2020年12月31日 (仮訳)新種Velutarina bertiscensisおよびV. alpestris、V. rufoolivaceaの再記載とそのシノニムに関する議論 Baral, H-O. & Perić, B. 2014. Velutarina bertiscensis and V. alpestris spp. nov., with a redescription of V. rufoolivacea and discussion of its synonyms. Available at: https://www.researchgate.net/publication/287994120_VELUTARINA_BERTISCENSIS_AND_V_ALPESTRIS_SPP_NOV_WITH_A_REDESCRIPTION_OF_V_RUFOOLIVACEA_AND_DISCUSSION_OF_ITS_SYNONYMS [Accessed December 31, 2020] 【R3-08010】2020/12/31投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ モンテネグロ産のVelutarina bertiscensisおよびスイス・モンテネグロ産のV. alpestrisを新種記載した。 V. rufoolivaceaを再検討し、Dermea fuckeliiおよびCenangium salicisをそのシノニムとした。 本属菌の検索表を掲載した。 Montenegro, Vusanje, Mt. Prokletije (新種) Velutarina bertiscensis B. Perić & Baral 語源…ベルティスクス(山)産の 【よく似た種との区別】 Velutarina rufoolivacea ヨーロッパに分布する 材に生じる 子嚢盤外面が多数の結晶に覆われる 子嚢胞子が(円筒状)楕円形 分子系統解析で近縁 本種と異なりブナ属ではなく様々な被子植物および裸子植物に生じる 本種より子嚢盤のサイズが僅かに小さい 本種と異なり子嚢盤外面が顕著な水疱状という特徴を欠く 本種より子嚢盤外面の撥水性が強い 本種と異なり子実層が初めから暗い煤黒色なのではなく初め帯黄色~帯オリーブ緑色で老成すると暗褐色となる 本種より子嚢のサイズが小さい 本種と異なり子嚢の先端リングが非アミロイドではなく顕著な青色に呈色し、高濃度では(汚)赤色を呈する 本種と異なり子嚢に鉤状構造を欠く 本種より子嚢胞子のサイズが小さい 本種と異なり子嚢胞子が子嚢内部で既に淡黄褐色~明黄褐色なのではなく放出時無色でのちに褐色となる 本種と異なり子嚢胞子表面が平滑のままではなくしばしば顕著な微細な疣状 本種より子嚢胞子が薄壁 本種と異なり子嚢胞子のLBsの数が2(-3)ではなく1-2 本種より子嚢胞子のLBsのサイズが大きい 本種と異なり側糸の壁に色素を伴わない 本種と異なり側糸の液胞が無色ではなく帯黄色~帯緑色 本種と異なり側糸の液胞に屈折性がある 本種と異なり外被層に帯緑色の液胞を含む細胞を有する 本種と托髄層細胞のサイズが異なる 本種と異なり托髄層細胞が細長い菌糸状のみなのではなく一部が強く膨大して類球形~卵状または洋梨形となる 本種と異なり托髄層に液胞を含む Switzerland, Luzern, Pilatus (新種) Velutarina alpestris Baral & B. Perić 語源…高山の 【よく似た種との区別】 Velutarina rufoolivacea ヨーロッパに分布する 材に生じる 子嚢盤の直径の範囲が重なる 子嚢盤外面が白色粉状の結晶に覆われる 子嚢胞子が過熟時褐色となる 子嚢胞子が楕円形 子嚢胞子の壁の厚さの範囲が重なる 側糸に淡琥珀褐色の液胞を含む 分子系統解析で近縁 本種と異なりヤナギ属およびブナ属ではなく様々な被子植物および裸子植物に生じる 本種と異なり樹皮や球果に生じることがある 本種より子嚢盤の丈が高い 本種と異なり子嚢盤外面が粗面~水疱状で白色の粉に覆われるのではなく綿毛状 本種より子嚢のサイズが大きい 本種と異なり子嚢の先端リングがIKI陰性ではなく陽性 本種と異なり子嚢の先端が薄壁ではなく厚壁 本種と異なり子嚢に鉤状構造を欠く 本種より子嚢胞子の幅が広い 本種と異なり子嚢胞子が楕円形~紡錘状ではなく(円筒状)楕円形 本種と異なり子嚢胞子のLBsの数が(1-)2ではなく1-2 本種より子嚢胞子のLBsのサイズが大きい 本種と異なり側糸の液胞が生時(帯緑)帯褐琥珀色ではなく帯黄色~帯緑色 本種と異なり外被層に帯緑色の液胞を含む細胞を有する 本種と異なり毛が縁部のみかあるいは欠くのではなく全体に分布する 本種と異なり毛が淡褐色ではなく無色 本種と異なり毛がいくぶん直線状ではなく屈曲状 本種と異なり毛の表面が平滑ではなく結晶を伴う 本種と異なり毛が薄壁ではなく厚壁 (その他掲載種) Velutarina rufoolivacea (Alb. & Schwein.) Korf 【よく似た種との区別】 Velutarina alpestris ヨーロッパに分布する 材に生じる 子嚢盤の直径の範囲が重なる 子嚢盤外面が白色粉状の結晶に覆われる 子嚢胞子が過熟時褐色となる 子嚢胞子が楕円形 子嚢胞子の壁の厚さの範囲が重なる 側糸に淡琥珀褐色の液胞を含む 分子系統解析で近縁 本種と異なり様々な被子植物および裸子植物ではなくヤナギ属およびブナ属に生じる 本種と異なり樹皮や球果に生じることが知られていない 本種より子嚢盤の丈が低い 本種と異なり子嚢盤外面が綿毛状ではなく粗面~水疱状で白色の粉に覆われる 本種より子嚢のサイズが小さい 本種と異なり子嚢の先端リングがIKI陽性ではなく陰性 本種と異なり子嚢の先端が厚壁ではなく薄壁 本種と異なり子嚢に鉤状構造を有する 本種より子嚢胞子の幅が狭い 本種と異なり子嚢胞子が(円筒状)楕円形ではなく楕円形~紡錘状 本種と異なり子嚢胞子のLBsの数が1-2ではなく(1-)2 本種より子嚢胞子のLBsのサイズが小さい 本種と異なり側糸の液胞が帯黄色~帯緑色ではなく生時(帯緑)帯褐琥珀色 本種と異なり外被層に帯緑色の液胞を含む細胞を欠く 本種と異なり毛が全体に分布するのではなく縁部のみかあるいは欠く 本種と異なり毛が無色ではなく淡褐色 本種と異なり毛が屈曲状ではなくいくぶん直線状 本種と異なり毛の表面が結晶を伴うのではなく平滑 本種と異なり毛が厚壁ではなく薄壁 Velutarina bertiscensis ヨーロッパに分布する 材に生じる 子嚢盤外面が多数の結晶に覆われる 子嚢胞子が(円筒状)楕円形 分子系統解析で近縁 本種と異なり様々な被子植物および裸子植物ではなくブナ属に生じる 本種より子嚢盤のサイズが僅かに大きい 本種と異なり子嚢盤外面が顕著な水疱状である 本種より子嚢盤外面の撥水性が弱い 本種と異なり子実層が初め帯黄色~帯オリーブ緑色で老成すると暗褐色となるのではなく初めから暗い煤黒色 本種より子嚢のサイズが大きい 本種と異なり子嚢の先端リングが顕著な青色に呈色し、高濃度では(汚)赤色を呈するのではなく非アミロイド 本種と異なり子嚢に鉤状構造を有する 本種より子嚢胞子のサイズが大きい 本種と異なり子嚢胞子が放出時無色でのちに褐色となるのではなく子嚢内部で既に淡黄褐色~明黄褐色 本種と異なり子嚢胞子表面がしばしば顕著な微細な疣状ではなく平滑のままである 本種より子嚢胞子が厚壁 本種と異なり子嚢胞子のLBsの数が1-2ではなく2(-3) 本種より子嚢胞子のLBsのサイズが小さい 本種と異なり側糸の壁に色素を伴う 本種と異なり側糸の液胞が帯黄色~帯緑色ではなく無色 本種と異なり側糸の液胞に屈折性がない 本種と異なり外被層に帯緑色の液胞を含む細胞を欠く 本種と托髄層細胞のサイズが異なる 本種と異なり托髄層細胞が一部が強く膨大して類球形~卵状または洋梨形となるのではなく細長い菌糸状のみ 本種と異なり托髄層に液胞を欠く Encoelia furfuracea 形態的に類似している(混同のおそれがある) 本種より子嚢盤のサイズが顕著に大きい 本種と異なり子嚢胞子が広楕円形でない Velutarina juniperi ヨーロッパに分布する 同じビャクシン属植物に生じる 植物の枝に生じる 子嚢胞子が成熟時無色で過熟時褐色 子嚢胞子表面が過熟時部分的に疣状 子嚢胞子が薄壁 本種と異なり様々な被子植物および裸子植物に生じるという特徴を欠く 本種と異なり子嚢がIKI陽性ではなく陰性 (?) 本種と異なり外被層に帯緑色の液胞を含む細胞を欠く