2021年6月16日 (仮訳)Thelephora versatilisおよびThelephora pseudoversatilis:メキシコ太平洋岸の熱帯落葉樹-亜多年生林に生息する、多型の子実体を有する隠蔽種の2新種 Ramírez-López, I. et al., 2015. Thelephora versatilis and Thelephora pseudoversatilis: two new cryptic species with polymorphic basidiomes inhabiting tropical deciduous and sub-perennial forests of the Mexican Pacific coast. Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3852/14-151 [Accessed June 16, 2021] 【R3-08510】2021/6/16投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ メキシコ、ハリスコ州の熱帯林からThelephora versatilisおよびT. pseudoversatilisの2新種を記載した。 両種は本属の分類に伝統的に用いられる肉眼的形質はほぼ同一であったが、顕微鏡的形質に差異が認められた。 担子胞子およびその装飾のサイズ、肉の菌糸の幅に統計的に有意な差があり、隠蔽種の識別のために分子データとの統合と適切なサンプルサイズが必要であることが示された。 Mexico, Jalisco, La Huerta municipality, Estación de Biología Chamela, Camino Antiguo Norte sidewalk (新種) Thelephora versatilis Ramírez-López & M. Villegas 語源…多様な(子実体の生長様式から) 【よく似た種との区別】 Thelephora pseudoversatilis 同所的に分布する(メキシコ) 熱帯亜多年生林に生息する 肉眼的形態がほぼ同一 子実体のサイズが類似している 子実体の色が類似している 子実体の枝が扁平~類円筒形 子実体の生長様式が類似している 子実下層の菌糸の幅の範囲が重なる 担子胞子の装飾のサイズの範囲が重なる 担子胞子の胞子盤の長さの範囲が重なる 担子胞子の嘴状突起のサイズが類似している 担子胞子の装飾が2裂する 担子胞子が散発的かつ穏やかなシアノフィリックである 菌糸にクランプを有する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり熱帯落葉林における生息が知られていない 本種と異なり子実体が淡褐色、帯褐灰色、帯灰褐色、帯赤褐色~褐色または紫褐色ではなく灰色、帯灰褐色~紫褐色 本種と異なり子実体の先端部が帯黄白色または鈍黄色ではなく白色または淡灰色 本種より担子器の幅が狭い 本種より担子胞子が長い 本種と担子胞子の装飾サイズの平均値が異なる 本種と肉の菌糸の幅の平均値が異なる ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mexico, Jalisco, La Huerta municipality, Estación de Biología Chamela, Calandria sidewalk (新種) Thelephora pseudoversatilis Ramírez-López & M. Villegas 語源…偽のThelephora versatilis 【よく似た種との区別】 Thelephora versatilis 同所的に分布する(メキシコ) 熱帯亜多年生林に生息する 肉眼的形態がほぼ同一 子実体のサイズが類似している 子実体の色が類似している 子実体の枝が扁平~類円筒形 子実体の生長様式が類似している 子実下層の菌糸の幅の範囲が重なる 担子胞子の装飾のサイズの範囲が重なる 担子胞子の胞子盤の長さの範囲が重なる 担子胞子の嘴状突起のサイズが類似している 担子胞子の装飾が2裂する 担子胞子が散発的かつ穏やかなシアノフィリックである 菌糸にクランプを有する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり熱帯落葉林における生息が知られている 本種と異なり子実体が灰色、帯灰褐色~紫褐色ではなく淡褐色、帯褐灰色、帯灰褐色、帯赤褐色~褐色または紫褐色 本種と異なり子実体の先端部が白色または淡灰色ではなく帯黄白色または鈍黄色 本種より担子器の幅が狭い 本種より担子胞子が短い 本種と担子胞子の装飾サイズの平均値が異なる 本種と肉の菌糸の幅の平均値が異なる ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Thelephora ellisii ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が背着生 本種と異なり担子器が類壺形 本種と異なり担子器がシアノフィリックである 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が球形~腎臓形 本種と異なり担子胞子の装飾が2裂しない 本種と異なり菌糸がシアノフィリックである ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Thelephora atramentaria 子実体にクラバリオイドの突起を有する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が背着生 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なりシスチジアを有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される