(仮訳)形態および分子の形質に基づく新種、Albatrellus piceiphilus
Cui, B-K., Wang, Z. & Dai, Y-C., 2008. Albatrellus piceiphilus sp. nov. on the basis of morphological and molecular characters. Fungal Diversity. Available at: https://www.researchgate.net/profile/Zheng_Wang2/publication/273614015_Albatrellus_piceiphilus_sp_nov_on_the_basis_of_morphological_and_molecular_characters/links/5534fc040cf283a8f60c0b18.pdf [Accessed December 4, 2016].
【R3-03537】2016/12/05投稿

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3行まとめ

中国甘粛省のトウヒ林地上に発生した菌を検討し、Albatrellus piceiphilusとして新種記載した。
本種は子実体が淡黄色~帯黄褐色で担子胞子が僅かに厚壁かつ顕著なアミロイド、生殖菌糸にクランプを欠くことなどで特徴づけられた。
分子系統解析では本新種を含むクレードがおそらくコア・クレードでありルスロイド・クレードに含まれた一方、A. syringaeはポリポロイド・クレードに含まれ遠縁であった。
中国甘粛省蘭州市楡中県興隆山自然保護区

(新種)

Albatrellus piceiphilus B.K. Cui & Y.C. Dai
語源…トウヒ属を好む
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Albatrellus citrinus
中国から報告されている
トウヒ属植物を宿主とする
子実体が帯黄色
担子胞子が顕著なアミロイド
生殖菌糸にクランプを欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じルスロイド・クレードに含まれる)
本種と異なりスウェーデン、スイスなどにおける分布が知られている
本種と異なり子実体が新鮮時帯黄色ではなく白色
本種と異なり子実体が乾燥すると強い不快臭を発するのではなく乾燥しても特別な臭気を発しない
本種より担子胞子の幅が僅かに狭い
本種より担子胞子のQ値が大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Albatrellus ovinus(ニンギョウタケモドキ)
形態的に類似している(容易に混同しうる)
傘が淡褐色
担子胞子が僅かに厚壁
生殖菌糸にクランプを欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じルスロイド・クレードに含まれる)
本種と異なり中国ではなくスウェーデンなどに分布する
本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい
本種と異なり担子胞子が顕著なアミロイドではなく非アミロイド
本種と異なり粘質菌糸を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Albatrellus subrubescens
担子胞子が顕著なアミロイド
生殖菌糸にクランプを欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じルスロイド・クレードに含まれる)
本種と異なり中国ではなくスウェーデンなどに分布する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり粘質菌糸を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Albatrellus dispansus(コウモリタケ)
中国に分布する
子実体が黄色
本種と異なり日本における分布が知られている
本種と異なり孔口面が白色
本種と異なり子実体に新鮮時芳香がある
本種と異なり担子胞子が顕著なアミロイドではなく非アミロイド
Albatrellus syringae
中国に分布する
トウヒ林に発生することがある
地上に発生する
肉眼的形質が類似している
本種と異なりスウェーデンなどにおける分布が知られている
本種と異なり芝生や被子植物の森林に発生する
本種と異なり傘に環紋を有する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が頂部にかけて先細りになる
本種と異なり生殖菌糸にクランプを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ルスロイド・クレードではなくポリポロイド・クレードに含まれる)