(仮訳)分子および形態学的研究によるInocybe mixtilisグループの知識の向上
Esteve-Raventós, F. et al., 2018. Advances in the knowledge of the Inocybe mixtilis group (Inocybaceae, Agaricomycetes), through molecular and morphological studies. Persoonia. Available at: https://www.ingentaconnect.com/content/nhn/pimj/2018/00000041/00000001/art00011 [Accessed February 13, 2021] 【R3-08142】2021/2/13投稿

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3行まとめ

Inocybe mixtilis複合種を形態・生態学的形質と分子系統解析を用いて検討した。
本複合種の各クレードは傘の色および粘性、被膜の存在および発達度、担子胞子の形状、シスチジアの長さなどにより特徴づけられた。
本複合種においてI. ceskaeなど4新種を記載した。
Finland, Koillismaa, Kuusamo, Oulanka National Park, W of the Research Station, N of the river Oulanganjoki, Liikasenvaarantie 135

(新種)

Inocybe ceskae Bandini, Esteve-Rav. & B. Oertel
語源…Oluna Ceska氏に献名
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【よく似た種との区別】
Inocybe occulta
北米、ヨーロッパに分布する
形態的に類似している(識別困難な場合がある)
被膜がほとんどの場合早落性
被膜が類白色
担子胞子が異径
担子胞子に明瞭かつ顕著に突出する瘤を有する
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアにおける分布が知られている
本種と異なり傘が淡藁色、帯黄ベージュ色、淡黄褐色ではなく黄褐色、黄金色、橙黄色または淡褐色
本種と異なり傘表面が僅かに湿時粘性なのではなくやや吸水性
本種よりシスチジアが長い
本種と異なりシスチジアが紡錘形で基部が細まるのではなく類瓶形でしばしば顕著な頸部を有する
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe mixtilis
ヨーロッパに分布する
亜寒帯域のタイガに生息する
形態的に類似している(非典型的な標本は形態的に識別困難)
担子胞子に明瞭かつ顕著に突出する瘤を有する
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より傘が強く黄色~橙色を帯びる
本種と異なり傘表面が平滑または湿時粘性を有するという特徴を欠く
本種より担子胞子のQm値が小さい
本種ほど担子胞子が異径でない
本種と異なりシスチジアが紡錘形で基部が細まるのではなく瓶形~類瓶形
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Germany, Baden-Württemberg, Heidelberg

(新種)

Inocybe johannis-stanglii Bandini, Esteve-Rav. & G. Moreno
語源…Johann Stangl氏に献名
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【よく似た種との区別】
Inocybe nothomixtilis
被膜が薄い
担子胞子の形状が類似している
担子胞子の装飾が類似している
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種ほど担子胞子が長方形でない
本種よりシスチジアのサイズが小さい
本種と異なりシスチジアの基部が顕著に細まるという特徴を欠く
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe subtrivialis
ヨーロッパに分布する
担子胞子表面に低い瘤を有する
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりドイツおよびオーストリアではなくスペインなどに分布する
本種と生息環境が異なる
本種より子実体が老成あるいは乾燥時に暗褐黄色~青銅色に変色する
本種より傘が暗い帯褐橙色である
本種より担子胞子の幅が僅かに狭い
本種よりシスチジアの形状が細長い
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Spain, Basque Country, Araba (Alava), Zuia, Markina

(新種)

Inocybe nothomixtilis Esteve-Rav., Bandini & V. González
語源…偽のInocybe mixtilis
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【よく似た種との区別】
Inocybe johannis-stanglii
被膜が薄い
担子胞子の形状が類似している
担子胞子の装飾が類似している
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子が長方形である
本種よりシスチジアのサイズが大きい
本種と異なりシスチジアの基部が顕著に細まる
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe occulta
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子のQm値が小さい
本種と異なり担子胞子表面に低い瘤を有するのではなく明瞭かつ顕著に突出する瘤を有する
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe subtrivialis
担子胞子の形状が類似している
担子胞子表面に低い瘤を有する
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり被膜がかなり発達し永存性なのではなくしばしば早落性
本種より担子胞子のQm値が大きい
本種と異なり担子胞子が異径の多角形ではなくいくぶん長方形の異径
本種よりシスチジアが長い
本種と異なりシスチジアに柄を欠くのではなくしばしば有する
本種と異なりシスチジアがしばしば厚壁ではなく薄壁
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Spain, La Rioja、Villarroya

(新種)

Inocybe occulta Esteve-Rav., Bandini, B. Oertel & G. Moreno
語源…隠れた(他のInocybe mixtilisグループの菌に類似することから)
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【よく似た種との区別】
Inocybe ceskae
北米、ヨーロッパに分布する
形態的に類似している(識別困難な場合がある)
被膜がほとんどの場合早落性
被膜が類白色
担子胞子が異径
担子胞子に明瞭かつ顕著に突出する瘤を有する
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアにおける分布が知られていない
本種と異なり傘が黄褐色、黄金色、橙黄色または淡褐色ではなく淡藁色、帯黄ベージュ色、淡黄褐色
本種と異なり傘表面がやや吸水性なのではなく僅かに湿時粘性
本種よりシスチジアが短い
本種と異なりシスチジアが類瓶形でしばしば顕著な頸部を有するのではなく紡錘形で基部が細まる
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe nothomixtilis
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子のQm値が大きい
本種と異なり担子胞子表面に明瞭かつ顕著に突出する瘤を有するのではなく低い瘤を有する
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe mixtilis
亜寒帯域のタイガに生息する
形態的に類似している(非典型的な標本は形態的に識別困難)
担子胞子に明瞭かつ顕著に突出する瘤を有する
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子のQm値が小さい
本種ほど担子胞子が異径でない
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Inocybe mixtilis (Britzelm.) Sacc.
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【よく似た種との区別】
Inocybe occulta
亜寒帯域のタイガに生息する
形態的に類似している(非典型的な標本は形態的に識別困難)
担子胞子に明瞭かつ顕著に突出する瘤を有する
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子のQm値が大きい
本種より担子胞子が異径
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe ceskae
ヨーロッパに分布する
亜寒帯域のタイガに生息する
形態的に類似している(非典型的な標本は形態的に識別困難)
担子胞子に明瞭かつ顕著に突出する瘤を有する
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種ほど傘が強く黄色~橙色を帯びない
本種と異なり傘表面が平滑または湿時粘性を有する
本種より担子胞子のQm値が大きい
本種より担子胞子が異径
本種と異なりシスチジアが瓶形~類瓶形ではなく紡錘形で基部が細まる
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe tabacina
形態的に類似している(本種が帯褐橙色の傘を持つ場合に、特に乾燥時に誤同定のおそれがある)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘が新鮮時黄色または橙色を帯びず、黄褐色~煙草褐色
本種と異なりシスチジアが便腹形~小嚢形ではなく通常細長く紡錘形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Inocybe subtrivialis Esteve-Rav., M. Villarreal & Heykoop
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【よく似た種との区別】
Inocybe nothomixtilis
担子胞子の形状が類似している
担子胞子表面に低い瘤を有する
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり被膜がしばしば早落性なのではなくかなり発達し永存性
本種より担子胞子のQm値が小さい
本種と異なり担子胞子がいくぶん長方形の異径ではなく異径の多角形
本種よりシスチジアが短い
本種と異なりシスチジアに柄をしばしば有するのではなく欠く
本種と異なりシスチジアが薄壁ではなくしばしば厚壁
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe johannis-stanglii
ヨーロッパに分布する
担子胞子表面に低い瘤を有する
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスペインなどではなくドイツおよびオーストリアに分布する
本種と生息環境が異なる
本種ほど子実体が老成あるいは乾燥時に暗褐黄色~青銅色に変色しない
本種ほど傘が暗い帯褐橙色でない
本種より担子胞子の幅が僅かに広い
本種ほどシスチジアの形状が細長くない
ITSおよびITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される