(仮訳)形態および分子(ITS配列)データに基づくインド産のベニタケ属新種の記載
Dutta, AK. et al., 2015. A new species of Russula (Russulaceae) from India based on morphological and molecular (ITS sequence) data. Turkish Journal of Botany. …. Available at: http://journals.tubitak.gov.tr/havuz/bot-1407-1.pdf [Accessed May 25, 2015].
【R3-01857】2015/05/25投稿

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3行まとめ

インド、西ベンガル州においてShorea robustaの樹下に発生した菌を検討し、Russula kanadiiとして新種記載した。
本種はHeterophyllidia亜属、Heterophyllae節、Virescentinae亜節に含まれた。
本種は子実体が中型で傘および柄が白色、襞がクリーム色、担子胞子が小型類球形、傘表皮がvirescens型であることなどで特徴づけられた。
India, West Bengal, West Midnapur District, Gurguripal forest

(新種)

Russula kanadii A.K. Dutta & K. Acharya
語源…ベニタケ属の研究者、Kanad Das氏に献名
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【よく似た種との区別】
Russula virescens(アイタケ)
同じVirescentinae亜節に含まれる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じサブクレードCに含まれる)
本種と地理的分布が異なる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula crustosa(ヤブレキチャハツ)
同じVirescentinae亜節に含まれる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じサブクレードCに含まれる)
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula alboareolata(ヒビワレシロハツ)
同じHeterophyllidia亜属に含まれる
傘の形状が類似している
小襞を欠く
担子胞子の形状が類似している
担子胞子の装飾が類似している
傘表皮の菌糸のパターンが類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘中央部が帯クリーム肉桂色ではなく淡い鈍黄色
本種と異なり傘表面が微粉状
本種と異なり襞が上生ではなくほぼ離生
本種と異なり襞がしばしば二叉分岐する
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(サブクレードCに含まれない、配列類似度90%)
Russula delica(シロハツ)
インドに分布する
傘が白色
本種と異なり担子胞子の胞子盤が非アミロイドではなくアミロイド
本種と異なり側シスチジア(襞の縁に近い部分)が頭状
本種と異なり縁シスチジアが頭状
Russula brevipes
インドに分布する
傘が白色
本種と異なり小襞を有する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子の胞子盤が非アミロイドではなくアミロイド
本種と異なり側シスチジア(襞の縁に近い部分)が頭状
本種と異なり縁シスチジアが頭状
Russula eburneoareolata(ツギハギハツ)
同じHeterophyllidia亜属に含まれる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドではなくパプアニューギニア、日本、韓国に分布する
本種と異なり傘が帯クリーム肉桂色ではなく淡黄色~帯灰黄色
本種と異なり傘表皮が間もなく裂けてパッチ状になる
本種と異なり傘縁部に老成すると小瘤状条線をあらわす
本種と異なり襞が上生ではなくほぼ離生でしばしば垂生する線を伴う
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が類球形ではなく類球形~広卵形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別され(サブクレードCではなくAに含まれる)
Russula heterosporoides
同じVirescentinae亜節に含まれる
本種と異なりインドではなく米国に分布する
本種と異なり傘が帯クリーム肉桂色ではなく鈍白色で中央部が微かに黄色を帯びる
本種と異なり傘縁部に小瘤状条線をあらわす
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なり担子胞子が類球形ではなく顕著な楕円形