2017年5月7日 (仮訳)ハウスダスト中の乾燥耐性菌:スピロマスティクス科のSpiromastix属、Pseudospiromastix属、および新属Sigleria Hirooka, Y. et al., 2016. Xerotolerant fungi in house dust: taxonomy of Spiromastix, Pseudospiromastix and Sigleria gen. nov. in Spiromastigaceae (Onygenales, Eurotiomycetes). Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/full/10.3852/15-065 [Accessed May 7, 2017]. 【R3-04000】2017/05/07投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ハウスダストから終点希釈法により分離されたスピロマスティクス科の菌を検討し、6新種を記載した。 そのうち2新種を新属Sigleriaに含め、1種をPseudospiromastix属に移した。 スピロマスティクス科3属に含まれる種の検索表を掲載した。 Mexico, Nayarit, Casa Xocotla, Sayulita, Mariposa 2 (新種) Sigleria amenda Hirooka, Tanney & Seifert 語源…(属名)Lynne Sigler教授に献名/(種小名)Anthony Amend教授に献名 【よく似た種との区別】 Sigleria carmichaelii メキシコに分布する nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりミクロネシア連邦およびタイに分布する 本種よりほとんどの培地で生長が遅い 本種と異なりMEA培地における最適生長温度が30°Cではなく25°C nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Spiromastix pyramidalis 分生子柄の側枝が対生する 本種と異なりメキシコではなくオーストラリアに分布する 本種よりMEA培地での生長が速い 本種と異なりCZA培地での生長が乏しいという特徴を欠く nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Federated States of Micronesia, Kosrae, Malem, dried culture isolated from settled house dust in a private residence (新種) Sigleria carmichaelii Hirooka, Tanney & Seifert 語源…John W. Carmichael教授に献名 【よく似た種との区別】 Sigleria amenda メキシコに分布する nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりミクロネシア連邦およびタイにおける分布が知られていない 本種よりほとんどの培地で生長が速い 本種と異なりMEA培地における最適生長温度が25°Cではなく30°C nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Spiromastix pyramidalis 分生子柄の側枝が対生する 本種と異なりメキシコ、タイ、ミクロネシア連邦ではなくオーストラリアに分布する 本種よりMEA培地での生長が速い 本種と異なりCZA培地での生長が乏しいという特徴を欠く nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Pseudospiromastix tentaculata (Guarro, Gené & De Vroey) Guarro, Stchigel & Cano 旧名:Spiromastix tentaculata Guarro, Géne & De Vroey Mexico, Guerrero or Morelos (新種) Spiromastix curvata Hirooka, Tanney & Seifert 語源…屈曲する(分生子柄の形状から) 【よく似た種との区別】 Spiromastix minimus 無性世代がmalbranchea型 nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりメキシコではなくニュージーランドに分布する 本種より分生子柄が短い 本種と異なり分生子柄が分枝しないか疎らにしか分枝しないのではなく分枝しない 本種と異なり分生子柄が屈曲するのではなく僅かに屈曲する 本種より分生子のサイズが小さい 本種と異なりMEA培地での最適生長温度が30°Cではなく20-25°C nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mexico, Nayarit, Sayulita, Casa Xocotla, Mariposa 2 (新種) Spiromastix frutex Hirooka, Tanney & Seifert 語源…低木の(分生子柄の形状から) 【よく似た種との区別】 Spiromastix pyramidalis 分生子柄の分枝パターンがいくぶん類似している nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりメキシコではなくオーストラリアに分布する 本種より分生子柄が長い 本種より分生子柄が盛んに分枝する 本種と異なり分生子柄が低木状ではなくピラミッド状に分枝する 本種より分生子が長い 本種とコロニーの生長速度が異なる 本種と異なりMEA培地での最適生長温度が25-30°Cではなく25°C nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Federated States of Micronesia, Kosrae, Lelu (新種) Spiromastix kosraensis Hirooka, Tanney & Seifert 語源…コスラエ産の 【よく似た種との区別】 Spiromastix princeps ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり有性世代が知られている 本種と異なり無性世代が知られていない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される New Zealand, Otago, Dunedin, 284 Coast Road, Warrington (新種) Spiromastix minimus Hirooka, Tanney & Seifert 語源…微小な(形態的にほとんど分化しないことから) ※Fig4、Fig5ではSpiromastix minimaと表記されている 【よく似た種との区別】 Spiromastix curvata 無性世代がmalbranchea型 nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりニュージーランドではなくメキシコに分布する 本種より分生子柄が長い 本種と異なり分生子柄が分枝しないのではなく分枝しないか疎らにしか分枝しない 本種と異なり分生子柄が僅かに屈曲するのではなく屈曲する 本種より分生子のサイズが大きい 本種と異なりMEA培地での最適生長温度が20-25°Cではなく30°C nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Spiromastix princeps Udagawa & Uchiy. 【よく似た種との区別】 Spiromastix kosraensis ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり有性世代が知られていない 本種と異なり無性世代が知られている ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Australia, Tasmania, Hobart, Sandy Bay (新種) Spiromastix pyramidalis Hirooka, Tanney & Seifert 語源…ピラミッドの(分生子柄の形状から) 【よく似た種との区別】 Sigleria amenda 分生子柄の側枝が対生する 本種と異なりオーストラリアではなくメキシコに分布する 本種よりMEA培地での生長が遅い 本種と異なりCZA培地での生長が乏しい nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sigleria carmichaelii 分生子柄の側枝が対生する 本種と異なりオーストラリアではなくメキシコ、タイ、ミクロネシア連邦に分布する 本種よりMEA培地での生長が遅い 本種と異なりCZA培地での生長が乏しい nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Spiromastix frutex 分生子柄の分枝パターンがいくぶん類似している nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオーストラリアではなくメキシコに分布する 本種より分生子柄が短い 本種ほど分生子柄が盛んに分枝しない 本種と異なり分生子柄がピラミッド状ではなく低木状に分枝する 本種より分生子が短い 本種とコロニーの生長速度が異なる 本種と異なりMEA培地での最適生長温度が25°Cではなく25-30°C nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される USA, FL (新種) Spiromastix sugiyamae Hirooka, Tanney & Seifert 語源…杉山真人氏に献名 【よく似た種との区別】 Spiromastix warcupii 有性世代の形態がほぼ同一 子嚢胞子が扁円形 子嚢胞子表面が点状 子嚢胞子の赤道面に畝を欠く nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり米国ではなくオーストラリア、マレーシア、インドネシアにおける分布が知られている 本種より子嚢胞子が長い 本種と異なり子嚢胞子の極表面に僅かに微細な溝を生じる nrLSU+nrSSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される