2014年8月14日 (仮訳)Mariannaea属のホロモルフの新種およびM. samuelsiiのエピタイプ指定 Zeng, Z-Q. & Zhuang, W-Y., 2014. A new holomorphic species of Mariannaea and epitypification of M. samuelsii. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-014-0980-4 [Accessed August 13, 2014]. 【R3-01001】2014/08/14投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国安徽省で腐朽樹皮上に見出された菌を検討し、Mariannaea dimorphaとして新種記載した。 本種はMariannaea属の形態的特徴を有し、ITS+LSUに基づく分子系統解析で、どの同属他種とも異なる独自の系統を形成した。 また、M. samuelsiiのテレオモルフを初めて報告し、エピタイプ指定を行った。 中国安徽省六安市金寨県 (新種) Mariannaea dimorpha Z.Q. Zeng & W.Y. Zhuang 語源…二型の(分生子の性質から) 【よく似た種との区別】 Mariannaea aquaticola 分生子柄が輪生する 分生子が瓦重ね状に鎖生する 小分生子が楕円形~紡錘形 ITS+LSUに基づく分子系統解析で近縁 本種よりフィアライドが短い 本種より小分生子が長い 本種と異なり紡錘形の大分生子を欠く ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mariannaea elegans 分生子柄が輪生する 分生子が瓦重ね状に鎖生する 小分生子が楕円形~紡錘形 ITS+LSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子嚢殻の壁が疣状ではなく平滑~僅かに粗面 本種より子嚢殻の壁が厚い 本種よりフィアライドの数が多く、1輪あたり2-5個ではなく3-6個 本種より分生子形成細胞が短い 本種より小分生子の幅が狭い 本種と異なり紡錘形の大分生子を欠く ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mariannaea samuelsii ITS+LSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢胞子の幅が広い ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国安徽省六安市金寨県 (中国新産種) Mariannaea samuelsii Seifert & Bissett ※本種のテレオモルフを初めて報告した。 ※本種のエピタイプ指定を行った。 【よく似た種との区別】 Mariannaea elegans ITS+LSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢殻のサイズが大きい 本種と異なり子嚢殻が汚ベージュ色ではなく橙色~褐色 本種より子嚢胞子の幅が広い ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Mariannaea dimorpha ITS+LSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より子嚢胞子の幅が広い ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Clonostachys wenpingii (J. Luo & W.Y. Zhuang) Z.Q. Zeng & W.Y. Zhuang 旧名:Bionectria wenpingii J. Luo & W.Y. Zhuang (その他の分類学的措置および知見) M. elegans var. puniceaがで、M. elegans(M. elegans var. elegans)と近縁でないこと、形態的にも同種といえないことが示された。しかし、M. elegansのタイプ菌株が入手不可であることから正式な命名法上の措置を見送った。 M. clavisporaは本研究の分子系統解析でMariannaea属のどの種ともクラスターを形成せず、Ilyonectria radicicolaと近縁であったが、Ilyonectria属と同属ではなく、独立属となる可能性が示唆された。