(仮訳)マカロネシア産のシロキクラゲ属新種
Kout, J., Quijada, L. & Beltrán-Tejera, E., 2015. A new species of Tremella from Macaronesia. Phytotaxa. Available at: http://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.226.1.7/0 [Accessed September 17, 2015].
【R3-02204】2015/09/18投稿

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3行まとめ

カナリア諸島で採集されたBiscogniauxia属の寄生菌を検討し、Tremella laurisilvaeとして新種記載した。
本種は子実体が褐橙色で指状の裂片を有し、子実層に鎖生する細胞を豊富に含むことなどで特徴づけられた。
本種は形態的にも系統的にもT. fuciformisのグループに含まれた。
Canary islands, tenerife: san Cristóbal de La Laguna, rural park of anaga, near Ermita de la Cruz del Carmen (Hoya de las palomas)

(新種)

Tremella laurisilvae J. Kout
語源…ゲッケイジュの森の
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【よく似た種との区別】
Tremella moriformis
本種と異なりマカロネシアではなくカナダなどに分布する
本種と異なりBiscogniauxia属ではなくDiaporthe属を宿主とする
本種と異なり褐橙色ではなく帯赤褐色~帯黒色
本種と異なり子実体が指状に裂けるのではなく結節状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tremella globispora
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマカロネシアではなくカナダなどに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIaではなくIbに含まれる)
Tremella flava
同じT. fuciformisグループに含まれる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりBiscogniauxia属ではなくHypoxylon属を宿主とする
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIaではなくIcに含まれる)
Tremella fuciformis(シロキクラゲ)
同じT. fuciformisグループに含まれる
子実層の菌糸が盛んに吻合する
子実層に鎖生する細胞を豊富に有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIaではなくIcに含まれる)
Tremella nigrifacta
核菌類の子嚢果に寄生する
子実体が褐色系
本種と異なりマカロネシアではなくアメリカ大陸に分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが大きい
Tremella riobrancensis
核菌類の子嚢果に寄生する
子実体が褐色系
本種と異なりマカロネシアではなくアメリカ大陸に分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが大きい
Tremella volcanaqua
子実体が褐色系
担子胞子が類球形
本種と異なりマカロネシアではなくアメリカ大陸に分布する
本種と異なり核菌類を宿主としない
Tremella armeniaca
同じT. fuciformisグループに含まれる
本種と異なりBiscogniauxia属ではなくXylaria属を宿主とする
本種と異なり子実体が帯褐色でない
Tremella coalescens(ヒメキクラゲモドキ)
子実体の形態が多様
子実体が帯褐色
本種と異なり子実体が指状にならない
本種より担子胞子のサイズが大きい
Tremella coffeicola
マカロネシアに分布する
子実体が帯褐色
本種と異なりカナリア諸島およびマデイラ諸島ではなくアゾレス諸島およびアメリカ大陸に分布する
本種と異なり核菌類を宿主とするという特徴を欠く
本種と異なり子実体が褐橙色ではなく黄褐色~さび色
本種と異なり子実体の裂片が指状ではなく葉状
Tremella foliacea(ハナビラニカワタケ)
マカロネシアに分布する
子実体が帯褐色
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり核菌類を宿主とするという特徴を欠く
本種と異なり子実体が褐橙色ではなく赤色を帯びた暗褐色
本種と異なり子実体の裂片が指状ではなく葉状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tremella wrightii
子実体が帯褐色
本種と異なりマカロネシアではなくアフリカなどに分布する
本種と異なり子実体が透明でない
本種と異なり子実体の裂片が指状ではなく膨大する
本種と異なり子実層に鎖生する細胞を有するという特徴を欠く
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく類球形