2014年2月4日 (仮訳)日本産の新種Trichoderma eijiiおよびT. pseudolacteum Kim, CS. et al., 2013, Trichoderma eijii and T. pseudolacteum, two new species from Japan. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-012-0886-y [Accessed February 4, 2014]. 【R3-00356】2014/02/04投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 日本産のTrichoderma属菌2種を、形態形質および分子系統解析の結果に基づき新種記載した。 Trichoderma eijiiは北海道苫小牧市の実験林で材から分離され、分子系統解析ではHamatumクレードに含まれた。 T. pseudolacteumは長崎県対馬でシイタケ栽培のほだ木から分離された。 北海道苫小牧市北海道大学苫小牧研究林 (新種) Trichoderma eijii C. S. Kim & N. Maek. 語源…きのこ類の専門家で本種のタイプ標本の採集者である長沢栄史に献名 【よく似た種との区別】 Trichoderma pezizoides 日本に分布する 子嚢胞子が無色 tef1およびrpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりアナモルフがAcremonium型~不規則なVerticillium型ではなくVerticillium、Trichoderma、Gliocladium型 本種よりフィアライドが長い 本種よりフィアライドの幅が狭い 本種と異なりフィアライドが瓶形ではなく長瓶形 本種と異なり分生子が緑色ではなく淡緑色 本種より分生子のサイズが大きい 本種と異なり分生子が球形~類球形ではなく倒卵形・楕円形・円筒形 本種より子嚢のサイズが大きい 本種より部分胞子のサイズが遠位・近位ともに大きい 本種と異なり厚壁胞子が球形~類球形ではなく類球形~楕円形 子座のサイズが異なる 本種と異なり子座が橙色~褐色ではなく帯紫赤色~帯赤橙色 本種と異なり”subcortical tissue”が多角菌組織~絡み合い菌組織ではなく表皮状菌組織 本種と異なり”subperithecial tissue”が多角菌組織~表皮状菌組織ではなく絡み合い菌組織 tef1およびrpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hypocrea flaviconidia 子嚢胞子が無色 厚壁胞子のサイズの範囲が重なる rpb2、tef1およびrpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり日本ではなくコスタリカに分布する 本種と異なりアナモルフがAcremonium型~不規則なVerticillium型ではなくTrichoderma型~Pachybasium型で時にVerticillium型 本種よりフィアライドのサイズが小さい 本種と異なりフィアライドが瓶形ではなく瓶形~円筒形 本種より分生子が長い 本種より分生子の長軸/短軸比が大きい 本種と異なり分生子が緑色ではなく淡黄緑色 本種と異なり分生子が球形~類球形ではなく楕円形~長楕円形 本種より子嚢が幅広い 本種より部分胞子のサイズが遠位・近位ともに大きい 本種と異なり厚壁胞子が球形~類球形ではなく類球形のみ 本種と異なり子座が橙色~褐色ではなく淡褐色~褐色 本種と異なり”subcortical tissue”が多角菌組織~絡み合い菌組織ではなく多角菌組織~表皮状菌組織 本種と異なり”subperithecial tissue”が多角菌組織~表皮状菌組織ではなく多角菌組織のみ 本種と異なりPDA培地で15°Cで生育できない 本種と異なりPDA培地で30°C以上で生育できない rpb2、tef1およびrpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Hypocrea atroviridis テレオモルフの形態が一見類似している フィアライドの縦横比のサイズが重なる フィアライドが瓶形 分生子の長軸/短軸比の範囲が重なる 分生子が緑色 子嚢胞子が無色 厚壁胞子が球形~類球形 “subcortical tissue”が多角菌組織~絡み合い菌組織 本種と異なり日本だけでなく汎世界的に分布する 本種と異なりアナモルフがAcremonium型~不規則なVerticillium型ではなくTrichoderma型~Pachybadium型 本種よりフィアライドのサイズが小さい 本種より分生子のサイズが大きい 本種と異なり分生子が球形~類球形ではなく類球形~卵形 本種より子嚢が幅広い 本種より部分胞子のサイズが遠位・近位ともに大きい 本種より厚壁胞子のサイズが大きい 本種と異なり子座が橙色~褐色ではなく橙赤色~レンガ色 本種と異なり”subperithecial tissue”が多角菌組織~表皮状菌組織ではなく多角菌組織のみ 本種よりPDA培地での生長が速い 本種と異なりSNA培地で良好に生育する rpb2、tef1およびrpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 長崎県対馬市(旧上県町) (新種) Trichoderma pseudolacteum C.S. Kim & N. Maek. 語源…偽のHypocera lactea 【よく似た種との区別】 Hypocrea lactea 日本に分布する テレオモルフの形態が類似している アナモルフがAcremonium型~不規則なVerticillium型 分生子が無色 子嚢のサイズの範囲が重なる 子嚢胞子が無色 子座が白色~帯黄色 本種よりフィアライドのサイズが小さい 本種と異なりフィアライドが瓶形~円筒形ではなく類錐形 本種より分生子の長軸/短軸比が大きい 本種と異なり分生子が球形~類球形だけではなく楕円形・長円筒形など様々 本種と異なり部分胞子のサイズが遠位・近位ともに小さい 本種と異なり厚壁胞子が類球形だけでなく円筒形の場合もある 本種より厚壁胞子の短軸が短い 本種と異なり”subcortical tissue”が絡み合い菌組織ではなく球形菌組織~多角菌組織 本種と異なり”subperithecial tissue”が絡み合い菌組織~表皮状菌組織ではなく表皮状菌組織のみ SNA培地での生長が本種より速い 系統的に明瞭に区別される Hypocrea pseudostraminea 同じHypocreanumクレードに含まれる 日本に分布する テレオモルフの形態が類似している アナモルフがAcremonium型~不規則なVerticillium型 本種とフィアライドの縦横比の値が重なる 分生子が無色 子嚢胞子が無色 厚壁胞子が類球形 本種よりフィアライドの幅が狭い 本種と異なり分生子が球形~類球形ではなく倒卵状楕円形~円筒形 本種より分生子の長軸/短軸比が大きい 本種より子嚢のサイズが小さい 本種と異なり部分胞子のサイズが遠位・近位ともに小さい 厚壁胞子のサイズが本種より小さい 本種と異なり子座が白色~帯黄色ではなく淡黄色・帯褐橙色・淡褐色 本種と異なり”subcortical tissue”が絡み合い菌組織ではなく多角菌組織 本種と異なり”subperithecial tissue”が絡み合い菌組織~表皮状菌組織ではなく球形菌組織~多角菌組織 PDA培地での生長が本種より速い SNA培地での生長が本種より速い rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される