(仮訳)中国産の昆虫病原菌の新種、Ophiocordyceps ponerus
Qu, J-J. et al., 2018. A new entomopathogenic fungus, Ophiocordyceps ponerus sp. nov., from China. Phytotaxa. Available at: https://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.343.2.2 [Accessed March 14, 2018].
【R3-04938】2018/3/15投稿

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3行まとめ

中国貴州省の森林においてハリアリ属の兵隊アリに生じた菌を検討し、Ophiocordyceps ponerusとして新種記載した。
本種はシンネマ上部にフィアライドを輪生し、分生子形成細胞が卵形または円筒形、分生子が単生し、ほぼ卵形またはミカンの瓤嚢形で平滑であることなどで特徴づけられた。
本種は分子系統解析でHymenostilbeクレードに含まれ、近縁種とはフィアライドや分生子の形態などが異なっていた。
中国貴州省貴陽市貴陽阿哈湖国家湿地公園

(新種)

Ophiocordyceps ponerus X. Zou & Y. F Han
語源…ハリアリ属の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Ophiocordyceps aurantiaca
同じアリ類を宿主とする
シンネマが円筒形
フィアライドのサイズの範囲が重なる
RPB2+TEF+ITS+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種よりシンネマが短い
本種と異なりシンネマが黒色で頂部付近が黄褐色なのではなく杏橙色~橙色
本種と異なり分生子が単生するのではなく多出芽状に生じる
本種より分生子が長い
本種より分生子の幅が狭い
本種と異なり分生子がほぼ卵形またはミカンの瓤嚢形なのではなく舟形~倒棍棒形から強い倒棍棒形
RPB2+TEF+ITS+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiocordyceps australiensis
同じアリ類を宿主とする
分生子のサイズの範囲が重なる
本種よりフィアライドのサイズが小さい
本種と異なりフィアライドが卵形~円筒形で基部が膨大するのではなく棍棒形または円筒形
本種と異なり分生子がほぼ卵形またはミカンの瓤嚢形なのではなく倒卵形~棍棒形
Ophiocordyceps camponoti
同じアリ類を宿主とする
本種よりシンネマが短い
本種と異なりシンネマが黒色で頂部付近が黄褐色なのではなく帯灰褐色
本種よりフィアライドのサイズが小さい
本種と異なりフィアライドが卵形~円筒形で基部が膨大するのではなく類円筒形
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なり分生子がほぼ卵形またはミカンの瓤嚢形なのではなく広紡錘形
Ophiocordyceps lloydii(クチキハスノミアリタケ)
同じアリ類を宿主とする
フィアライドのサイズの範囲が重なる
フィアライド表面が疣状
RPB2+TEF+ITS+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種よりシンネマのサイズが小さい
本種と異なりシンネマが黒色で頂部付近が黄褐色なのではなく淡褐灰色
本種と異なりフィアライドが卵形~円筒形で基部が膨大するのではなく円筒形
本種より分生子の幅が狭い
本種と異なり分生子がほぼ卵形またはミカンの瓤嚢形なのではなく狭棍棒形または類円筒形
RPB2+TEF+ITS+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiocordyceps longispora
同じアリ類を宿主とする
分生子表面が平滑
本種よりシンネマのサイズが小さい
本種と異なりシンネマが円筒形ではなく棍棒形~円筒形
本種と異なりシンネマが黒色で頂部付近が黄褐色なのではなく赤色または白色で頂部の結実部付近が桃色
本種よりフィアライドが短い
本種と異なりフィアライドが卵形~円筒形で基部が膨大するのではなく棍棒形~円筒形
本種と異なり分生子が単生するのではなく多出芽状に生じる
本種より分生子が長い
本種より分生子の幅が狭い
本種と異なり分生子がほぼ卵形またはミカンの瓤嚢形なのではなく狭棍棒形で時に僅かに屈曲する
Ophiocordyceps melanopoda
同じアリ類を宿主とする
分生子のサイズの範囲が重なる
本種と異なりシンネマが黒色で頂部付近が黄褐色なのではなく赤色~黒色
本種よりフィアライドのサイズが小さい
本種と異なりフィアライドが卵形~円筒形で基部が膨大するのではなく円筒形
本種と異なり分生子がほぼ卵形またはミカンの瓤嚢形なのではなく倒卵形で基部が截断状
Ophiocordyceps aphidis
本種と異なりアリではなくアブラムシなどを宿主とする
本種よりシンネマのサイズが小さい
本種と異なりシンネマが黒色で頂部付近が黄褐色なのではなくさび褐色
本種よりフィアライドが短い
本種と異なりフィアライドが卵形~円筒形で基部が膨大するのではなく円錐状、狭フラスコ形、類円筒形
本種より分生子が長い
本種と異なり分生子がほぼ卵形またはミカンの瓤嚢形なのではなく狭卵形または紡錘状
Ophiocordyceps lecaniicola
フィアライドのサイズの範囲が重なる
本種と異なりアリではなくカイガラムシなどを宿主とする
本種よりシンネマが短い
本種と異なりシンネマが黒色で頂部付近が黄褐色なのではなく灰色~帯褐色
本種と異なりフィアライドが卵形~円筒形で基部が膨大するのではなく類円筒形
Ophiocordyceps spiculata
本種と異なりアリではなくクモなどを宿主とする
本種よりシンネマのサイズが小さい
本種と異なりシンネマが黒色で頂部付近が黄褐色なのではなくクリーム色
本種よりフィアライドのサイズが小さい
本種と異なりフィアライドが卵形~円筒形で基部が膨大するのではなく円筒形
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なり分生子がほぼ卵形またはミカンの瓤嚢形なのではなく倒卵状
Ophiocordyceps ventricosa
本種と異なりアリではなくゴキブリなどを宿主とする
本種よりシンネマが短い
本種よりシンネマの幅が広い
本種と異なりシンネマが黒色で頂部付近が黄褐色なのではなくごく淡い桃色
本種よりフィアライドのサイズが小さい
本種と異なりフィアライドが卵形~円筒形で基部が膨大するのではなく棍棒形または円筒形
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子がほぼ卵形またはミカンの瓤嚢形なのではなく便腹形
Ophiocordyceps verrucosa
フィアライドの表面が疣状
本種と異なりアリではなくクモなどを宿主とする
本種よりシンネマが短い
本種よりシンネマの幅が広い
本種と異なりシンネマが黒色で頂部付近が黄褐色なのではなく淡褐色
本種よりフィアライドのサイズが小さい
本種と異なりフィアライドが卵形~円筒形で基部が膨大するのではなく棍棒形または円筒形
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なり分生子がほぼ卵形またはミカンの瓤嚢形なのではなく倒卵状
Ophiocordyceps odonatae(タンポヤンマタケ)
分生子が単生する
RPB2+TEF+ITS+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアリではなくトンボなどを宿主とする
本種よりシンネマが短い
本種と異なりシンネマが黒色で頂部付近が黄褐色なのではなく橙色
本種よりフィアライドのサイズが小さい
本種と異なりフィアライドが卵形~円筒形で基部が膨大するのではなく円筒形
本種より分生子の幅が狭い
本種と異なり分生子がほぼ卵形またはミカンの瓤嚢形なのではなく円筒形
RPB2+TEF+ITS+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される