(仮訳)疣状の子嚢胞子を持つGymnoascus属菌の新種
Sharma, R. & Singh, SK., 2013. A new species of Gymnoascus with verruculose ascospores. IMA Fungus. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/ima/imafung/2013/00000004/00000002/art00012 [Accessed June 14, 2014].
【R3-00810】2014/06/15投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

インド・マハーラーシュトラ州で土壌から分離された菌を、Gymnoascus verrucosusとして新種記載した。
本種は疣状の子嚢胞子を形成し、裸子嚢殻の外皮に鹿の角状の短い付属糸を伴うことなどで特徴づけられた。
ITS、LSU、SSUに基づく分子系統解析で、本種はジムノアスカス科クレードに含まれ、近縁な同属菌とは付属糸や子嚢胞子の形態などで区別された。
Kalyan railway station, Maharashtra, India

(新種)

Gymnoascus verrucosus Rahul Sharma & S.K. Singh
語源…疣状の(子嚢胞子の装飾から)
※同名の菌が既に存在する(Gymnoascus verrucosus Eidam、MB229765
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Gymnoascus petalosporus
土壌から分離される
子嚢果外皮の菌糸に隔壁を持つ
子嚢果外皮の菌糸が厚壁
ITS、LSU、SSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドのみではなく汎世界的に分布する
本種と異なり様々な動物の糞から分離されている
本種と異なり子嚢果が帯黄色~橙褐色ではなく帯緑褐色~褐色
本種と異なり子嚢果外皮に小型の尖った付属糸を欠く
本種と異なり子嚢胞子が子嚢中で花弁状に配列する
本種と子嚢胞子の形態が全く異なる
本種と異なり子嚢果外皮の菌糸が緩いメッシュ状で、真のレティクロペリディウムをなさない
本種と異なり子嚢果外皮の菌糸が直角に分枝する
本種と異なり分節分生子を欠く
ITS、LSU、SSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度はLSU93%、SSU97%、ITS86%)
Gymnoascus reessii
裸子嚢殻の形態が一見類似している
裸子嚢殻に厚壁の網目を持つ
ITS、LSU、SSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドのみではなく汎世界的に分布する
本種と異なり様々な動物の糞から分離されている
本種と異なり子嚢果の付属糸が屈曲したり鉤状になったりする
本種より子嚢胞子が濃色
ITS、LSU、SSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度はLSU90%、SSU97%、ITS85%)
Gymnoascus aurantiacus
土壌から分離される
PDA培地でのコロニーが黄褐色を帯びる
ITS、LSU、SSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドのみではなく汎世界的に分布する
本種と異なり植物残渣や糞からも分離されている
本種より子嚢胞子が長い
本種と異なり子嚢胞子が淡黄色ではなく黄色~黄金色
本種と異なり子嚢胞子が球形ではなく盤状
本種と異なり子嚢胞子の装飾が疣状ではなく不規則な孔状
ITS、LSU、SSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度はLSU89%、SSU97%)
Gymnoascus littoralis
土壌から分離される
子嚢果が黄色~橙褐色
ITS、LSU、SSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなくカナダ・イタリア・メキシコ・米国に分布する
本種と異なり海洋環境の種々の基質から分離されている
本種より子嚢胞子が長い
本種と異なり子嚢胞子の赤道面が厚い
ITS、LSU、SSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度はLSU89%、SSU97%)
Gymnoascus hyalinosporus
土壌から分離される
子嚢胞子が平滑に見える
ITS、LSU、SSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドのみではなく汎世界的に分布する
本種と異なり様々な動物の糞から分離されている
本種と異なり子嚢胞子の装飾が小さな瘤状ではなく散在する疣状
ITS、LSU、SSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの配列類似度86%)
Gymnoascus boliviensis
土壌から分離される
ITS、LSU、SSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなくボリビアに分布する
本種と異なり子嚢胞子が子嚢中で花弁状に配列する
本種より子嚢胞子が濃色
本種と異なり子嚢胞子が球形ではなく赤道面が顕著に隆起する盤状
本種と異なり子嚢胞子が疣状装飾を持たず平滑
本種と異なり分節分生子を欠く
ITS、LSU、SSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの塩基配列に56塩基置換と45インデルの差異)
Mallochia echinulata
子嚢胞子が球形
子嚢胞子にトゲ状装飾を持つ
本種と異なり子嚢果にテラペリディウムではなくレティクロペリディウムを持つ
本種と異なり子嚢胞子に鈍頭のトゲ状装飾を持つ
Mallochia endodonta
子嚢胞子が球形
子嚢胞子にトゲ状装飾を持つ
本種と異なり子嚢果にテラペリディウムではなくレティクロペリディウムを持つ
本種と異なり子嚢胞子の壁が2層からなる