(仮訳)中国において栽培アラゲキクラゲに”slippery scar”を引き起こすScytalidium属の新種
Peng, W-H. et al., 2014. A new species of Scytalidium causing slippery scar on cultivated Auricularia polytricha in China. FEMS Microbiology Letters. …. Available at: http://femsle.oxfordjournals.org/content/359/1/72.abstract [Accessed January 20, 2015].
【R3-01482】2015/01/20投稿

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3行まとめ

中国におけるアラゲキクラゲの深刻な病害、”slippery scar”の原因菌を検討し、Scytalidium auriculariicolaとして新種記載した。
本種は分生子が様々なサイズで、厚壁胞子が淡褐色~褐色、コロニーの生長が速いことなどで特徴づけられた。
本種は系統的には属の基準種のS. lignicolaと近縁であったが、分生子のサイズやITS、RPB2の塩基配列で区別された。
中国四川省徳陽市什邡市湔底鎮中和村

(新種)

Scytalidium auriculariicola W.H. Peng, Z.R. Yang & Q. Sun
語源…キクラゲ (Auricularia) 属の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Scytalidium lignicola
形態的に類似している
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIに含まれる)
本種と分生子のサイズの範囲が異なる
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの配列類似度94-95%で33塩基の差異、RPB2の配列類似度96%で30塩基の差異)
Scytalidium ganodermophthora
栽培きのこの害菌として知られている
形態的に類似している(混同のおそれがある)
本種と異なりアラゲキクラゲではなくマンネンタケを宿主とする
本種より分節分生子のサイズがずっと小さい
Scytalidium cuboideum
栽培きのこの害菌として知られている
形態的に類似している(混同のおそれがある)
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIに含まれる)
本種と異なりアラゲキクラゲではなくシイタケを宿主とする
本種より分節分生子のサイズがずっと小さい
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Scytalidium fulvum
形態的に類似している
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIに含まれる)
本種よりPDA25°Cでの生長がずっと遅い
本種より分生子のサイズの変異がずっと小さい
ITSおよびRPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Scytalidium vaccinii
本種より分生子の幅の変異が大きい
本種よりコロニーの生長が遅い
本種と異なり最適生長温度が20°C
本種と異なり最適pHが5.5