(仮訳)二型性病原菌の新種Emergomyces orientalis、播種性感染の原因菌
Wang, P. et al., 2017. A novel dimorphic pathogen, Emergomyces orientalis (Onygenales), agent of disseminated infection. Mycoses. Available at: http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/myc.12583/full [Accessed September 10, 2017].
【R3-04381】2017/09/11投稿

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3行まとめ

中国山西省の64歳男性に感染を引き起こした病原真菌を検討し、Emergomyces orientalisとして新種記載した。
本種は二型性を有し、28°Cでアレウロ型分生子を形成し、37°Cで酵母細胞を形成したが、40°Cでは生育せず、不応胞子の形成も認めなかった。
患者の症状は全身の播種性皮膚病変、咳嗽、発熱などで、肺に結節状陰影が認められ、アムホテリシンB+イトラコナゾール治療が奏効して退院した。
中国山西省

(新種)

Emergomyces orientalis P. Wang, Y.C. Xu & Fan, H.W.
語源…東洋の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Emergomyces crescens
ヒト病原菌である
本種と異なりノルウェー、ニュージーランド、米国、韓国、カナダなどにおける分布が知られている
本種と異なりマウスなどの齧歯類が宿主として知られている
本種と異なり不応胞子を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(グループ2ではなく1に含まれる)
Emergomyces parva
本種と異なりカナダ、米国、イタリアなどにおける分布が知られている
本種と異なりコヨーテの糞、鳥の巣、土壌などから分離される
本種と異なり酵母細胞が出芽時”narrow base”ではなく”broad base”を有する
本種と異なり不応胞子を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(グループ2ではなく3に含まれる)
Blastomyces dermatitidis
二型性を有する
分生子の形態が類似している
酵母細胞のサイズが類似している
不応胞子を欠く
本種と異なりカナダなどにおける分布が知られている
本種と異なり酵母細胞が出芽時”narrow base”ではなく”broad base”を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(グループ2ではなく3に含まれる)
Emergomyces pasteurianus
中国に分布する
ヒト病原菌である
酵母細胞に出芽時”narrow base”を有する
不応胞子を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じグループ2に含まれる)
本種と異なり酵母細胞に小型卵形~洋梨形と大型厚壁の2種類がある
本種と異なり40°Cで生育可能
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Emergomyces africana
ヒト病原菌である
酵母細胞に出芽時”narrow base”を有する
不応胞子を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じグループ2に含まれる)
本種と異なり中国ではなく南アフリカなどに分布する
本種と異なり40°Cで生育可能
本種と異なりフルコナゾールに感受性を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される