(仮訳)パキスタン産Chroogomphus属菌の追加
Kiran, M. et al., 2020. Additions to the genus Chroogomphus (Boletales, Gomphidiaceae) from Pakistan. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/38659/ [Accessed June 1, 2020] 【R3-07371】2020/6/1投稿

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3行まとめ

パキスタン、カイバル・パクトゥンクワ州の針葉樹林で採集された2種の菌を検討し、それぞれChroogomphus pakistanicusC. pruinosusとして新種記載した。
両種はそれぞれChroogomphus亜属、Siccigomphus亜属に含まれた。
パキスタン産の本属菌の検索表を掲載した。
Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa province, district Dir (Upper), Kumrat valley

(新種)

Chroogomphus pakistanicus M. Kiran & A.N. Khalid
語源…パキスタンの
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【よく似た種との区別】
Chroogomphus filiformis
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIIに含まれる)
本種と異なり傘が帯灰黄褐色~暗い帯青灰色~橙色でない
本種と異なり柄基部に帯桃色の菌糸体を伴う
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chroogomphus britannicus
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIIに含まれる)
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり襞実質がアミロイド
本種と異なり傘実質が非アミロイド
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chroogomphus mediterraneus
形態的に類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIIに含まれる)
本種と異なり傘が灰色~帯オリーブ色~褐色~赤色~桃色~紫色
本種と異なり傘が凸形~類円錐形
本種と異なりシスチジアが棍棒形~時に僅かに小嚢形なのではなく円筒形、類紡錘形、類小嚢形~時に偽頭状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chroogomphus vinicolor
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIIに含まれる)
本種と異なりパキスタンではなく北米に分布する
本種と傘の色が異なる
本種と異なりシスチジアが厚壁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chroogomphus jamaicensis
形態的に類似している(混同のおそれがある)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIIに含まれる)
本種と異なり柄シスチジアが紡錘形
本種と異なり柄シスチジアが厚壁
本種と異なり柄シスチジアが時に基部にかけてアミロイド
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chroogomphus rutilus(クギタケ)
パキスタンに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIIに含まれる)
本種と異なり傘が帯青灰色~橙色ではなく黄褐色~ワイン色
本種と異なり傘が広凸形ではなく中高
本種と異なり傘表皮の菌糸がアミロイドではなく非アミロイド
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa province, district Dir (Upper), Kumrat valley

(新種)

Chroogomphus pruinosus M. Kiran & A.N. Khalid
語源…粉状の(傘および柄の表面性状から)
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【よく似た種との区別】
Chroogomphus roseolus
パキスタンに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIに含まれる)
本種と異なり中国における分布が知られている
本種より傘のサイズが小さい
本種と異なり傘が帯黄橙色でない
本種と異なり傘が広凸形~鈍円錐形でない
本種と異なり傘表面が粉状でない
本種と異なり襞実質が非アミロイドではなくアミロイド
本種と異なり傘実質が非アミロイドではなくアミロイド
本種と異なり傘シスチジアを欠く
本種と異なり柄表皮が非アミロイドではなくアミロイド
本種と異なり柄シスチジアを欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chroogomphus helveticus(タカネクギタケ)
パキスタンに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIに含まれる)
本種と異なりヨーロッパ、中国における分布が知られている
本種と異なり柄基部に帯桃色の菌糸体を伴う
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Chroogomphus rut​​ilus
形態的に類似している
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり傘が帯ワイン褐色または黄褐色~帯ワイン赤色、帯赤褐色~帯紫色
本種と異なり傘が中高
本種と異なり柄基部に帯黄色~黄褐色の菌糸体を伴う
本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい
本種と異なりシスチジアが類紡錘形~円筒形
本種と異なりシスチジアが厚壁
本種と異なり襞実質菌糸がアミロイド
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIではなくIIIに含まれる)
Chroogomphus purpurascens
形態的に類似している
本種と異なりPinus cembraなどのマツ属植物を宿主とする
本種と異なり傘が灰色~褐色でのちに紫色
本種と異なり傘が僅かに窪む
本種と異なり柄が黄褐色
本種と異なり柄基部に鮭肉色~紫桃色の菌糸体を伴う
本種と異なりシスチジアが薄壁
本種と異なり傘実質が濃いアミロイド
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIではなくIIIに含まれる)
Chroogomphus tomentosus(フサクギタケ)
アジアに分布する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なりシスチジアが厚壁
本種と異なり襞実質が強いアミロイド
本種と異なり傘実質が強いアミロイド
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIではなくIに含まれる)