(仮訳)分類学的再検討によりPhytophthora cinnamomiP. cinnamomi var. parvisporaが別種であることが明らかになった
Scanu. B., et al., 2013. A taxonomic re‐evaluation reveals that Phytophthora cinnamomi and P. cinnamomi var. parvispora are separate species. Forest Pathology …. Available at: http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/efp.12064/full [Accessed March 31, 2014].
【R3-00560】2014/03/31投稿

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3行まとめ

イタリア、サルディーニャ島において、2008年から2011年の間にイチゴノキに深刻な立ち枯れ病を起こした菌を分離した。
この菌は初めPhytophthora cinnamomi var. parvisporaと同定されたが、本研究で分類学的再検討を行った結果、基本種とは別種として扱われた。
接種試験により、両種はいずれもイチゴノキの苗に対して病原性を持つことが明らかになった。
Italy, Sardinia

(新種)

Phytophthora parvispora Scanu and Denman
語源…小さな胞子の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phytophthora cinnamomi
イチゴノキに病原性を持つ
遊走子嚢の長さ/幅の値の範囲が重なる
遊走子嚢の形状が類似している
遊走子嚢が永続性
遊走子嚢に乳頭突起を持たない
遊走子嚢の”external proliferation”が普通に見られる
遊走子が二回遊泳性
造卵器の壁が平滑
卵胞子の壁の厚さの範囲が重なる
菌糸がしばしば凝集したり膨大したりする
MEAおよびPDA培地での生長が遅い
最適生長温度が類似している
ITS+β-チューブリンおよびcox1+cox2に基づく分子系統解析でごく近縁(同じクレード7aに含まれる)
本種より冷涼な環境に適応していると見られる
本種より湿潤な環境に適応していると見られる(卵胞子の”wall index”から)
本種より遊走子嚢のサイズが大きい
本種と異なり分離株によっては遊走子嚢にやや乳頭突起を持つように見える
本種と異なり分離株によっては遊走子嚢に長い柄を持つものがある
本種ほど”nested proliferation”が頻繁に見られない
本種と異なり遊走子が集団で放出されることがない
本種より造卵器のサイズが大きい
本種と異なり造卵器の基部が通常先細りになる
本種ほど造卵器が黄金褐色にならない
本種より卵胞子のサイズが大きい
本種より卵胞子の”wall index”が顕著に低い
本種より充満性の卵胞子の割合が大きい
本種より発芽しない卵胞子の割合が小さい
本種より造精器のサイズが顕著に長い
本種より造精器の長さ/幅の値が大きい
本種と異なり造精器が常に1細胞ではなく主に2細胞からなる
本種と異なり造精器が底着性で時に側着性ではなく底着性
本種より厚壁胞子のサイズが顕著に大きい
本種と異なり厚壁胞子がほとんど単生するのではなく、しばしばブドウの房状に形成される
本種より一次菌糸の幅が広い
本種と異なり菌糸の膨大部が球形ではなくほぼ専ら不規則な珊瑚状である
本種より液体培養下での遊走子嚢の形成が乏しい
本種より液体培養下での遊走子嚢の成熟が遅く、48時間を要する
本種と異なり10°C未満でも生長可能
本種より最大生長温度が低い
本種と異なり最適生長温度が26-27°Cではなく27-28°C
本種よりニンジン培地、20-35°Cでの生長が遅い(25-30°Cはt検定で有意差あり)
本種よりPDAおよびCMA培地での生長が速い
接種試験で苗が枯死するまでの日数が本種より短い
本種よりメフェノキサムに対する感受性が低い
ITS+β-チューブリンおよびcox1+cox2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される