(仮訳)健全な野生のイネの根から得られたHarpophora属新種は新規の有用DSEであった
Yuan, Z-L. et al., 2010. A new species of Harpophora (Magnaporthaceae) recovered from healthy wild rice (Oryza granulata) roots, representing a novel member of a beneficial dark septate endophyte. FEMS Microbiology Letters. … Available at: http://femsle.oxfordjournals.org/content/307/1/94.abstract [Accessed July 11, 2015].
【R3-02001】2015/07/12投稿

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3行まとめ

中国において野生のイネ、Oryza granulataのエンドファイト群集の調査を実施した。
健全な根から分離されたDSE (dark septate endophytes) 2菌株の形態学的検討および分子系統解析を行い、Harpophora oryzaeとして新種記載した。
本種をin vitroで栽培イネ、Oryza sativaに接種したところ、宿主の生長促進に寄与することが示された。
中国雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州納板河流域国家級自然保護区

(新種)

Harpophora oryzae Z.L. Yuan, C.L. Zhang & F.C. Lin
語源…イネ属の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Buergenerula spartinae
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードBに含まれる)
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Harpophora radicicola
宿主の根に生息する
フィアライドがいくぶん着色する
フィアライドが屈曲することがある
フィアライドにカラレットを有する
分生子のサイズの範囲が重なる
分生子が単細胞
本種と異なりOryza granulataではなくトウモロコシを宿主とする
本種と異なり分生子が鎌形ではなく強く屈曲する円筒形
本種と異なりコロニーが帯オリーブ灰色ではなくいくぶん帯オリーブ褐色
本種と異なりコロニーの生長速度が中程度ではなく速い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードBではなくクレードAに含まれる)
Harpophora graminicola
宿主の根に生息する
フィアライドが屈曲することがある
フィアライドにカラレットを有することがある
分生子が単細胞
コロニーの生長速度が中程度
宿主の生長を促進することが知られている
本種と異なりOryza granulataではなくVulpia ciliataおよびコムギを宿主とする
本種より分生子が短い
本種より分生子の幅が広い
本種と異なり分生子が鎌形ではなくほぼ直線状で時に屈曲するかS字状になることもある
本種と異なりコロニーが帯オリーブ灰色ではなく帯オリーブ色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードBではなくクレードCに含まれる)
Harpophora maydis
宿主の根に生息する
フィアライドが直線状
フィアライドが分枝することがある
フィアライドにカラレットを有する
分生子が単細胞
本種と異なりOryza granulataではなくトウモロコシを宿主とする
本種と異なり宿主の根だけではなく茎からも分離される
本種と異なりフィアライドがいくぶん着色するのではなく無色
本種より分生子の幅が広い
本種と異なり分生子が鎌形ではなく細長い直線状
本種と異なりコロニーが帯オリーブ灰色ではなく白色~淡灰色または老成すると”slate gray”
本種と異なりコロニーの生長が中程度ではなく遅い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードBではなくクレードDに含まれる)
Harpophora zeicola
宿主の根に生息する
フィアライドが屈曲することがある
フィアライドにカラレットを有する
本種と異なりOryza granulataではなくトウモロコシを宿主とする
本種と異なり分生子柄が密に分枝するという特徴を欠く
本種と異なりフィアライドがほぼ直線状なのではなくしばしば屈曲し、時にS字状となる
本種と異なり分生子が鎌形ではなく丸い形状と細く屈曲する形状の2型
本種と異なりコロニーが帯オリーブ灰色ではなく初め白色でのちに帯灰褐色となる
本種と異なりコロニーの生長が中程度ではなく速い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードBではなくクレードAに含まれる)