2018年7月23日 (仮訳)温帯産のSkeletocutis属多孔菌2新種 Miettinen, O. & Niemelä, T. 2018. Two new temperate polypore species of Skeletocutis (Polyporales, Basidiomycota). Annales Botanici Fennici. Available at: http://www.sekj.org/PDF/anb55-free/anb55-195-206-free.pdf [Accessed July 22, 2018]. 【R3-05330】2018/7/23投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 北欧からSkeletocutis delicataおよびS. exilisの2新種を記載した。 両種はトウヒ属倒木の幹に生じ、Phellinidium ferrugineofuscumとしばしば関係を持ち、同属他種とは孔口の形態や担子胞子のサイズなどが異なっていた。 S. friataのタイプ標本を検討し、本種をTyromyces chioneusのシノニムとした。 Finland, Etelä-Häme, Padasjoki, Vesijako Strict Nature Reserve (新種) Skeletocutis delicata Miettinen & Niemelä 語源…繊細な(レース状の外見および迷路状の孔口の模様から) 【よく似た種との区別】 Skeletocutis brevispora フィンランド、ノルウェー、スウェーデンに分布する 老齢の森林に生息する 同じトウヒ属植物を宿主とする 宿主の幹に発生する Phellinidium ferrugineofuscumと同時に発生することがある 形態的に類似している(この種に同定されていた) 子実体が一年生 担子胞子にほとんどの場合油滴を含まない 子実体形成菌糸層が全体的に2菌糸型 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種よりPhellinidium ferrugineofuscumとの関係が強い 本種より子実体が厚い 本種と異なり子実体が堅い 本種と異なり子実体の境界がはっきりしている 本種と異なり子実体が新鮮時白色、乾燥すると白色~クリーム色なのではなく新鮮時白色、乾燥すると明らかに帯黄色になる 本種より孔口のサイズが小さい 本種と異なり孔口が不規則形ではなく規則形 本種と異なり孔口が裂けるのではなく乾燥しても平滑 本種より担子胞子が平均的に僅かに幅広い 本種と異なり担子胞子が一様に屈曲し、先細りにならないのではなく先端に向かって先細りになる 本種と異なり実質が凝集しないのではなく凝集する 本種と異なり骨格菌糸がKOHで膨大するのではなく変化しない 本種と異なり骨格菌糸がKOHでゼラチン化するのではなく変化しない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Skeletocutis papyracea エストニア、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドに分布する 森林に生息する 同じトウヒ属およびマツ属植物を宿主とする 形態的に類似している(野外では識別困難) 子実体が一年生 孔口のサイズの範囲が重なる 孔口が不規則形のことがある 孔口が裂けることがある 実質が凝集しない 骨格菌糸がKOHで膨大する 骨格菌糸がKOHでゼラチン化する 本種と異なり通常トウヒ属ではなく通常マツ属植物を宿主とする 本種と異なり子実体が新鮮時白色、乾燥すると白色~クリーム色なのではなく白色で時に橙色に染まる 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子が一様に屈曲し、先細りにならないのではなく中程度に屈曲するのみである 本種と異なり担子胞子にほとんどの場合油滴を含まないのではなく通常含む 本種と異なり子実体形成菌糸層が全体的に2菌糸型なのではなく部分的に1菌糸型 Skeletocutis exilis フィンランド、エストニア、ロシアに分布する 老齢の森林に生息する 同じトウヒ属植物を宿主とする 宿主の幹に発生する Phellinidium ferrugineofuscumと同時に発生することがある 子実体が一年生 子実体が薄い 子実体が新鮮時白色、乾燥すると白色~クリーム色 子実体がレース状 孔口のサイズが大きい 孔口が不規則形の迷路状 孔口が裂ける 担子胞子にほとんどの場合油滴を含まない 菌糸構成が全体で2菌糸型 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりノルウェー、スウェーデンにおける分布が知られていない 本種より孔口のサイズが大きい 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり担子胞子が一様に屈曲し先細りにならないのではなく一様に屈曲し中程度に屈曲するのみである 本種と異なり実質が凝集しないのではなくしばしば凝集する 本種と異なり骨格菌糸が孔壁の縁部で僅かに膨大するという特徴を欠く 本種と異なり骨格菌糸がKOHで膨大するのではなく変化しない 本種と異なり骨格菌糸がKOHでゼラチン化するのではなく変化しない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Finland, Kainuu, Sotokamo, Korholanmäki, Losonvaara (新種) Skeletocutis exilis Miettinen & Niemelä 語源…薄少の 【よく似た種との区別】 Skeletocutis brevispora フィンランド、ロシアに分布する 老齢の森林に生息する 同じトウヒ属植物を宿主とする 宿主の幹に発生する Phellinidium ferrugineofuscumと同時に発生することがある 子実体が一年生 担子胞子に油滴を含まない 実質が凝集することがある 菌糸構成が全体で2菌糸型 骨格菌糸がKOHで変化しない ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりノルウェー、スウェーデンにおける分布が知られている 本種と異なり子実体が新鮮時白色、乾燥すると白色~クリーム色ではなく新鮮時白色、乾燥すると明らかに帯黄色になる 本種より孔口のサイズが小さい 本種と異なり孔口が不規則形ではなく規則形 本種と異なり孔口が裂けるのではなく乾燥しても平滑 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり担子胞子が一様に屈曲し中程度に屈曲するのみなのではなく先端に向かって先細りになる ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Skeletocutis papyracea エストニア、フィンランドに分布する 森林に生息する 同じトウヒ属植物を宿主とする 子実体が一年生 孔口のサイズの範囲が重なる 孔口が不規則形のことがある 孔口が裂けることがある 担子胞子が中程度に屈曲するのみである 本種と異なりスウェーデン、ノルウェーにおける分布が知られている 本種と異なり通常トウヒ属ではなく通常マツ属植物を宿主とする 本種と異なり子実体が新鮮時白色、乾燥すると白色~クリーム色ではなく白色で時に橙色に染まる 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子にほとんどの場合油滴を含まないのではなく通常含む 本種と異なり実質がしばしば凝集するのではなく凝集しない 本種と異なり子実体形成菌糸層が全体的に2菌糸型なのではなく部分的に1菌糸型 本種と異なり骨格菌糸がKOHで変化しないのではなくゼラチン化する 本種と異なり骨格菌糸がKOHで変化しないのではなく膨大する Skeletocutis delicata フィンランド、エストニア、ロシアに分布する 老齢の森林に生息する 同じトウヒ属植物を宿主とする 宿主の幹に発生する Phellinidium ferrugineofuscumと同時に発生することがある 子実体が一年生 子実体が薄い 子実体が新鮮時白色、乾燥すると白色~クリーム色 子実体がレース状 孔口のサイズが大きい 孔口が不規則形の迷路状 孔口が裂ける 担子胞子にほとんどの場合油滴を含まない 菌糸構成が全体で2菌糸型 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりノルウェー、スウェーデンにおける分布が知られている 本種より孔口のサイズが小さい 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり担子胞子が一様に屈曲し中程度に屈曲するのみでなのではなく一様に屈曲し先細りにならない 本種と異なり実質がしばしば凝集するのではなく凝集しない 本種と異なり骨格菌糸が孔壁の縁部で僅かに膨大する 本種と異なり骨格菌糸がKOHで変化しないのではなく膨大する 本種と異なり骨格菌糸がKOHで変化しないのではなくゼラチン化する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Tyromyces chioneus (Fr.) P. Karst. オシロイタケ