアなどではなくロシア、チェコに分布する
βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiostoma pseudocatenulatum
オーストリア、ポーランドに分布する
同じカラマツ属植物に生じる
同じIps属樹皮下キクイムシと関係を持つ
形態的に類似している(従来本種として認識されてきた)
ITS、βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日本、スウェーデン、スロベニアにおける分布が知られている
本種と異なりチェコ、スコットランドにおける分布が知られていない
本種と異なりトウヒ属、マツ属植物などが宿主として知られていない
βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sweden, Lusen, Uppsala

(その他掲載種)

Ophiostoma clavatum Math.-Käärik
※本種のエピタイプおよびレクトタイプ標本を指定した。
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(その他掲載種)

Ophiostoma tapionis Linnakoski, Z.W. de Beer & M.J. Wingf.
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【よく似た種との区別】
Ophiostoma brunneolum
ロシアに分布する
同じドイツトウヒに発生する
同じIps属樹皮下キクイムシと関係を持つ
アナモルフの形態が類似している
ITS、βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で近縁(同じOphiostoma clavatum複合種クレードに含まれる)
本種と異なりチェコにおける分布が知られている
本種と異なりノルウェー、ポーランド、フィンランドにおける分布が知られていない
本種と異なりマツ属植物が宿主として知られていない
本種と異なりHyastes属、Hylurgops属、Pityogenes属、Tomicus属などの樹皮下キクイムシと関係を持つという特徴を欠く
βT、TEF-1α、CALに基づく分子系統解析で明瞭に区別される