(仮訳)南極圏に産したウスニン酸を含むLecanora属1新種および新産種
De la Rosa, IN. et al., 2016. A new species and new records of Lecanora (Lecanoraceae, lichenized Ascomycota) with usnic acid from the Antarctic region. Phytotaxa. Available at: https://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.261.2.8 [Accessed December 4, 2020] 【R3-07929】2020/12/4投稿

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3行まとめ

南極で採集された帯黄色凸形小区画状の地衣を検討し、Lecanora flavocrassaとして新種記載した。
また、L. stenotropaを南極新産種、L. intricataを南極半島新産種としてそれぞれ報告した。
南極産のウスニン酸を含有するLecanora属地衣の検索表を掲載した。
Antarctic Peninsula,  Danco Coast: Primavera Station, Punta Cierva (Cierva Cove)

(新種)

Lecanora flavocrassa de la Rosa & Messuti
語源…黄色で厚い(地衣体の形態から)
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【よく似た種との区別】
Lecanora albellula
材上生地衣である
地衣体が小区画状
果托皮層の幅の範囲が重なる
地衣成分としてウスニン酸を含むことがある
本種と異なり南極ではなくヨーロッパおよび北米などに分布する
本種と異なり樹皮生のことがある
本種と異なり地衣体が表在性ではなく基質内部に生じることがある
本種と異なり地衣体が不明瞭である
本種と異なり地衣体が帯黄色~淡い帯黄橙色ではなく帯黄緑色~黄褐色または帯灰ベージュ色
本種より子器の直径が小さい
本種と異なり子器盤が帯黄色、帯クリーム黄色、淡い帯黄橙色ではなく淡黄褐色~帯赤褐色、橙褐色
本種と異なり果托の縁が永存的に顕著なのではなく老成すると失われることがある
本種より子嚢胞子が短い
本種と異なり地衣成分としてイソウスニン酸を含む
本種と異なり地衣成分としてチオファン酸、ゼオリンを含まない
Lecanora frustulosa
南極に分布する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
地衣体が表在性
地衣体が小区画状
地衣成分としてウスニン酸、ゼオリンを含む
本種と異なり材上ではなく岩上に生じる
本種と異なり地衣体が帯黄色~淡い帯黄橙色ではなく淡黄色または黄緑色
本種より子器の直径が小さい
本種と異なり子器盤が帯黄色、帯クリーム黄色、淡い帯黄橙色ではなく赤褐色~褐色
本種と異なり果托の縁が永存的に顕著なのではなく老成するとしばしば失われる
本種と異なり果托の縁がしばしば強く屈曲するのではなく初め全縁でのちに円鋸歯状、屈曲状、または不規則状
本種より子嚢胞子が長い
本種より果托皮層の幅が狭い
本種と異なり髄層菌糸に臍状構造を有する
本種と異なり地衣成分としてスチクチン酸、ノルスチクチン酸、クリプトスチクチン酸、アトラノリン、エパノリンを含むことがある
本種と異なり地衣成分としてチオファン酸を含まない
Lecanora varia
材上生地衣である
地衣体が表在性
地衣体の色が類似している
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
地衣成分としてウスニン酸を含む
本種と異なり南極ではなくヨーロッパおよび北米などに分布する
本種と異なり樹皮生のことがある
本種ほど地衣体が発達しない
本種と異なり地衣体が小区画状ではなく小粒状
本種と異なり地衣体が帯黄色~淡い帯黄橙色ではなく黄灰色~暗灰緑色
本種より子器の直径が小さい
本種と異なり子器盤が帯黄色、帯クリーム黄色、淡い帯黄橙色ではなくクリーム色~桃色、淡橙色または褐色など変異が大きい
本種と異なり果托の縁が顕著ではなく発達に乏しく、間もなく失われる
本種より子嚢胞子が長い
本種より果托皮層の幅が広い
本種と異なり果托にKOH溶解性の小粒を含む
本種と異なり地衣成分としてプソロミン酸を含む
本種と異なり地衣成分としてチオファン酸、ゼオリンを含まない
Lecanora symmicta
南極に分布する
材上生地衣である
本種と異なり地衣体が小区画状ではなく平らに広がる
本種と異なり地衣体表面が疣状ではなく平滑~亀裂状
本種と異なり子器がレカノラ型ではなくビアトラ型またはレキデア型
本種と異なり果托の縁を欠く

(南極半島新産種)

Lecanora intricata (Ach.) Ach.
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(南極新産種)

Lecanora stenotropa Nyl.
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【よく似た種との区別】
Lecanora polytropa
南極に分布する
岩上生地衣である
形態的に類似している(容易に混同される)
地衣体が僅かに凸形の小区画状
子器が基部で狭窄し無柄
子器盤が帯黄色
粉芽を欠く
P陰性である
地衣成分としてウスニン酸、ランギホルム酸、イソランギホルム酸、時にゼオリンを含む
本種より子嚢胞子の幅が広い
本種と異なり子嚢胞子が狭楕円形ではなく広楕円形