(仮訳)アラスカ産のコウヤクタケ類の新属新種Tsugacorticium kenaicum
Nakasone, KK. & Burdsall, HH. Jr. 2012. Tsugacorticium kenaicum (Hymenochaetales, Basidiomycota) a new corticioid genus and species from Alaska. North American Fungi. Available at: http://www.ncrs.fs.fed.us/pubs/41546 [Accessed December 4, 2013].
【R3-00083】2013/12/05投稿

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3行まとめ

アラスカ・ケナイ半島のツガ属、シトカトウヒなどの生木樹皮や枯れ枝に発生するコウヤクタケ類の新属新種Tsugacorticium kenaicumを記載した。
本種は形態的にはDendrothele属やDendrocorticium属などに類似しており、以前はDendrothele incrustansと誤同定されていた。
LSUを用いた分子系統解析では、本種はどちらの属とも異なるヒナノヒガサ科クレードに含まれた。
United States. Alaska, Kenai Peninsula, Golden Fin Trail

(新種)

Tsugacorticium kenaicum Nakasone & Burds.
語源…ケナイ(半島)の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Dendrothele incrustans
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が球形~類球形で時に扁圧されるのではなく球形~広楕円形
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なりデンドロハイフィディアに結晶を伴う
Dendrothele spp.
子実体が柔らかい
担子器が類壺形
担子器がシアノフィリック
シスチジアを持つ
本種と異なり裸子植物だけでなく被子植物にも発生する
本種と異なり担子器が僅かに厚壁
本種ほど子実下層が厚くならない
本種と異なりデンドロハイフィディアが平滑ではなく付着物を伴う
Dendrocorticium spp.
担子器が薄壁
本種と異なり被子植物を宿主とする
本種と異なり子実体が硬い
本種と異なり担子器が類壺形ではなく円筒形~管形で基部が膨大する
本種と異なり担子器がシアノフィリックでない
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なりデンドロハイフィディアが平滑ではなく付着物を伴う
本種ほど子実下層が厚くならない
Corticium spp.
子実体が柔らかい
子実下層がかなり厚くなる
本種と異なり被子植物を宿主とする
本種と異なり担子器が類壺形ではなく円筒形
本種と異なり担子器がシアノフィリックでない
本種と異なりデンドロハイフィディアが平滑ではなく付着物を伴う
Dentocorticium spp.(広義)
子実体が柔らかい
担子器が薄壁
本種と異なり被子植物に発生する
本種と異なり子実体が硬くなることがある
本種と異なり担子器が類壺形ではなく、円筒形~棍棒形
本種と異なり担子器がシアノフィリックでない
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なりデンドロハイフィディアが平滑ではなく付着物を伴う
本種ほど子実下層が厚くならない
Leptocorticium spp.(広義)
子実体が柔らかい
担子器が薄壁
シスチジアを持つ
本種と異なりシダの葉柄や単子葉植物の茎、稀に被子植物の材に発生する
本種と異なり担子器が類壺形ではなく円筒形・類棍棒形・類壺形
本種と異なり担子器が僅かに厚壁になることがある
本種と異なり担子器がシアノフィリックでない
本種と異なりデンドロハイフィディアが平滑ではなく付着物を伴う
本種ほど子実下層が厚くならない
Ginnsia viticola
LSUに基づく系統樹で最も近縁
形態的にあまり類似した点がない
分子系統解析で明瞭に区別される