(仮訳)タスマニア産のArthonia属地衣生菌2新種
Kantvilas, G. & Motiejūnaitė, J. 2023. Two new lichenicolous species of Arthonia (Ascomycota: Arthoniomycetes) from Tasmania. Folia Cryptogamica Estonica. Available at: https://ojs.utlib.ee/index.php/FCE/article/view/23263 [Accessed November 11, 2023] 【R3-11143】2023/11/11投稿

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3行まとめ

オーストラリア、タスマニア州からArthonia aurantiaA. endocarpaの2新種を記載した。
前者はLeprocaulon属類似の未記載の地衣に生じ、子嚢果が鮮橙色で子嚢胞子に1隔壁を有し、後者はAmandinea属地衣の子器に生じ、子嚢果を全く形成せず、宿主に対する影響も与えず、子嚢胞子に1隔壁を有していた。
また、タスマニア州新産種としてA. epiphysciaおよびA. stictariaを報告した。
Australia, Tasmania, c. 0.5 km E of Olga River

(新種)

Arthonia aurantia Kantvilas & Motiejūnaitė
語源…橙色の(子嚢果の色から)
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【よく似た種との区別】
Arthonia pseudocyphellariae
オーストラリアに分布する
地衣生菌である
子嚢果の色が同一である
子嚢の形態が類似している
本種と異なりLeprocaulon属類似地衣ではなくPseudocyphellaria属地衣のみに生じる
本種より子嚢果のサイズが大きい
本種より子嚢のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子が変色することが稀ではなく普通である
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子が小粒状~乳頭状であることが稀ではなく普通である
Arthonia cinnabarinula
地衣生菌である
子嚢果が橙色~赤色である
子嚢果表面が粉状
本種と異なりオーストラリアではなく熱帯アメリカおよびアジアなどに分布する
本種と異なりLeprocaulon属類似地衣ではなくトリコテリウム科地衣に生じる
本種より子嚢果の直径が大きい
本種より子嚢果が薄い
本種より子嚢のサイズが小さい
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり色素がK溶解性である
Arthonia lopingensis
地衣生菌である
子嚢果が橙色~赤色である
子嚢果表面が粉状
本種と異なりオーストラリアではなくアジアなどに分布する
本種と異なりLeprocaulon属類似地衣ではなくGraphis属地衣に生じる
本種と異なり初め寄生菌だがのちに自律性となる
本種と異なり地衣体を欠くのではなく有する
本種と異なり子器がリレラ状である
本種と異なり子器に若干黄橙色の粉霜を伴うかまたは欠く
本種より子嚢胞子が長い
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が1ではなく2-3
Australia, Tasmania, Cape Huay

(新種)

Arthonia endocarpa Kantvilas & Motiejūnaitė
語源…果実の内部の(完全に宿主の子器内部に生じることから)
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【よく似た種との区別】
Arthonia amandineicola
同じAmandinea属地衣に生じる
本種と異なり宿主の子器に生じない
本種と異なり子嚢が4胞子性
本種と子嚢胞子のサイズが異なる
本種と異なり子嚢胞子が老成すると暗褐色になる
本種と異なり子嚢胞子が老成すると小粒状になる
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が1-2
Arthonia rakusae
同じAmandinea属地衣に生じる
本種と異なり宿主の子器に生じない
本種と異なり宿主に対して病原性を示す
Arthonia subantarctica
同じAmandinea属地衣に生じる
本種と異なり宿主の子器に生じない
本種と異なり宿主に対して病原性を示す
本種と子嚢胞子のサイズが異なる
Arthonia epimela
同じAmandinea属地衣に生じる
本種と異なり宿主の子器に生じない
本種と子嚢胞子のサイズが異なる
Arthonia vorsoeensis
同じAmandinea属地衣に生じる
本種と異なり宿主の子器に生じない
本種と異なり宿主に対して病原性を示す
本種と子嚢胞子のサイズが異なる
Arthonia intexta
オーストラリアに分布する
宿主の子器に生じる
宿主に対して全く外見上の影響を与えない
子嚢果を形成しない
本種と異なりAmandinea属ではなくLecidella属地衣などに生じる
本種と異なり子嚢のトーラスにKI+青色のリング構造を有する
本種と異なり子嚢胞子が楕円形~紡錘形
本種と異なり子嚢胞子が老成しても変色しない
本種と異なり子嚢胞子が老成しても乳頭状にならない

(タスマニア州新産種)

Arthonia epiphyscia Nyl.
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(タスマニア州新産種)

Arthonia stictaria Nyl.
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※この他にタスマニア州における既知種を報告した(標本情報のみ)。