(仮訳)クヌギタケ属ヤコウタケ節の新種および分類学的観察
Aravindakshan, D. & Manimohan, P., A new species of Mycena sect. Exornatae and some taxonomic observations. mycosphere.org. Available at: http://www.mycosphere.org/pdfs/MC4_1_No9.pdf [Accessed December 7, 2013].
【R3-00098】2013/12/07投稿

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3行まとめ

インド・ケララ州から、生木樹皮や腐朽枝に発生するMycena snigdhaを新種記載した。
本種はループ状のクランプを持つ点でIngratae節に類似していたが、Desjardin et al. (2010) はIngratae節をヤコウタケ節のシノニムとして扱った。
本研究では、ループ状のクランプを属レベルの分類形質として認めず、Desjardinらの分類学的措置を支持するとともに、Mycena fumosaをシロコナカブリ節からヤコウタケ節に移すことを提唱した。
INDIA, Kerala State, Malappuram District, Calicut University Campus

(新種)

Mycena snigdha Aravind. & Manim.
語源…サンスクリット語で「ゼラチン質の」
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Mycena discobasis
本種と同じヤコウタケ節に属する
肉眼的形質が類似している
顕微鏡的形質が類似している
本種と異なり子実体に発光性を持つ
本種よりも傘が大きく、直径5 mmを超える
本種と異なり縁シスチジアの頂部にしばしば長い突起が生じることがない
本種と異なり傘表皮の菌糸に顕著なイバラ状の突起を持たない
本種と異なりループ状のクランプを持たない
本種と異なり傘縁部全体がアカントフィシス状の末端細胞からなる特徴を持たない
Mycena chlorophos(ヤコウタケ)
本種と同じヤコウタケ節に属する
本種と異なり子実体に発光性を持つ
本種よりも子実体のサイズが大きい
本種よりも襞の数がずっと多い
本種と異なり強い窒素臭がある
本種より担子器のサイズが大きい
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
本種よりも傘シスチジアの幅が狭い
本種よりも柄シスチジアのサイズが小さい
本種と異なり柄シスチジアに突起を欠く
本種と異なりクランプがループ状にならない
Mycena deeptha
本種と同じヤコウタケ節に属する
本種と異なり菌糸体に発光性を持つ
本種と異なり子実体原基全体を脱落性の毛が覆う
本種と異なり柄シスチジアに非常に長い突起を持つ
Mycena chlorinosma
本種と同じヤコウタケ節に含めるのが妥当と考えられる (Desjardin et al., 2010)
本種よりも子実体のサイズが大きい
本種よりも襞の数がずっと多い
本種と異なり柄の基部が暗赤褐色になる
本種と異なり塩素臭がある
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
本種と異なり縁シスチジアに突起を持たない
本種よりも柄シスチジアのサイズが小さい
本種と異なり柄シスチジアに突起を欠く
Mycena margarita
本種と同じヤコウタケ節に属する
本種と異なり子実体に発光性を持つことがある
本種よりも子実体のサイズがやや大きい
本種と異なり襞が直生
本種と異なり柄の基部が黄褐色になる
本種と異なり縁シスチジアに突起を欠く
本種と異なり柄シスチジアに突起を欠く
本種よりも傘縁部の細胞の幅が狭い
Mycena rhenana
本種と同じヤコウタケ節に含めるのが妥当と考えられる (Desjardin et al., 2007)
本種と異なり縁シスチジアを欠く
本種と傘縁部の細胞の形態が異なる
Mycena interrupta
本種と同じヤコウタケ節に含めるのが妥当と考えられる (Desjardin et al., 2010)
本種と異なり子実体が青色
本種と異なり柄シスチジアが繊維状
本種と異なり柄シスチジアにトゲ状突起を持つ
Mycena fumosa
本種と同じヤコウタケ節に含めるのが妥当と考えられる(本論文で提案)
柄の基部が盤状
シスチジアが紡錘状
傘表皮がゼラチン質になる
ループ状のクランプを持つ
本種よりも子実体のサイズが大きい
本種と異なりシスチジア頂部が伸長しない
本種と異なり傘表皮の菌糸にイバラ状の突起が発達しない