2014年3月15日 (仮訳)好稠性のChrysosporium属菌を含む新属XerochrysiumおよびBettsia属 Pitt, J. et al., 2013. Xerochrysium gen. nov. and Bettsia, genera encompassing xerophilic species of Chrysosporium. IMA Fungus. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/ima/imafung/2013/00000004/00000002/art00017 [Accessed March 15, 2014]. 【R3-00506】2014/03/15投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 分子系統解析の結果、従来Chrysosporium属に含まれていた好乾性菌が2つの明瞭なクレードを形成し、片方がズキンタケ目、もう片方がユーロチウム目に含まれることが示された。 前者はテレオモルフ属のBettsia属に相当し、C. fastidiumを本属に移す措置を行った。 後者については、本論文で新属Xerochrysiumを提唱し、C. xerophilumとC. inopsを本属に移した。 (新組み合わせ) Xerochrysium dermatitidis (A. Agostini) Pitt 旧名:Chrysosporium inops J.W. Carmich. (基礎異名はGlenosporella dermatitidis A. Agostini) 【よく似た種との区別】 Xerochrysium xerophilum オーストラリアに分布する 乾燥した食品から分離され、食品汚染菌としても知られている 好稠菌である 培養性状が非常に類似している MY50G培地でのコロニーが白色~淡色 MY50G培地でのリバースが黄色~カーキ色で時に赤色 LSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり若いコロニーで形成される分生子の多くが末端生の厚壁分生子という特徴を持たず、アレウロ型分生子を多数形成する 本種と異なり成熟したコロニーの栄養菌糸のほぼ全てが節間生の厚壁分生子または分節分生子に変化し、アレウロ型分生子の柄まで厚壁胞子に変わる 本種より一般的な培地での生育が速い 本種よりCZC50G培地での生育が速い 本種と異なり37°Cで生育する LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Xeromyces bisporus LSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり主に有性生殖を行う(子嚢が2胞子性で子嚢胞子がアルファベットの「D」の形) 本種と異なりアレウロ型分生子を形成しない 本種と異なり厚壁分生子を形成しない 本種と異なりFrasierella型のアナモルフを持つ LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Xerochrysium xerophilum (Pitt) Pitt 旧名:Chrysosporium xerophilum Pitt 【よく似た種との区別】 Xerochrysium dermatitidis オーストラリアに分布する 乾燥した食品から分離され、食品汚染菌としても知られている 好稠菌である 培養性状が非常に類似している MY50G培地でのコロニーが白色~淡色 MY50G培地でのリバースが黄色~カーキ色で時に赤色 LSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりアレウロ型分生子が稀で、若いいコロニーで形成される分生子の多くが末端生の厚壁分生子になる 本種と異なり成熟したコロニーの栄養菌糸のほぼ全てが節間生の厚壁分生子または分節分生子に変化し、アレウロ型分生子の柄まで厚壁胞子に変わるという特徴を持たない 本種より一般的な培地での生育が遅い 本種よりCZC50G培地での生育が遅い 本種と異なり37°Cで生育しない LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Xeromyces bisporus LSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり主に有性生殖を行う(子嚢が2胞子性で子嚢胞子がアルファベットの「D」の形) 本種と異なりアレウロ型分生子を形成しない 本種と異なり厚壁分生子を形成しない 本種と異なりFrasierella型のアナモルフを持つ LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Bettsia fastidia (Pitt) Pitt 旧名:Chrysosporium fastidium Pitt 【よく似た種との区別】 Bettsia alvei 好稠菌である アレウロ型分生子を多数形成する 厚壁分生子を形成することが稀 37°Cで生育しない CZC50G培地での生育が不良 LSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオーストラリアではなくデンマークに分布する 本種と異なり乾燥したプルーンではなくハチの巣などから分離される 本種と異なりコロニーが淡黄色~褐色ではなく白色または黒色 本種と異なりリバースが黄褐色ではなく淡色または黒色 本種と異なりテレオモルフが知られている 本種よりMY50G培地での生長が速い LSUの塩基配列で明瞭に区別される (その他掲載種) Bettsia alvei (Betts) Skou 【よく似た種との区別】 Bettsia fastidia 好稠菌である アレウロ型分生子を多数形成する 厚壁分生子を形成することが稀 37°Cで生育しない CZC50G培地での生育が不良 LSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりデンマークではなくオーストラリアに分布する 本種と異なりハチの巣などではなく乾燥したプルーンからのみ分離される 本種と異なりコロニーが白色または黒色ではなく淡黄色~褐色 本種と異なりリバースが淡色または黒色ではなく黄褐色 本種と異なりテレオモルフが知られていない 本種よりMY50G培地での生長が遅い LSUの塩基配列で明瞭に区別される