(仮訳)南半球産のAcanthostigma属の新種
Sánchez, RM., Miller, AN. & Bianchinotti, MV., 2012. A new species of Acanthostigma (Tubeufiaceae, Dothideomycetes) from the southern hemisphere. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/104/1/223.short [Accessed June 7, 2014].
【R3-00789】2014/06/08投稿

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3行まとめ

アルゼンチンでナンキョクブナ属2種の樹皮に発生したAcanthostigma属菌の形態学的検討および分子系統解析を行い、A. patagonicaとして新種記載した。
本種は同属の別種とは、子嚢果および剛毛のサイズが大きく、子嚢胞子が幅広く左右非対称であることなどで区別された。
Acanthostigma属菌の修正した検索表を掲載し、アルゼンチン産のA. minutumが未記載種である可能性を指摘した。
Argentina, Neuquén, Pque. Nacional Lanín, on Provincial Route Number 48, before reaching Playas de Yuco

(新種)

Acanthostigma patagonica R.M. Sánchez, A.N. Mill. et Bianchin.
語源…パタゴニアの
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Acanthostigma perpusillum
樹皮に発生する
本種と異なりアルゼンチンではなくアジア・ヨーロッパ・北米・南米(グレナダ・ベネズエラ)に分布する
本種と異なりナンキョクブナ属ではなくサクラ属・ショウズク属・コナラ属に発生する
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子の末端が左右対称
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が9-18ではなく(5-)6-7(-8)
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Acanthostigma minutum
同所的に分布する(アルゼンチン・ネウケン州のラニン国立公園、ただしアルゼンチン産のものは分子系統解析の結果からA. minutumと別種の可能性がある)
ナンキョクブナ属樹木に発生する
子嚢胞子の隔壁数の範囲が本種と重なる
本種と異なりアルゼンチンだけでなくアジア・ヨーロッパ・北米にも分布する
本種と異なりナンキョクブナ属だけではなくブナ属・シラタマノキ属・ヤマナラシ属・コナラ属などに発生する
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子の末端が左右対称
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が9-18ではなく10-14
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Acanthostigma multiseptatum
子嚢胞子が長い
子嚢胞子の隔壁が多く、数の範囲が本種と重なる
本種と異なりアルゼンチンではなく米国に分布する
本種と異なり樹皮ではなく樹皮の剥がれた材に発生する
本種より子嚢果のサイズが僅かに小さい
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種と異なり子嚢胞子の末端が左右対称
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が9-18ではなく14-18
本種より剛毛のサイズが僅かに小さい
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Acanthostigma filiforme
子嚢胞子の長さの範囲が本種と重なる
子嚢胞子の隔壁の範囲が本種と重なる
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が9-18ではなく12-16
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Acanthostigma scopulum
子嚢胞子の長さの範囲が本種と重なる
本種と異なりアルゼンチンではなくアジア・ヨーロッパ・米国に分布する
本種と異なりナンキョクブナ属ではなくブナ属・マツ属・ツガ属樹木に発生する
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が9-18ではなく10-14
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Helicoma vaccinii
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSに14/407塩基、LSUに9/638塩基の差異)