(仮訳)南アフリカにおいてブドウのエスカ病に関係するFomitiporia属の新種
Cloete, M. et al., 2013. A novel Fomitiporia species associated with esca on grapevine in South Africa. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-013-0915-5 [Accessed January 31, 2014].
【R3-00337】2014/01/31投稿

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3行まとめ

南アフリカで、エスカ病に感染したブドウのつるに子実体を形成した菌をFomitiporia tenuisとして新種記載した。
本種は、形態的に類似しているF. punctataF. aethiopicaなどとは複数の形態形質に違いが見られ、分子系統解析でも明瞭に区別された。
また、系統的に最も近縁なF. tenuisとは孔口や担子胞子のサイズなどの形態が大きく異なっていた。
Wellington, Western Cape

(新種)

Fomitiporia capensis M. Fisch., M. Cloete, L. Mostert, F. Halleen
語源…ケープ産の
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【よく似た種との区別】
Fomitiporia punctata(チャアナタケモドキ)
子実体が多年生
子実体が背着生
剛毛を欠く
担子胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なり南アフリカではなくヨーロッパに分布する
本種と異なり北方系の種とされている
本種より子実体が厚いクッション状
本種と異なり孔口表面が帯黄褐色~さび褐色ではなく帯灰褐色
本種より孔口のサイズが顕著に小さい
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fomitiporia pseudopunctata
子実体が多年生
子実体が背着生
担子胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なり南アフリカではなく南ヨーロッパに分布する
本種より子実体が厚いクッション状
本種と異なり孔口表面が帯黄褐色~さび褐色ではなく帯黄褐色~帯灰褐色
本種より孔口のサイズが顕著に小さい
本種と異なり剛毛を多数持つ
Fomitiporia mediterranea
エスカ病に感染したブドウから分離されている
子実体が多年生
子実体が背着生
担子胞子のサイズの範囲が重なる
剛毛がほとんど見られない
本種と異なり南アフリカではなくヨーロッパおよび近東に分布する
本種より子実体が厚いクッション状
本種と異なり孔口表面が帯黄褐色~さび褐色ではなく帯黄褐色~淡褐色
本種より孔口のサイズが小さい
Fomitiporia australiensis
エスカ病に感染したブドウから分離されている
子実体が多年生
子実体が背着生
孔口のサイズの範囲が重なる
剛毛を欠く
担子胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なり南アフリカではなくオーストラリアに分布する
本種と異なりハウチワノキ属植物からも見出されている
本種と異なり傘を形成することもある
本種と異なり孔口表面が帯黄褐色~さび褐色ではなく帯灰褐色~さび色
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fomitiporia aethiopica
アフリカに分布する
子実体が背着生
担子胞子のサイズの範囲が重なる
剛毛を欠く
本種と異なり南アフリカではなくアフリカ東部に分布する
本種と異なり子実体が時に多年生ではく一年生
本種より子実体が厚いクッション状
本種と異なり孔口表面が帯黄褐色~さび褐色ではなく帯灰橙色~黄金褐色
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fomitiporia tenuis
アフリカに分布する
子実体が背着生
子実体が薄い
ITS+LSUに基づく分子系統解析でごく近縁
本種と異なり南アフリカではなくアフリカ東部~中央部に分布する
本種と異なり孔口表面が帯黄褐色~さび褐色ではなく褐色~帯褐灰色
本種より孔口のサイズが顕著に小さい
本種より担子胞子のサイズがずっと小さい
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fomitiporia polymorpha
エスカ病に感染したブドウから分離されている
本種と異なり南アフリカではなく米国カリフォルニア州に分布する
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される