(仮訳)日本産の広義Sistotrema属2新種およびそれらの外生菌根の記載
Sugawara, R. et al. 2022. Two new species of Sistotrema s.l. (Cantharellales) from Japan with descriptions of their ectomycorrhizae. Mycoscience. Available at: https://www.jstage.jst.go.jp/article/mycosci/63/3/63_MYC568/_article [Accessed September 4, 2024] 【R3-12038】2024/9/4投稿

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3行まとめ

日本の鳥取県などで採集された2種の菌を検討し、Sistotrema chloroporumおよびS. flavorhizomorphaeとして新種記載した。
両種は分子系統解析でSistotrema/Hydnumグループに含まれた。
両種の外生菌根の形態を詳しく検討し、菌根の形態が宿主によらず一貫していることなどを示した。
鳥取県鳥取市覚寺

(新種)

Sistotrema chloroporum R. Sugaw., N. Maek., Sotome & N. Endo
語源…緑色の孔の(孔口の色から)
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【よく似た種との区別】
Sistotrema alboluteum
担子器が壺形である
担子胞子が中型
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実層托が緑色でない
本種と異なり担子器が2-4胞子性
本種と異なり担子胞子が類円形
本種と異なり担子胞子が厚壁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sistotrema albopallescens
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実層托が薄い
本種と異なり子実層托が緑色でない
本種より担子器が短い
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sistotrema brunneolum
本種と異なり子実層托が緑色ではなく樹脂褐色
本種より担子胞子が楕円形
本種と異なり担子胞子が厚壁
本種と異なり担子胞子がシアノフィリックである
Sistotrema confluens(ヒメハリタケモドキ)
本種と異なり子実体に傘と柄を有する
本種と異なり子実層托が緑色でない
本種より担子胞子が楕円形
Sistotrema subconfluens
本種と異なり子実体に傘と柄を有する
本種と異なり子実層托が緑色でない
本種より担子胞子が楕円形
Sistotrema eluctor
担子器が4-6胞子性
担子胞子が薄壁
本種と異なり子実層托が緑色でない
本種より担子器が短い
Poria albolutea var. stenospora
子実層托が帯黄緑色または褐黄色
担子器が壺形
担子器が4(-6)胞子性
担子胞子が中型
本種と異なり日本ではなくヨーロッパなどに分布する
本種と異なり担子胞子が楕円形
鳥取県鳥取市浜坂 鳥取砂丘付近

(新種)

Sistotrema flavorhizomorphae R. Sugaw., N. Shiras., N. Maek. & N. Endo
語源…黄色の根状菌糸束の
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【よく似た種との区別】
Sistotrema muscicola
子実層托が針状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり束状の根状菌糸束が典型的でない
本種と異なり担子器が通常6胞子性
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が楕円形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sistotrema raduloides
子実層托が針状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が材に固着する
本種と異なり束状の根状菌糸束を欠く
本種より担子胞子が長い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される