2014年7月5日 (仮訳)東南アジア産チチタケ属Russularia亜属 (1):非常に疎な襞を持つ種 Wisitrassameewong, K. et al., 2014. Lactarius subgenus Russularia (Russulaceae) in Southeast Asia: 1. Species with very distant gills. Phytotaxa. Available at: http://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.158.1.2 [Accessed July 5, 2014]. 【R3-00875】2014/07/05投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 東南アジア(タイ・マレーシア)で採集されたチチタケ属Russularia亜属の4新種を記載した。 これらの種はいずれも傘に深い条線~溝線を持ち、襞が疎、肉が非常に薄いことが特徴で、キツネタケ属菌に類似していた。 また、これらの種は一見よく形態が類似しているが、Russularia亜属内で必ずしも互いに近縁ではなかった。 Thailand, Chiang Mai Province, Muang district, Doi Suthep-Pui National Park, Sangasabhasri Lane to Huai Kok Ma village (新種) Lactarius laccarioides Wisitrassameewong & Verbeken 語源…キツネタケ属のような 【よく似た種との区別】 Lactarius sublaccarioides 同じRussularia亜属に含まれる タイ・チエンマイ県に分布する 肉眼的形態が非常に類似している 傘に深い条線~溝線がある 襞の間隔が疎 肉が非常に薄い 本種と異なり柄の下半分全面が粗長毛状という特徴を欠く 本種と異なり側マクロシスチジアを持つ 本種と異なり縁シスチジアを持つ ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lactarius atlanticus 同じRussularia亜属に含まれる 柄の基部が顕著な剛毛状 マクロシスチジアを欠く ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりタイではなくヨーロッパに分布する 本種と異なり傘の縁部に顕著な条線を欠く 本種と異なり傘表面にしばしば光沢を持つ 本種より襞の間隔がずっと密 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lactarius pashoensis 同じRussularia亜属に含まれる 東南アジアに分布する 傘に深い条線~溝線がある 襞の間隔が疎 肉が非常に薄い 側マクロシスチジアを欠く 縁シスチジアを欠く 本種と異なりタイではなくマレーシアに分布する 本種と異なり傘表面が微細なビロード状 本種より柄がかなり短い 本種と異なり柄の下半分ではなく基部のみが毛状 本種と異なり担子器が2-4胞子性ではなくほとんど4胞子性 本種と異なり傘表皮が毛状柵状被ではなく毛状上皮~菌糸状上皮 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Thailand, Chiang Mai province, Mae Taeng District, Pa Pae sub-district, Bahn Pa Dheng, Mushroom Research Center (新種) Lactarius sublaccarioides Wisitrassameewong & Verbeken 語源…Lactarius laccarioidesに似た 【よく似た種との区別】 Lactarius laccarioides 同じRussularia亜属に含まれる タイ・チエンマイ県に分布する 肉眼的形態が非常に類似している 傘に深い条線~溝線がある 襞の間隔が疎 肉が非常に薄い 本種と異なり柄の下半分全面が粗長毛状 本種と異なり側マクロシスチジアを欠く 本種と異なり縁シスチジアを欠く ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lactarius pashoensis 同じRussularia亜属に含まれる 東南アジアに分布する 傘に深い条線~溝線がある 襞の間隔が疎 肉が非常に薄い 本種と異なりタイではなくマレーシアに分布する 本種と異なり側シスチジアを欠く 本種と異なり縁シスチジアを欠く 本種と異なり傘表皮が糸状上皮~菌糸状上皮 本種と異なり傘表皮の末端要素が斜上~並行でなく直立~斜上 Lactarius stubbei 同じRussularia亜属に含まれる 東南アジアに分布する 傘に深い条線~溝線がある 襞の間隔が疎 肉が非常に薄い 側マクロシスチジアを持つ 縁シスチジアを持つ 本種と異なりタイではなくマレーシアに分布する 本種と異なり柄が淡橙色・淡褐色・褐色・帯灰橙色ではなく淡い帯褐桃色 本種と異なり柄の表面が平滑ではなく類綿毛状 本種と異なり乳液が淡黄色に変色する 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子の装飾が完全な網目状ではなく不完全な網目状 本種と異なり側シスチジアが子実層から非常に顕著に突出するのではなく埋生~僅かに突出する 本種と異なり縁シスチジアが子実層から非常に顕著に突出するのではなく埋生~僅かに突出する Malaysia. Negeri Sembilan, Pasoh National Forest Reserve, along main trail, not far from stream (新種) Lactarius pasohensis Wisitrassameewong & Stubbe, 語源…パソー産の 【よく似た種との区別】 Lactarius laccarioides 同じRussularia亜属に含まれる 東南アジアに分布する 傘に深い条線~溝線がある 襞の間隔が疎 肉が非常に薄い 側マクロシスチジアを欠く 縁シスチジアを欠く 本種と異なりマレーシアではなくタイに分布する 本種と異なり傘表面が微細なビロード状でない 本種より柄がかなり長い 本種と異なり柄の基部ではなく下半分が毛状 本種と異なり担子器がほとんど4胞子性ではなく2-4胞子性 本種と異なり傘表皮が毛状上皮~菌糸状上皮ではなく毛状柵状被 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lactarius sublaccarioides 同じRussularia亜属に含まれる 東南アジアに分布する 傘に深い条線~溝線がある 襞の間隔が疎 肉が非常に薄い 本種と異なりマレーシアではなくタイに分布する 本種と異なり側シスチジアを持つ 本種と異なり縁シスチジアを持つ 本種と異なり傘表皮が糸状上皮~菌糸状上皮でない 本種と異なり傘表皮の末端要素が直立~斜上ではなく斜上~並行 Lactarius serifluus 担子胞子の装飾がほぼ完全な網目状 側シスチジアを欠く 縁シスチジアを欠く 傘表皮が菌糸状上皮 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりマレーシアではなくヨーロッパに分布する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lactarius subumbonatus 担子胞子の装飾がほぼ完全な網目状 側シスチジアを欠く 縁シスチジアを欠く 傘表皮が菌糸状上皮 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりマレーシアではなくヨーロッパに分布する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Malaysia. Negeri Sembilan, Pasoh National Forest Reserve, along trail south of experimental plots (新種) Lactarius stubbei Wisitrassameewong & Verbeken 語源…採集者のDirk Stubbeに献名 【よく似た種との区別】 Lactarius sublaccarioides 同じRussularia亜属に含まれる 東南アジアに分布する 傘に深い条線~溝線がある 襞の間隔が疎 肉が非常に薄い 側マクロシスチジアを持つ 縁シスチジアを持つ 本種と異なりマレーシアではなくタイに分布する 本種と異なり柄が淡い帯褐桃色ではなく淡橙色・淡褐色・褐色・帯灰橙色 本種と異なり柄の表面が類綿毛状ではなく平滑 本種と異なり乳液が淡黄色に変色しない 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり担子胞子の装飾が不完全な網目状ではなく完全な網目状 本種と異なり側シスチジアが子実層に埋生~僅かに突出するのではなく非常に顕著に突出する 本種と異なり縁シスチジアが子実層に埋生~僅かに突出するのではなく非常に顕著に突出する