(仮訳)ヨーロッパ産Melanelixia fuliginosaの分類学的研究
Arup, U. & Berlin, E., 2011. A taxonomic study of Melanelixia fuliginosa in Europe. The Lichenologist. Available at: http://journals.cambridge.org/abstract_S0024282910000678 [Accessed October 24, 2014].
【R3-01217】2014/10/24投稿

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3行まとめ

従来2亜種が認識されてきたMelanelixia fuliginosaについて、形態計測および分子系統解析を行った。
形態計測の結果、地衣体の色や裂片の幅など複数の形質が2亜種に対応して異なることが示されたが、一方でかなりのオーバーラップも認められた。
ITS領域に基づく分子系統解析の結果、明瞭に区別される2系統が示されたことから、両者を別種として扱うこととした。

(新組み合わせ)

Melanelixia glabratula (Lamy) Sandler & Arup
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【よく似た種との区別】
Melanelixia fuliginosa
同所的に分布する(隣り合って発生することもある)
稔性に乏しい
地衣体縁部の幅の範囲が重なる
裂片の幅の範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり主に樹皮ではなく岩に発生する
本種と異なり新鮮な地衣体の色がオリーブ緑色~褐色ではなく暗褐色~帯黒色(色調の分布が明瞭に異なりオーバーラップが見られない)
本種より地衣体縁部の幅の平均値が小さい
本種より裂片の幅が狭い
本種と異なり地衣体表面が無光沢~”shiny”で稀に”glossy”ではなく”shiny”~”glossy”で稀に無光沢
本種と異なり裂芽が疎ら~多数生じ、時に非常に疎らなのではなく多数~無数に生じる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Melanelixia fuliginosa (Fr. ex Duby) O. Blanco, A. Crespo, Divakar, Essl., D. Hawksw. & Lumbsch
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【よく似た種との区別】
Melanelixia glabratula
同所的に分布する(隣り合って発生することもある)
稔性に乏しい
地衣体縁部の幅の範囲が重なる
裂片の幅の範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり主に岩ではなく樹皮に発生する
本種と異なり新鮮な地衣体の色が暗褐色~帯黒色ではなくオリーブ緑色~褐色(色調の分布が明瞭に異なりオーバーラップが見られない)
本種より地衣体縁部の幅の平均値が大きい
本種より裂片の幅が広い
本種と異なり地衣体表面が”shiny”~”glossy”で稀に無光沢ではなく無光沢~”shiny”で稀に”glossy”
本種と異なり裂芽が多数~無数に生じるのではなく疎ら~多数生じ、時に非常に疎ら
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される