(仮訳)パキスタン、ギルギット・バルティスタン州のデオサイ国立公園に産した極地-高山地衣の新種
Usman, M., Dyer, PS. & Khalid, AN. 2021. A novel arctic-alpine lichen from Deosai National Park, Gilgit Baltistan, Pakistan. The Bryologist. Available at: https://bioone.org/journals/the-bryologist/volume-124/issue-4/0007-2745-124.4.484/A-novel-arctic-alpine-lichen-from-Deosai-National-Park-Gilgit/10.1639/0007-2745-124.4.484.short [Accessed November 7, 2021] 【R3-08942】2021/11/7投稿

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3行まとめ

パキスタン、ギルギット・バルティスタン州のデオサイ国立公園で採集された地上生地衣の一種を検討し、Placidium deosaienseとして新種記載した。
本種は地衣体が褐色~帯黒色の鱗片状で子嚢が円筒形、子嚢胞子が狭楕円形~楕円形で、粉子が棍棒形~桿形であることなどで特徴づけられた。
本種を含む分子系統樹および類縁種との形態形質の比較表などを掲載した。
Pakistan, Gilgit Baltistan, Deosai National Park

(新種)

Placidium deosaiense Usman & Khalid
語源…デオサイ産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Placidium rufescens
パキスタンに分布する
地衣体の色が類似している
粉子器を葉縁に生じる
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
本種と異なりスペインにおける分布が知られている
Placidium adami-borosi
被子器が埋生する
粉子器を葉縁に生じる
“rhizohyphae”を有する
子嚢が円筒形
子嚢が8胞子性
子嚢において子嚢胞子が1列に配列する
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
下皮層の厚さの範囲が重なる
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくフランス、イタリアなどに分布する
本種と異なり高山帯ではなく低地に分布する
本種より地衣体の鱗片の幅が広い
本種より地衣体が厚い
本種より被子器の最大幅が大きい
本種と異なり被子器が球形~狭洋梨形ではなく広洋梨形
本種より子嚢のサイズが小さい
本種より髄層が薄い
本種より髄層の細胞の幅が狭い
本種と異なり髄層が球形~角形の密な細胞からなるのではなく繊維状菌糸からなる
本種より藻類層が薄い
本種より上皮層が薄い
本種より粉子が長い
本種より粉子の幅が狭い
本種と異なり粉子が棍棒形~桿形ではなく桿形
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Placidium arboreum
被子器が埋生する
被子器の幅の範囲が重なる
粉子器を葉縁に生じる
“rhizohyphae”を有する
子嚢が円筒形
子嚢が8胞子性
子嚢において子嚢胞子が1列に配列する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく米国などに分布する
本種と異なり地上ではなく樹皮、稀にコケまたは岩上の腐植土に生じる
本種より地衣体の鱗片の幅が広い
本種より地衣体が薄い
本種と異なり被子器が球形~狭洋梨形ではなく広洋梨形
本種より子嚢のサイズが小さい
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり髄層が球形~角形の密な細胞からなるのではなく密接に様々な方向に錯綜した菌糸からなる
本種より上皮層が薄い
本種と異なり上皮層が異形菌糸組織ではなく繊維菌糸組織からなる
本種より下皮層が厚い
本種より藻類層が薄い
本種と異なりネクラル上層を欠く
本種より粉子の幅が狭い
本種と異なり粉子が棍棒形~桿形ではなく桿形
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Placidium lachneum
パキスタンに分布する
地衣体の鱗片の最大幅が同一
地衣体の厚さの範囲が重なる
被子器が埋生する
粉子器を葉縁に生じる
“rhizohyphae”を有する
子嚢が円筒形
子嚢が8胞子性
子嚢において子嚢胞子が1列に配列する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスペインにおける分布が知られている
本種より低標高域に分布する
本種より被子器の最大幅が広い
本種と異なり被子器が球形~狭洋梨形ではなく広洋梨形
本種より子嚢のサイズが小さい
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種より髄層が薄い
本種より髄層の細胞の幅が狭い
本種と異なり髄層が球形~角形の密な細胞からなるのではなく細長い菌糸からなる
本種より藻類層が薄い
本種より上皮層が薄い
本種より下皮層の細胞のサイズが大きい
本種と異なり下皮層が球形~類球形ではなく角形の細胞からなる
本種より粉子が長い
本種と異なり粉子が棍棒形~桿形ではなく桿形
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Placidium yoshimurae(ヒメカワイワタケ)
アジアに分布する
地衣体の鱗片の幅の範囲が重なる
被子器が埋生する
粉子器を葉縁に生じる
“rhizohyphae”を有する
子嚢が円筒形
子嚢が8胞子性
子嚢において子嚢胞子が1列に配列する
下皮層の厚さの範囲が重なる
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく日本などに分布する
本種と異なり地上ではなくコケや石灰岩上に生じる
本種より地衣体が薄い
本種より被子器の最大幅が広い
本種と異なり被子器が球形~狭洋梨形ではなく球形
本種より子嚢のサイズが小さい
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種より上皮層が薄い
本種と異なり髄層が球形~角形の密な細胞からなるのではなく細長い内腔を有する繊維状菌糸からなる
本種より髄層が薄い
本種より藻類層が薄い
本種と異なりネクラル上層を欠く
本種より粉子の幅が狭い
本種と異なり粉子が棍棒形~桿形ではなく桿形
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される