2017年1月27日 (仮訳)チャダイゴケ類の新種:形態および分子データに基づくCyathus subglobisporusの特徴づけ Zhao, R-L. et al., 2008. A new species of bird’s nest fungi: characterisation of Cyathus subglobisporus sp. nov. based on morphological and molecular data. Persoonia. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/nhn/pimj/2008/00000021/00000001/art00007 [Accessed January 27, 2017]. 【R3-03699】2017/01/27投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ タイ、チエンマイ県の森林においてタケの腐朽稈に群生した菌を検討し、Cyathus subglobisporusとして新種記載した。 本種は子実体が淡黄色~淡褐色で殻皮の外側が毛に覆われ、内側が扇畳状、担子胞子が類球形であることなどで特徴づけられた。 本種はITS+nrLSUに基づく分子系統解析でStriatumグループに含まれることが示唆された。 Thailand, Chiang Mai Province, Chiang Dao (新種) Cyathus subglobisporus R.L. Zhao, Desjardin, K. Soytong & K.D. Hyde 語源…類球形の胞子の 【よく似た種との区別】 Cyathus griseocarpus タイに分布する 子実体が淡黄色~淡褐色 外皮が淡黄色の円錐形に凝集する毛に覆われる 殻皮の内側表面が条線状~扇畳状 小塊粒が灰色を帯びる 本種と異なりインドなどにおける分布が知られている 本種より担子胞子のサイズがずっと小さい 本種より担子胞子のQ値が大きい 本種と異なり担子胞子が類球形ではなく楕円形 nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりOllumグループに含まれる) Cyathus annulatus 子実体が淡黄色~淡褐色 殻皮内側表面が顕著な扇畳状 ITS、nrLSU、ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じStriatumグループに含まれる) 本種と異なりタイではなくカナダなどに分布する 本種と異なり担子胞子が類球形でない ITS、nrLSU、ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cyathus berkeleyanus 子実体が淡黄色~淡褐色 殻皮内側表面が顕著な扇畳状 本種と異なりタイではなく中国などに分布する 本種と異なり担子胞子が類球形でない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりPallidumグループに含まれる) Cyathus bulleri 子実体が淡黄色~淡褐色 殻皮内側表面が顕著な扇畳状 担子胞子が球形~類球形 本種と異なりタイではなくインドなどに分布する 本種より担子胞子のサイズが小さい Cyathus cornucopioides 子実体が淡黄色~淡褐色 殻皮内側表面が顕著な扇畳状 本種と異なりタイではなく中国などに分布する 本種と異なり担子胞子が類球形でない Cyathus crispus 子実体が淡黄色~淡褐色 殻皮内側表面が顕著な扇畳状 本種と異なりタイではなくガーナなどに分布する 本種と異なり担子胞子が類球形でない Cyathus durus 子実体が淡黄色~淡褐色 殻皮内側表面が顕著な扇畳状 本種と異なりタイではなく米国などに分布する 本種と異なり担子胞子が類球形でない Cyathus guandishanensis 子実体が淡黄色~淡褐色 殻皮内側表面が顕著な扇畳状 担子胞子が球形~類球形 本種と異なりタイではなく中国などに分布する 本種より担子胞子のサイズが小さい nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりOllumグループに含まれる) Cyathus helenae 子実体が淡黄色~淡褐色 殻皮内側表面が顕著な扇畳状 nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じStriatumグループに含まれる) 本種と異なりタイではなくカナダなどに分布する 本種と異なり担子胞子が類球形でない Cyathus pallidus(ハゲチャダイゴケ) 子実体が淡黄色~淡褐色 殻皮内側表面が顕著な扇畳状 本種と異なりタイではなく中国などに分布する 本種と異なり担子胞子が類球形でない ITS、nrLSU、ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりPallidumグループに含まれる) Cyathus setosus 子実体が淡黄色~淡褐色 殻皮内側表面が顕著な扇畳状 ITS、nrLSU、ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりタイではなくジャマイカなどに分布する 本種と異なり担子胞子が類球形でない ITS、nrLSU、ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cyathus tianshanensis 子実体が淡黄色~淡褐色 殻皮内側表面が顕著な扇畳状 本種と異なりタイではなく中国などに分布する 本種と異なり担子胞子が類球形でない Cyathus yunnanensis 子実体が淡黄色~淡褐色 殻皮内側表面が顕著な扇畳状 担子胞子が球形~類球形 本種と異なりタイではなく中国などに分布する 本種より担子胞子のサイズが大きい Cyathus olivaceobrunneus 担子胞子のサイズが類似している 担子胞子の形状が類似している 本種と異なりタイではなく中国などに分布する 本種と異なり殻皮がオリーブ褐色 本種より担子胞子が長い 本種より担子胞子のQ値が大きい