(仮訳)Pisonia属関連新熱帯産ラシャタケ属クレードにおいて初めて記載された種、Tomentella brunneoincrustataおよびメキシコ産本属菌の系統解析
Alvarez-Manjarrez, J. et al., 2016. Tomentella brunneoincrustata, the first described species of the Pisonieae-associated Neotropical Tomentella clade, and phylogenetic analysis of the genus in Mexico. Mycological Progress. … Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-015-1152-x [Accessed May 3, 2016].
【R3-02891】2016/05/03投稿

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3行まとめ

メキシコにおいてPisonia属植物を宿主としていた菌の子実体の形態、菌根の顕微鏡的形質、および生態を検討し、Tomentella brunneoincrustataとして新種記載した。
本種の子実体は薄い痂状で基質に強く固着し、担子胞子が小型で球形~楕円形、子実体形成菌糸層に2型の菌糸を有することなどで特徴づけられた。
また、分子系統解析によりメキシコにおけるラシャタケ属菌の多様性を初めて調査し、良好に支持された単系統群を「Pisonia属関連新熱帯産ラシャタケ属クレード」と命名した。
Mexico, Jalisco, La Huerta municipality, Estación de Biología de Chamela, Tejón sidewalk

(新種)

Tomentella brunneoincrustata M. Villegas & Contreras-Pacheco
語源…褐色で結晶に覆われる(子実体形成菌糸層の菌糸の形態から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Tomentella minispora
熱帯域に分布する
子実体が基質に強く固着する
子実層面の色が同一
子実体形成菌糸層がクモの巣状
根状菌糸束を欠く
担子器にクランプを有する
担子胞子のサイズが類似している
子実下層の菌糸の一部に結晶を伴う
菌糸にクランプを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコではなくギニアなどに分布する
本種と異なり子実体の縁部に分化した明色不稔の領域を有する
本種と異なり子実下層の菌糸のみが装飾を有する
本種と異なり担子胞子の装飾が2-3裂することがない
本種と異なり子実体形成菌糸層の菌糸が薄壁~僅かに厚壁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tomentella afrostuposa
子実体の形態がやや類似している
子実層面の色が同一
子実体形成菌糸層がクモの巣状
子実下層の菌糸の一部に結晶を伴う
Tomentella agbassaensis
子実体の形態がやや類似している
本種と異なりメキシコではなくベナンなどに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tomentella amyloapiculata
子実体の形態がやや類似している
子実体が基質に強く固着する
根状菌糸束を欠く
本種と異なりメキシコではなくベナンなどに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tomentella guineensis
子実体の形態がやや類似している
子実体が基質に強く固着する
根状菌糸束を欠く
Tomentella guinkoi
子実体の形態がやや類似している
子実体が基質に強く固着する
根状菌糸束を欠く
Tomentella intsiae
子実体の形態がやや類似している
子実体が基質に強く固着する
根状菌糸束を欠く
本種と異なりメキシコではなくセイシェルなどに分布する
本種と異なりPisoni属ではなくタシロマメ属植物を宿主とする
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される