(仮訳)フォークランド諸島産のAspicilia属1新種および地衣生Sagediopsis属1新種
Fryday, AM., Wheeler, TB. & Etayo, J. 2021. A new species of Aspicilia (Megasporaceae), with a new lichenicolous Sagediopsis (Adelococcaceae), from the Falkland Islands. The Lichenologist. Available at: https://www.cambridge.org/core/journals/lichenologist/article/new-species-of-aspicilia-megasporaceae-with-a-new-lichenicolous-sagediopsis-adelococcaceae-from-the-falkland-islands/19F7836F87C679F7A70F76B916821DD9 [Accessed August 9, 2021] 【R3-08673】2021/8/9投稿

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3行まとめ

フォークランド諸島で採集された痂状地衣の一種を検討し、Aspicilia malvinaeとして新種記載した。
本種は珍しい地衣成分であるヒポスチクチン酸を含み、フォークランド諸島から初めて報告されたメガスポラ科地衣となった。
また、本新種に生じていた地衣生菌をSagediopsis epimalvinaeとして新種記載したほか、フォークランド諸島新産種となるEndococcus propinquusの発生も記録した。
Falkland Islands, East Falkland, Lafonia, 3.5 km west of Walker Creek, east side of stream north of road

(新種)

Aspicilia malvinae Fryday & T. B. Wheeler
語源…マルビナス(諸島)の
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【よく似た種との区別】
Lecanora masafuerensis
南半球に分布する
本種と異なりフォークランド諸島ではなくチリなどに分布する
本種より子嚢胞子のサイズがずっと小さい
Aspicilia mendozae
南米南部に分布する
本種と異なりフォークランド諸島における分布が知られていない
本種より子嚢胞子のサイズがずっと小さい
Aspicilia abbasiana
火成岩に生じる
子嚢胞子のサイズが類似している
地衣成分としてヒポスチクチン酸を含む
本種と異なりフォークランド諸島ではなく中国などに分布する
本種と異なり側糸の上部細胞ではなく全長にわたって顕著な数珠状である
本種と異なり地衣成分としてスチクチン酸およびコンスチクチン酸を含む
ITS+nrLSU+mtSSU+Mcm7に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Falkland Islands, East Falkland, Lafonia, 3.5 km west of Walker Creek, east side of stream north of road

(新種)

Sagediopsis epimalvinae Etayo, T. B. Wheeler & Fryday
語源…Aspicilia malvinaeの上の
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【よく似た種との区別】
Sagediopsis fissurisedens
地衣生菌である
子嚢が8胞子性
子嚢胞子の隔壁数が3
果殻上部が顕著に厚い
子囊果内菌糸系の形態が類似している
本種と異なりクボミゴケ属ではなくAspilidea属地衣などに生じる
本種より子嚢殻のサイズがずっと大きい
本種と異なり子実下層に無色の油滴を豊富に含むという特徴を欠く
本種より子嚢のサイズが大きい
本種より子嚢胞子が僅かに短い
本種より子嚢胞子の幅が顕著に広い
Sagediopsis aspiciliae
地衣生菌である
子実層のゲルがヘミアミロイドである
本種と異なりクボミゴケ属ではなくAspilidea属地衣などに生じる
本種より子嚢果のサイズが大きい
本種と異なり子実下層に無色の油滴を豊富に含むという特徴を欠く
本種より子嚢のサイズが大きい
本種より子嚢胞子が短い
本種より子嚢胞子の幅が広い
本種と異なり子嚢胞子が楕円形~紡錘形で稀にサンダル形なのではなく楕円形
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が(0–)3ではなく0で稀に1
Sagediopsis pertusariicola
同じトリハダゴケ目地衣に生じる
本種と異なりクボミゴケ属ではなくトリハダゴケ属地衣などに生じる
本種より子嚢殻のサイズが大きい
本種と異なり子嚢殻表面に光沢を有する
本種と異なり子実下層に無色の油滴を豊富に含むという特徴を欠く
本種と異なり子嚢胞子の上部と下部の幅がほぼ等しい
本種と異なり子嚢胞子の両端が時に尖る
Sagediopsis campsteriana
同じトリハダゴケ目地衣に生じる
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なりクボミゴケ属ではなくニクイボゴケ属地衣に生じる
本種と異なり子嚢果が通常埋生、時に破出性~ほぼ表在性
本種より子嚢果のサイズが大きい
本種と異なり子実下層に無色の油滴を豊富に含むという特徴を欠く
本種より子嚢のサイズが僅かに長い
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が(0–)3ではなく(1–)3(–4)
Sagediopsis aquatica
地衣生菌である
本種と異なりフォークランド諸島ではなくヨーロッパに分布する
本種と異なりクボミゴケ属ではなくKoerberiella属地衣などに生じる
本種より子嚢胞子が長い
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種と異なり子嚢胞子が楕円形~紡錘形で稀にサンダル形なのではなく狭紡錘形~針形で基部が尖る
Sagediopsis barbara
地衣生菌である
本種と異なりクボミゴケ属ではなくヘリトリゴケ属地衣に生じる
本種より子嚢果のサイズが大きい
本種より子嚢胞子が長い
Sagediopsis dissimilis
地衣生菌である
本種と異なりフォークランド諸島ではなくオーストララシアなどに分布する
本種と異なりクボミゴケ属ではなくParaporpidia属地衣などに生じる
本種より子嚢胞子が短い
本種より子嚢胞子の幅が広い
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が(0–)3ではなく0-1
Sagediopsis bayozturkii
地衣生菌である
本種と異なりクボミゴケ属ではなくホウネンゴケ属地衣などに生じる
本種より子嚢殻のサイズが小さい
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
Sagediopsis lomnitzensis
地衣生菌である
本種と異なりクボミゴケ属ではなくイワアバタゴケ属地衣などに生じる
本種より子嚢胞子が短い
本種より子嚢胞子の幅が広い
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が(0–)3ではなく1
本種と異なり子嚢胞子に暈を生じる
本種と異なり子嚢殻の殻壁が時に部分的にI+青色~紫色
Sagediopsis vasilyevae
地衣生菌である
本種と異なりクボミゴケ属ではなくチズゴケ属地衣などに生じる
本種より子嚢胞子がずっと長い
本種より子嚢胞子の幅が狭い

(フォークランド諸島新産種)

Endococcus propinquus (Körber) D. Hawksworth
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