(仮訳)分子生物学的解析によってRussula maculataの現行概念における隠れた種多様性が明らかになった
Adamčík, S. et al., 2016. A molecular analysis reveals hidden species diversity within the current concept of Russula maculata (Russulaceae, Basidiomycota). Phytotaxa. Available at: http://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.270.2.1 [Accessed July 24, 2017].
【R3-04235】2017/07/24投稿

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3行まとめ

ヨーロッパ各地で採集され、Russula maculataと同定された標本を対象に、本種の種概念を検証した。
ITS領域の解析結果から、この広い種概念に3種が包含されることが明らかになった。
肉眼的には識別できないが顕微鏡的に異なるヨーロッパ産の種をR. nympharumとして新種記載し、アジアにマツ属植物を宿主とする未記載種があることを示した。
Spain, Mallorca, Bunyola

(新種)

Russula nympharum F. Hampe & Marxm.
語源…Val des Nymphes産の
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【よく似た種との区別】
Russula maculata
フランスに分布する
肉眼的に識別不能なほど類似している
担子胞子のサイズの範囲が重なる
傘表皮のうち傘縁部付近の菌糸の末端細胞のサイズの範囲が重なる
傘縁部付近の傘シスチジアの細胞数の範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりデンマーク、エストニア、ドイツ、スロバキアなどにおける分布が知られている
本種より担子胞子の装飾の丈が高い
本種ほど側シスチジアが密に配列しない
本種より傘表皮のうち傘縁部付近の菌糸の末端細胞が先細りになる
本種と異なり傘表皮のうち傘縁部付近の菌糸の末端細胞頂部が狭窄するという特徴を欠く
本種より傘縁部付近の傘シスチジアの幅が狭い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Russula maculata Quél. & Roze
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Russula nympharum
フランスに分布する
肉眼的に識別不能なほど類似している
担子胞子のサイズの範囲が重なる
傘表皮のうち傘縁部付近の菌糸の末端細胞のサイズの範囲が重なる
傘縁部付近の傘シスチジアの細胞数の範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりデンマーク、エストニア、ドイツ、スロバキアなどにおける分布が知られていない
本種より担子胞子の装飾の丈が低い
本種より側シスチジアが密に配列する
本種ほど傘表皮のうち傘縁部付近の菌糸の末端細胞が先細りにならない
本種と異なり傘表皮のうち傘縁部付近の菌糸の末端細胞頂部が狭窄する
本種より傘縁部付近の傘シスチジアの幅が広い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

※この他にパキスタン産の未記載種を掲載した。