(仮訳)タイ北部のバーンホゥアトゥン・コミュニティ・フォレストに産したDaldinia属の1新種と1新組み合わせ
Wongkanoun, S. et al., 2019. A novel species and a new combination of Daldinia from Ban Hua Thung community forest in the northern part of Thailand. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s11557-019-01469-3 [Accessed February 12, 2022] 【R3-09232】2022/2/12投稿

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3行まとめ

タイ、チエンマイ県で採集された菌を検討し、Daldinia subvernicosaとして新種記載した。
本種はD. vernicosaに類似かつ近縁であったが、子嚢胞子のサイズや形状、含有する色素などが異なっていた。
また、従来インドネシアのみから知られていたHypoxylon kretzschmarioidesを採集し、二次代謝産物プロファイルおよび分子系統解析の結果を基にDaldinia属に移した。
Thailand, Chiang Mai Province, Ban Hua Thung community forest

(新種)

Daldinia subvernicosa Srikitikulchai, Wongkanoun, M. Stadler & Luangsa-ard
語源…Daldinia vernicosa類似の
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【よく似た種との区別】
Daldinia vernicosa
子座が大型
子嚢殻が長い管状
子嚢胞子のペリスポアが非裂開性
子嚢胞子表面の発芽溝が直線状~胞子の全長より僅かに短い
二次代謝産物としてビナフタレンテトロールを含む
ITS+nrLSU+TUB2+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイのみではなくドイツなど汎世界的に分布する
本種と異なり子嚢の柄が長いという特徴を欠く
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子がほとんどの場合類球形であり、基部の子嚢胞子がしばしば細長いという特徴を欠く
本種と異なりKOH可溶性色素が鼠色ではなく暗鉛色、鉛紫色
ITS+nrLSU+TUB2+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Daldinia loculatoides
ITS+nrLSU+TUB2+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイではなくイギリスなど北半球温帯に分布する
本種と異なり子座内部に褐色の同心円模様がある
本種より子嚢胞子の形状が規則的である
ITS+nrLSU+TUB2+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Daldinia singularis
子嚢に良好に発達した先端構造を欠く
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種とアナモルフの構造が異なる
Daldinia bakeri
子座の色が類似している
子座の形状が類似している
本種より子嚢胞子がずっと長い
Thailand, Chiang Mai Province, Ban Hua Thung community forest

(新組み合わせ)

Daldinia kretzschmarioides (Y.M. Ju & J.D. Rogers) Srikitikulchai, Wongkanoun, M. Stadler & Luangsa-ard
旧名:Hypoxylon kretzschmarioides Y.M. Ju & J.D. Rogers
※本種のエピタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Daldinia placentiformis
熱帯に分布する
子嚢胞子のペリスポアが裂開性
二次代謝産物としてビナフタレンテトロールを含む
ITS+nrLSU+TUB2+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢胞子が長い
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子の発芽溝が胞子の全長よりずっと短いのではなく全長と同一
本種と異なりKOH可溶性色素が暗ワイン色ではなく帯オリーブ色
本種と異なり二次代謝産物としてサイトカラシン類を含むという特徴を欠く
本種と異なり主な二次代謝産物としてダルディノンAを含む
ITS+nrLSU+TUB2+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Daldinia korfii
子嚢胞子のペリスポアが裂開性
ITS+nrLSU+TUB2+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイおよびインドネシアではなくアルゼンチンなどに分布する
本種より子嚢胞子が短い
本種と異なり子嚢胞子の発芽溝が胞子の全長よりずっと短いのではなく全長と同一
本種と異なりKOH可溶性色素が暗ワイン色ではなく褐ワイン色~暗ワイン色
ITS+nrLSU+TUB2+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される