(仮訳)地中海のオーク林(イタリア)において見出されたフウセンタケ属Calochroi節の新種
Vizzini, A. et al., 2012. A new Cortinarius of section Calochroi (Basidiomycota, Agaricomycetes) from Mediterranean Quercus woodlands (Italy). Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/104/6/1502.short [Accessed May 6, 2015].
【R3-01799】2015/05/06投稿

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3行まとめ

イタリアのオーク林で採集されたフウセンタケ属菌を検討し、Cortinarius flavoaurantiansとして新種記載した。
本種は傘およびクモの巣膜が黄色、外被膜が白色で、傘表皮がKOHで黄橙色に呈色することなどで特徴づけられた。
分子系統解析では、本種はCalochroi節クレードの中で独立の系統を形成し、未同定の3標本のITS配列が本種に完全に一致した。
Italy, Liguria, Genoa, M. Portofino

(新種)

Cortinarius flavoaurantians Boccardo, Clericuzio & Vizzini
語源…黄橙色の(傘の色とKOHに対する呈色反応から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Cortinarius albovestitus
子実体が黄色系
Cortinarius calochrous
子実体が黄色系
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコナラ属ではなくほとんどブナ属植物とのみ関係を持つ
本種と異なり傘が淡黄色~黄褐色の地にさび橙色~帯赤褐色の斑点を生じるのではなく一様に黄色
本種と異なり酸化による変色(赤色~帯赤褐色)をほとんどあるいは全く示さない
本種と異なり傘がKOHで黄橙色ではなく赤褐色に呈色する
本種と異なり塊茎表皮がKOHで呈色反応を示さないのではなく黄色に呈色する
本種と異なり外被膜がKOHで黄色に呈色する
本種と異なり菌糸束がKOHで黄色に呈色する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius catharinae
子実体が黄色系
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius chailluzii
子実体が黄色系
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius cisticola
子実体が黄色系
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius frondosophilus
子実体が黄色系
Cortinarius lilacinovelatus
子実体が黄色系
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius roseobulbus
コナラ属植物の樹下に発生する
子実体が黄色系
傘表皮がKOHで黄橙色に呈色する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりイタリアではなく米国カリフォルニア州に分布する
本種と異なりコナラ属だけではなくNotholithocarpus属植物の樹下にも発生する
本種と異なり塊茎表皮が明瞭な桃色
本種と異なり菌糸束が白色ではなく明瞭な桃色
本種と異なり外被膜が白色ではなく帯黄色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius sublilacinopes
コナラ属植物を宿主とする
子実体が黄色系
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコナラ属だけではなくクマシデ属植物も宿主とする
本種と異なり外被膜が白色ではなく黄色
本種と異なり傘表面がKOHで黄橙色ではなく血赤色に呈色する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius subgracilis
子実体が黄色系
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される