(仮訳)太平洋岸北西部で普通に見られ、PDAB反応で識別されるアセタケ属の新種
Matheny, P., Norvell, L. & Giles, E., 2013. A common new species of Inocybe in the Pacific Northwest with a diagnostic PDAB reaction. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/105/2/436.short [Accessed December 25, 2013].
【R3-00191】2013/12/25投稿

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3行まとめ

米国ワシントン州とオレゴン州、カナダのブリティッシュコロンビア州で普通に見られる菌をInocybe chondrodermaとして新種記載した。
本種はおそらくインドールアルカロイドを含むことにより、p-ジメチルアミノベンズアルデヒド (PDAB) で青緑色またはトルコ石色の呈色反応を起こす。
分子系統解析では、本種はヨーロッパ産のInocybe subnudipesにごく近縁であり、コロラド州や日本からも類似度が極めて高い塩基配列が登録されていた。
Washington, Mount Rainier National Park, Longmire, Powerline Trail

(新種)

Inocybe chondroderma Stuntz ex Matheny, Norvell et Giles
語源…粒(軟骨)の表皮の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Inocybe subnudipes
生態的に類似している
形態的に類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパに分布する
本種と異なり担子胞子の背側に特徴的な湾曲が見られない
ITS領域の塩基配列の3%に違いが見られる
Inocybe posterula
本種と異なり傘が黄褐色系ではなく帯黄色
本種と異なりPDABでの青緑色~トルコ石色の呈色反応が見られない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe auricoma
本種と異なりコナラ属やハンノキ属などの被子植物と関係を持つ(ただし、稀に針葉樹と関係を持つともされる)
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が類腎臓形にならない
本種と異なり担子胞子の背側に特徴的な湾曲が見られない
本種と異なりPDABでの青緑色~トルコ石色の呈色反応が見られない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe sindonia
本種より子実体が全体的に淡色
本種と異なり柄シスチジアの分布が柄の頂部に限らず、下部にも分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe praecox
本種と異なり子実体が秋ではなく春に発生する
本種と異なり内被膜を欠く
本種と異なり柄シスチジアの分布が柄の頂部に限らず、下部にも分布する
Inocybe kauffmanii
北米西部に分布する
本種と異なり傘がクリーム色
本種と異なり柄が長く、全体が粉状になる