2023年12月5日 (仮訳)中国の鼎湖山生物圏保護区に産したRussula属Ingratae節の2新種と1つの忘れられた種 Song, Y. et al. 2018. Two novel and a forgotten Russula species in sect. Ingratae (Russulales) from Dinghushan Biosphere Reserve in southern China. Cryptogamie, Mycologie. Available at: https://bioone.org/journals/cryptogamie-mycologie/volume-39/issue-3/v39.iss3.2018.341/Two-Novel-and-a-Forgotten-Russula-Species-in-sect-Ingratae/10.7872/crym/v39.iss3.2018.341.short [Accessed December 5, 2023] 【R3-11215】2023/12/5投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国広東省鼎湖山で採集されたRussula属Ingratae節の2種を検討し、それぞれR. gelatinosa、R. rufobasalisとして新種記載した。 前者は傘がゼラチン化し、襞が不規則に分岐し、担子胞子に翼状装飾を有し、SV+赤褐色のグレオシスチジアを豊富に有すること、後者は柄基部が帯赤色で脈間襞を有し小襞が多く、シスチジアがSV+黒色であることなどで特徴づけられた。 また、同地域でR. punctipesを約100年前の湖南省での原記載以来初めて再記載した。 中国広東省肇慶市鼎湖山生物圏保護区 (新種) Russula gelatinosa Y. Song & L.H. Qiu 語源…ゼラチン質の(傘の質感から) 【よく似た種との区別】 Russula laurocerasi(クサハツモドキ) ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくイギリス、ドイツなどに分布する 本種と異なり子実体に独特の苦扁桃臭がある ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula fragrantissima ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する 本種と異なり子実体に独特の苦扁桃臭がある ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula mutabilis ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく米国などに分布する 本種と異なり子実体に独特の苦扁桃臭がある ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula punctipes 中国に分布する 子実体の丈が類似している 子実体に苦扁桃臭を欠く 担子胞子に翼状装飾を有し、装飾の隙間も顕著に装飾される 本種と異なり子実体に強い辛味がある 本種と異なり傘上表皮が柵状ではなく良好に発達した偽柔組織である ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula senecis 東アジアに分布する 子実体に苦扁桃臭を欠く 担子胞子に翼状装飾を有し、装飾の隙間も顕著に装飾される 本種と異なり中国ではなく日本などに分布する 本種と異なり子実体に強い辛味がある ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula tsokae アジアに分布する 子実体の味が温和である 子実体に苦扁桃臭を欠く 担子胞子に翼状装飾を有する 本種と異なり中国ではなくインドなどに分布する 本種と異なり担子胞子の翼状装飾の隙間が強く装飾されるのではなくほぼ平滑である 本種と予備的な複数遺伝子解析で近縁でないことが示唆されている 中国広東省肇慶市鼎湖山生物圏保護区 (新種) Russula rufobasalis Y. Song & L.H. Qiu 語源…赤色の基部の(柄の色から) 【よく似た種との区別】 Russula ventricosipes ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく米国などに分布する 本種と異なり柄基部が帯赤色でない 本種と担子胞子の形態が非常に異なる 本種と異なり傘表皮の末端細胞が不規則に狭窄するという特徴を欠く ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula granulata(ヌメリクサハツモドキ) ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく米国などに分布する 本種と異なり柄基部が帯赤色でない 本種と異なり傘表皮の末端細胞が不規則に狭窄するという特徴を欠く 本種と異なり圧着した鱗片の上表皮が明瞭に断片化する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula obscuricolor アジアに分布する 形態的に極めて類似している 柄基部が赤色 顕微鏡的形質がほぼ同一である 担子胞子のサイズが同一である 担子胞子の装飾が同一である ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくインドなどに分布する 本種より傘が暗色である 本種と異なり傘表皮の末端細胞が厚壁でない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (広東省新産種) Russula punctipes Singer 【よく似た種との区別】 Russula senecis 東アジアに分布する 形態的に類似している(これまで中国でこの種に同定されてきたと考えられる) ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく日本に分布する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Russula gelatinosa 中国に分布する 子実体の丈が類似している 子実体に苦扁桃臭を欠く 担子胞子に翼状装飾を有し、装飾の隙間も顕著に装飾される ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体に強い辛味があるという特徴を欠く 本種と異なり傘上表皮が良好に発達した偽柔組織ではなく柵状である ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される