(仮訳)糞生ケラチン分解菌の新種Neogymnomyces virgineusの比較研究、およびそのホネタケ目菌類との関係
Doveri, F. et al., 2012. A comparative study of Neogymnomyces virgineus, a new keratinolytic species from dung, and its relationships with the Onygenales. Fungal Diversity. Available at: http://link.springer.com/10.1007/s13225-011-0120-2 [Accessed February 4, 2018].
【R3-04820】2018/2/4投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

イタリアの洞窟で採集されたヤマネの糞から湿室法で得られた菌を検討し、Neogymnomyces virgineusとして新種記載した。
本種は子嚢果が純白色で分生子表面が小疣状、ケラチン分解能を有し、不完全世代がChrysosporium属菌であった。
Neogymnomyces属の分類を再検討し、ホネタケ目の科および属の検索表を掲載した。
Italy, Veneto, Vicenza, Longare, Mount Brosimo – Longare

(新種)

Neogymnomyces virgineus Doveri, Pecchia, Vergara, Sarrocco, Vannacci
語源…乙女の(裸子嚢殻が純白であることから)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Neogymnomyces demonbreunii
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり裸子嚢殻が純白色ではなく帯黄色~黄金褐色
本種と異なり裸子嚢殻の菌糸表面が小疣状ではなく平滑
本種より子嚢のサイズが小さい
本種より子嚢胞子のサイズがやや小さい
本種より子嚢胞子表面の孔が大きい
本種より子嚢胞子表面の孔が角形
本種より子嚢胞子表面の隆起が顕著で規則的な網目状をなす
本種と異なり分生子が側生、末端生、節間生ではなく末端生および節間生
本種と異なり分生子が帯黄色ではなくほぼ無色
本種と異なり分生子表面が瘤状ではなく平滑
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(nrLSUの類似度98.8%、ITSの類似度85%)
Renispora flavissima
洞窟に生息する
糞から分離される
アナモルフの形態が類似している
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヤマネの糞ではなくコウモリのグアノから分離される
本種より分生子のサイズが僅かに大きい
本種より分生子が球形に近い
本種より分生子表面が顕著な疣状~瘤状
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chrysosporium speluncarum
洞窟に生息する
分生子が側生、末端生、節間生である
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりテレオモルフを欠く
本種と異なり分生子が主に類球形
本種と異なり分生子に指状突起を有する
本種と異なりケラチン分解能を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される